『潮流』久々に淫してしまった

『潮流』久々に淫してしまった
 今野 敏(こんの・びん)さん、久々の東京湾臨海署安積(あずみ)班シリーズ。★★★★★(ハルキ文庫)680円
『潮流』久々に淫してしまった
 近所で咲いている花
『潮流』久々に淫してしまった
 庭に咲いている花。近々図鑑で調べてみよう。




 『潮流』★★★★★ 久々に淫してしまった


 今野 敏(こんの・びん)さんの東京湾臨海署安積(あずみ)班シリーズ『潮流』に久しぶりに淫してしまった。

 他の事をしなければならないのに、読みだしたら止められなくなって、3時間半ほど費やしてしまった。サラリーマン時代は、仕事に差し支えるので、年末年始の休み以外は、小説やテレビの連続ドラマは禁止していた。久々に淫してしまった。面白かった。

 この本は、安積がかつて扱った事件が冤罪だったかどうかが大きなテーマとなっている。私も10年ほど前までは冤罪事件に強い関心を持ち、そのことについて書き、明らかに冤罪と思われる人たちを支援したりもした。

 この本にも書いているが、検察官・警察官は、自分たちが描いた筋書きに都合のいい証拠や証言を選び、都合の悪いものはなるべく隠す。そして、一旦起訴されたら、刑事裁判の有罪率は99・9%である。検察官の中には、裁判官を自動販売機と呼び、自分たちの筆先三寸でどうにでもなると豪語する者もいる。

 ところが、郵政不正事件で厚労省の村木厚子さんを標的にした検察は、都合の悪い取り調べメモを破棄したり、証拠を偽造したことが満天下に明らかになり、世間の検察・警察を見る目は変わり、少しは流れが変わってきだした

 とにかく面白い。お薦めします。


 以下、この本のストーリーと直接関係のないことを書きます。この本の3分の2ほどのところにこうある。

 「警察は、法的に厳しい反面、肉体的なぶつかり合いにやや寛容な一面がある。警察官のほとんどが武道の経験者であり、あまりほめられたことではないが、先輩が後輩に手を挙げることもある」
 「凶悪でしたたかな犯罪者に対しては、やむを得ず肉体的な実力行使が必要なこともある。言葉の印象は悪いが、警察も社会学用語で言う『暴力装置』であることは確かなのだ」


 サラリーマン時代のある経験を思い出した。
 私はある営業所の内野責任者であった。ある日、明らかに武道経験者と思われる屈強な男4人がやってきて、「北方領土返還」に賛意を示す文書への署名と賛助金を求められた。

 私は別室から警察署に電話して助言を求めた。その時の刑事の言葉が面白かった。「一発殴られてやってください。電話いただいたらすぐに出動して引っ張りますから」。

 私は「成るほど、そんなものか」と刑事の発想に感心し、女子社員にその旨伝えて、4人に対応した。「北方領土返還」に賛意を示すことは特に問題がないので署名し、賛助金はなんのかんのと理由をつけて断った。別に問題は起こらなかった。


 関西のある営業所に所長として転勤した人は、商品のクレームで事務所に呼び出され、話の最中に応接机の上にゴトリと何か置かれたので見ると、回転式拳銃(リボルバー)だったとのこと。
 長い人生いろいろあります。


以上



『君たちに明日はない』★★★★★

『君たちに明日はない』★★★★★
 『君たちに明日はない』シリーズの4と5(新潮文庫)。 594円と637円。
『君たちに明日はない』★★★★★
 通販はいいけど、段ボール箱の片付けが面倒。
『君たちに明日はない』★★★★★
 たぶんアヤメ。田んぼ脇で咲いていた。





 『君たちに明日はない』★★★★★


 垣根涼介(かきね・りょうすけ)さんの『君たちに明日はない』シリーズの4と5を続けて読んだ。12年前に第1巻が出て、2年ごとに続編が出版され、5巻で完結した。

 主人公の村上真介は、リストラ請負会社の面接官。私が会社を辞めて17年になるが、その少し前、1998年頃から私がいた会社もこのような会社を利用しだした。私自身は、この作品のように、個別面接は受けたことはない。早期退職年齢対象者全員を会議室に集めて、早期退職優遇制度の話を聞いただけである。私が辞めたのち頃から、個別にぎゅうぎゅうとやったようである。

 因みに、面接官は辞めさせるだけが能ではない。人事評価は、例えばS,A,B,C,Dなどの5段階評価が普通で、構成比は、5%、20%、50%、20%、5%などとなっている。削減目標が対象社員の2割の場合、D評価、C評価の人に辞めてもらい、SやA評価の人には残って活躍してもらうのがベストである。ところが往々にして、そううまくはいかない。SやAの人はどこにいってもある程度やれる自信があるのでこれを機会に割増し退職金をもらって辞めようとし、DやCの人はあくまでもしがみつこうとしがちである。


 私はこの作品を1巻目からすべて読んだ。リアルである。また、例えば、4巻目は、航空会社のAJA、証券会社の山三、楽器会社のハヤマ、ファミレスのベニーズを扱っているが、それぞれJAL、山一、ヤマハ、デニーズであると思われる。5巻目の化粧品会社コフレはカネボウか、家電会社セネシュはシャープ?公文書店は分からない。最後は村上真介自身の会社、リストラ請負業の日本ヒューマンリアクトである。

 日本ヒューマンリアクトは、社長の高橋が立ち上げて15年になるが、この種の会社の社会的な意義がそろそろなくなると考えて、余裕のあるうちに畳むことを社員に提案、余剰金三億円は社員に退職金として分配して廃業した。

 モデルとなった職種、個別企業の状況、その業界の現況がよく分かる。仕事とは何かについても考えさせられる。ほとんどの人が、40年~50年間、人生の大半を仕事に費やさざるを得ない。それだけに重い。


 著者の垣根涼介さんは、第5巻目の「あとがき」にこう書いている。

 「一話ぶんの話を作るために実際にその業界にいる人々に取材し、その取材を小説として起こす度に、自分の中に何事かの発見があり、それによって私の仕事観や社会観もまた変容していく……。十数年間ずっと『仕事とは何か?』を考え続けてきた意味は、今後の私にとっても大きな指針になると思っています」

 「ですが、そうやって色々と考えてきた仕事観や社会観も、結局は現時点での暫定(ざんてい)仕様でしかないのだろうと感じています。社会や人間関係が次のフェイズに行けば、これまでの考え方や方法論が通用しなくなってまた自分をリストラ(再構築)していかなくてはならない……それが、生きていくということなのでしょう」


 お薦め致します。


以上


『帝国の慰安婦』買う気が失せた

『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 朴 裕河(パク・ユハ)女史著。韓国・世宗大学日本文学科教授。慶応大、早稲田大に学んでいる。(朝日新聞出版)2268円。
韓国の裁判2題
 産経新聞17年1月26日
『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 国基研ろんだん17年2月1日
『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 西岡力(つとむ)さん著。(草思社文庫)864円。慰安婦問題の経緯がよく分かる。
『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 秦郁彦(はた・いくひこ)さん著。(新潮選書)1728円。慰安婦問題と各国の戦場の性の問題がよく分かる。
『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 カメラのキタムラ・高松南店。一等地に間口40㍍近く構えている。中には「スタジオマリオ」もある。キタムラは元々高知から全国展開した。私が小さい時から知っているが、この度全国で129店舗を閉鎖するという。これまで幾多の困難を乗り切ってきたが、この度はどうなるか?商売は実に難しい。
『帝国の慰安婦』買う気が失せた
 コナズ珈琲・栗林公園店。トリドールが、丸亀製麺→クローバー珈琲→コナズ珈琲と業態転換してきた歴史がある。半年ほど前にオープンし、3度ほどアタックしたが、いつも満席で入れていない。
 業態転換するたびに千万円単位で改装費用をかけてきたと思われるが、今度こそ掘り当てたのではないか。ある程度はトライ&エラー。やってみないと分からない。その成功をみて、ライバル店が近くに店を出すことも多い。コメダ珈琲やスターバックスの成功で、喫茶店が増えている。





 『帝国の慰安婦』買う気が失せた


 『帝国の慰安婦』の著者の朴 裕河(パク・ユハ)さんが韓国で虐(いじ)められている。こと対日問題で事実を述べると、韓国ではいじめの対象になる。いじめだけでなく、莫大な賠償金を払わされたり、暴力を受けたり、社会的に抹殺されかねない。

 コリアンは、事実を直視しないと、いつまでも「ヘル コリア(地獄 朝鮮)」から抜けられないと思うのだが。

 そんな朴さんを励ますべく、本を買おうとしてネット検索したら、書いている内容が韓国語版と日本語版では違うという情報が入ってきた。しかも批判している人が、かねてから尊敬している西岡力さん(東京基督大学教授)だという。

 「国基研ろんだん」2月1日西岡力さんの「敢えて朴裕河氏の『帝国の慰安婦』を批判する」を抜粋してご紹介します。


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 今回、朴氏が刑事裁判で無罪判決を得たので、日本では彼女の評価が高まった。しかし、著書が名誉棄損に当たるかどうかという問題と、その主張が正しいかという問題はまったく別だ。


●日本語版と韓国語版で違い

 第1に朴氏は、「慰安婦を強制連行した」と虚偽証言した吉田清治の評価を韓国語版と日本語版で180度転換させるという知的不誠実さを見せた日本語版は朝日新聞から出版されている。朝日は自社の吉田に関する誤報について韓国を含む国際社会に与えた影響を未だに認めていない

 朴氏は韓国語版で「慰安婦を『強制的に連れて行った』と語り『朝鮮人慰安婦』認識に決定的影響を与えたのは吉田清治の本だ」と断定して書き、吉田が韓国人の慰安婦認識に与えた悪影響を認めていた

 ところが朝日から出した日本語版では「決定的影響を与えた」という語を削除し〈「朝鮮人強制連行」説を広めた〉とだけ書いて、吉田評価を大きく変えている


● 吉田証言で朝日を擁護

 その上、日本語版で新たに付け加えた「日本語版序文」では、「吉田証言の影響はさほど大きくはありません」と朝日をかばっている

 ちなみに韓国語版は朝日が吉田証言の記事の誤報を認める前年の2013年7月22日に発行され、日本語版は朝日が吉田証言報道を取り消し、謝罪し、朝日批判が高まった渦中の2014年11月に朝日新聞出版から発行されている。知的誠実さを欠く対応と言わざるを得ない。

 次に朴氏が韓国人慰安婦と日本軍人が「同志的関係」にあったと主張した根拠は千田夏光(せんだ・かこう)氏の著書に引用されている日本人慰安婦の証言のみであり、学問的実証はなされていない


●小説を論拠にする無理

 朴氏は「『こんな体の私でもお国の為に働けるのだ』と思った」と語る慰安婦の証言を千田夏光の著書から引用紹介しているが、これは日本人慰安婦の証言だ。つまり、朴氏は朝鮮人慰安婦と日本軍の間に「同志的関係」があったことを証明できていないのだ。

 朴氏は、朝鮮人慰安婦は植民地支配の結果、慰安所に送られ「地獄」のような生活をした。戦地でレイプされた占領地の女性とはその点異なる、と主張する。本のタイトルが「帝国の慰安婦」とされているのもここに理由がある。朴氏はその議論の上で、日本政府に対して植民地支配の贖罪の為に韓国人元慰安婦に謝罪し補償すべきだと主張する。

 ところが朴氏の立論の基礎である日本軍と朝鮮人慰安婦の「同志的関係」は立証されていない。そして、韓国人元慰安婦らは「同志的関係」という表現に怒って名誉棄損の裁判を起こした。朴氏の立論には根本的欠陥があると言わざるを得ない。

 これ以外にも、創作がまじっていることが判明している千田夏光の著作を史料批判なしに19回も引用していることや、小説の表現を論拠に論を進めていることなど、議論の進め方があまりにも厳密さにかけることも指摘しておきたい。


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(感想・意見など)

 日本語版と韓国語版で言っていることが大きく違うというのは大問題。また、朝日新聞は、吉田清治の証言(暴力による女狩り)を元に数十年間も誤報を流し続けてきたという事実がある。しかも、直近16~17年間は誤報であることを確実に知っていて頬被りし続けた。その朝日をかばうかのような言は、学者のすることではない。

 また、千田夏光氏の著作は小説=フィクションの要素が強い。それを引用して立論するなどということはあってはならない。

 『帝国の慰安婦』を買う気が失せた。


以上


『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧

『交わらないから面白い 日韓の常識』③
 日韓関係についてニュートラルな立場に立って書かれた本。是非お読みください。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 朝日新聞15年8月11日
 ある程度財を築いたコリアンがそうするように、池明観(チ・ミョンガン)氏もアメリカに永住するという。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 『韓国からの通信』第4巻目。今や、T・K生(せい)こと池明観氏も認めるプロパガンダの書
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 北朝鮮の金日成主席と並ぶ岩波書店『世界』編集長の安江良介氏。その後美濃部都政の特別秘書として朝鮮学校(北朝鮮系)の地位向上に尽力。のち岩波書店の社長となった。北朝鮮に憧れ何度も訪朝。日本を北朝鮮のようにしたかった人。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 朝日新聞主筆だった若宮啓文(よしぶみ)氏は2013年1月に退社。すぐのちに書いた新書。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 「朝日新聞もこれ(従軍慰安婦問題)を熱心に報じた時期があった。中には力づくの『慰安婦狩り』を実際に行ったという日本の元軍人の話を信じて、確認のとれぬまま記事にするような勇み足もあったが……
 吉田清治は「元軍人」ではない。経歴不明の人。軍人なら経歴はすぐ分かる。当時は朝鮮半島や済州島などから不法入国するコリアンが多かった。その可能性もある。また、当時から吉田清治の話はおかしいという人は多くいたし、出版社自体が「あれは小説です」と言っていた。
 「確認のとれぬまま記事にするような勇み足」があってはいかんでしょう。「裏取り」は記者のイロハのイ。しかも、吉田の話はおかしいという多くの批判がありながら、数十年にわたって、何回も何回も記事にした。その上、1997年には済州島に記者を派遣して吉田の話が嘘だと分かっていた。頬被りを続け、それを認めたのが2014年8月。その結果、世界中に数十体もの慰安婦像が建てられ、日韓関係は最悪の事態に陥っている。責任を取って、朝日新聞は廃刊すべきである。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧
 1月21日(土)夜7時30分からのNHKブラタモリは、さぬきのこんぴら(金比羅)さんです。是非見てください。





 今回で最後です。お付き合いください。


 『交わらないから面白い 日韓の常識』⑧


● T・K生の述懐

 2015年、来日していた91歳になる韓国の政治思想家、池明観(チミョングアン)さんに日韓関係についての意見を幾度か聞いた。

 池明観さんは、軍事独裁政権下の民主化運動弾圧を伝える「韓国からの通信」を日本の進歩派系月刊誌「世界」に、「T・K生」のペンネームで1973年5月号から88年3月号まで15年間連載した、と2003年に自ら明らかにした。「韓国からの通信」は、「世界」誌上だけでなく、節目ごとに岩波新書でまとめられ、日本国内の韓国民主化支援者のバイブルとして、大きな影響を与えた。当時、池明観さんは東京女子大の教授で東京に暮らしていた。

『世界』の安江良介編集長とは、1968年に米国からの帰途に会ったことがありました。彼は、美濃部革新都政で特別秘書をしていました。政治的な発言をする人だという印象を持ったので、来日後は彼とは絶対に会わないつもりでした。それがバスの中でばったり出くわしてしまいました。それがきっかけで、『韓国からの通信』を書くようになりました。運動に巻き込まれてしまいました」


 韓国が民主化したいま、「韓国からの通信」にはたくさんの批判がある。事実とは違う記述がある。韓国の独裁政権は厳しく告発しているが、北朝鮮の金日成独裁政権への批判はない。強制収容所の存在や人権問題を無視し、今日に続く北朝鮮の独裁を許す結果を招いたのではないか、などが代表的なものだ。

 「自己批判しなければならないと思っています。『韓国からの通信』は闘いのための書です。だから戦略的に配慮する必要はあった。闘いをする側の限界の中で書いていたことは、素直に認めなければならないと思います」

 池明観さんは、北朝鮮の共産党支配を嫌って、韓国に渡った一人だ。
 「南の人は内心で北に統一されればよいと思っているんだ、とビックリしました。韓国で反米的だった人々は歴史に中で洗脳され、適応する中で考えを変えていきました。これは転向とは呼びません。それが人間だということです。北朝鮮では、弾圧でそうした人々は存在すら許されず、消えていきました

 
● 同族が同族を殺しあった朝鮮戦争で、韓国軍慰安婦が存在していた。池明観さんは軍慰安婦についてどう思っているのだろうか。
 「戦場というところは、殺すか殺されるか、荒(すさ)みきった、とんでもないところなのですよ。そんな戦場でのことを……

 池明観さんは金大中政権発足とともに、政策ブレーンとして日本の大衆文化開放の責任者となり、韓日文化交流政策諮問委員長に就任した。日韓交流の拡大に献身し、1998年、「日韓新パートナー宣言」を結実させた。その委員長時代、韓国挺身隊(挺対協)の尹貞玉会長(当時)が旧日本軍慰安婦問題を日本との交渉問題として取り上げて欲しいと頼みに来たことがある。どう答えたのか。

 「旧日本軍慰安婦のことを持ち出したら、日韓関係は破滅します。それで要請に応じませんでした。日韓には解決すべき、もっと重要な問題が多いのです。そのなかで、できることからやると伝えました。それに過去の政権で合意したことを覆すことをしたら、韓国が信用されなくなります

 「忘れてしまうこと、忘れてしまってもいいじゃないですか。歴史というものはそういうものだし、政治というものはそういうものではないでしょうか」

 「朴槿恵さんの妹さんが、日本はもう十分に謝罪しているとか、日本が韓国の経済発展に尽力したなどと発言したことが、話題になりましたね。あの発言は、姉に対する朴ファミリーの総意を表明したものだと思いました。私は朴正凞政権に抵抗した立場ですが、もう少し若く、朴槿恵さんと交流があったならば、私は忠告したと思います。(慰安婦問題を)改めて持ち出す必要はないし、過去の政権が合意したことのうえに立って、日韓の問題を考えることが大事なのだとね」


● 超氷河期の日韓関係の今後に、池明観さんは楽観的だった。

 しかし、ごく常識的な日本人が持っていた韓国への親近感は、旧日本軍慰安婦問題でずたずたに切れてしまったというのが、実情ではないか。

 韓国社会の価値観は、日本社会とは相当に違う。韓国社会の皮膚感覚は北朝鮮社会にかなり近い。面子(めんつ)至上主義もそうだし、すぐに体面を守るために大声で騒ぎだすところもよく似ている。歴史的体験が鍛えた、一筋縄ではいかない卓越した交渉力をもっている点でも、南北は同じだ。

 旧日本軍慰安婦問題が日韓関係を破滅させる、との池明観さんの預言が正しかったことだけが証明された国交正常化五十年の年だった。

 国家は引っ越しすることはできない。しかし、互いの社会をよく知ったうえで過剰な関心や期待、中傷、不安を控えることはできる。そのことを韓国社会が十分に理解するまで、日韓超氷河期は続くに違いない


以上

 

『交わらないから面白い 日韓の常識』⑦

『交わらないから面白い 日韓の常識』③
 是非お読みください。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑦
 毎日新聞16年6月10日
 前川惠司さんの本にあったので、図書館でコピーしてきた。尋問調書は米国立公文書館で発見された。
 米軍に捕らえられた朝鮮人捕虜3人の証言―「太平洋で目撃した朝鮮人慰安婦は、志願したか親に売られた者だった。(軍による)直接的な徴集があれば暴挙とみなされ、老若を問わず朝鮮人は蜂起するだろう」。
 吉田清治が言うような軍による「女狩り」など出来るわけがない。常識で考えれば分かる嘘を、朝日新聞は数十年間にわたり、何度も何度も報じ続けた。その結果が、あの面倒なコリアンによって世界中に建てられた慰安婦像である。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑦
 毎日新聞17年1月17日
 韓国人は何とかして財閥企業に入りたいと思っているが、一方で非常に憎んでいる。
『交わらないから面白い 日韓の常識』⑦
 讀賣新聞17年1月7日





 韓国人は財閥企業に憧れる一方、非常に憎んでいる。その理由の一端が分かる。


 『交わらないから面白い 日韓の常識』⑦


● 現代の両班(ヤンバン)は財閥
 
 やりたい放題の振る舞いを、現代の韓国で再現している人たちはいるだろうか。財閥企業で働いていた女性ははっきり言った。
 「財閥。韓国人の9割はそう思っている」
 「優良顧客の情報にしろ、そうした人たちに受ける商品開発の情報にしろ、財閥企業だけが正確なところを握っている。中小企業以下は、隙間を攻めざるをえないから、リスクの割に利益が出ない。韓国経済はそういう仕組みだ。財閥だけが勝ち続ける」

 財閥の一族の横暴ぶりに人々が怒り、呆れたひとつが、零細パン屋を苦しめた、財閥のお嬢様たちの「ベーカリー戦争」だ。

 サムスンの李健凞(イゴンヒ)総帥の長女で新羅(シンラ)ホテル社長の姫が2004年に高級ベーカリーチェーンを手掛けるやその後、名門百貨店新世界(シンセゲ)グループ総帥の長女、ロッテグループ総帥の孫娘、現代(ヒョンデ)自動車社長の娘と、相次いでベーカリーチエーン戦争に参戦した。

 あおりで2003年には全国1万8千軒だった町のパン屋は、2011年には4千軒にまで減った。「小商いにまで手を出す財閥エゴの象徴」との国民的批判の大合唱に、お嬢様たちは撤退を余儀なくされた。

 日本社会にも伝わった姫の横暴は、なんといっても韓進(ハンジン)グループ総帥の長女主演「大韓航空ナッツリターン」事件だ。


●  現代、ロッテ、韓火(ハンファ)グループはそろって、創業者の親族が大麻を吸ったなどで逮捕された前歴持ちだ。

 大麻で逮捕されたロッテ創業者一族の若者(故人)は、英国留学から帰省すると、こんな騒ぎを起こした。クラブで仲間と大騒ぎし、知り合った女子大生を現代自動車の大型車「グレンジャー」に乗せて走りまわっている最中に、起亜自動車の小型車「プライド」が割り込んだのに腹を立て、
 「プライドが生意気にもグレンジャーの邪魔をするのか」
 と、プライドを運転していた25歳の会社員ら2人を集団暴行、大怪我をさせて逃げたのだ。彼は、素知らぬ顔で留学先の英国に戻るために空港に現れたところを逮捕された。


● プラザホテルを系列に持つ韓火グループの場合は、御曹司だけでなく、総帥まで呆れた事件を起こした。2007年、グループ会長、金升淵(キムスンヨン)氏の次男がカラオケ店で喧嘩、怪我をすると、総帥は電気ショック機やガス銃などを手にしたボディガード、一説では暴力団員もいた15人を引き連れて店に乗り込み、「俺の息子を殴ったのは誰だ」と、けんか相手を呼び出し、ソウル山中に連れて行き暴行するなど、執拗な「報復暴力」で、懲役1年6カ月の実刑判決を受けた。

 しかし、総帥は判決8日後、病気を理由にして大学病院に入院その後、執行猶予になった。2010年には総帥の三男がソウル市内のホテルで乱闘騒ぎを起こしたが、怪我をさせた女性従業員と和解して不起訴。2014年には先の次男が大麻事件。懲りない財閥なのだ。

 どうして、こうもお行儀が悪いのか。
 2016年3月の朝鮮日報は、高学歴、高所得の社会的強者ほど、報復犯罪をしがちだ、と指摘している。社会的強者のおごりが生む暴力なのだ。力あるものに謙譲を教えない、この国の儒教文化に武士の美学はない


● 韓火グループは、総額3024億ウォン(約300億円)の背任、横領などで総帥自身が2012年8月に一審で懲役4年の実刑判決を再び受けた。これも2014年2月に、やり直し裁判で懲役3年執行猶予5年に減刑された。

 これだけの不祥事、犯罪を重ねながら、総帥はなお現役だ。サムスンの総帥、李健凞氏は1997年に全斗煥元大統領、盧泰愚元大統領への贈賄で逮捕され、有罪判決を受けたが、赦免。2008年には別件の脱税容疑で逮捕、有罪判決だったが、翌年、恩赦を受けた。


 「有銭無罪、無銭有罪。財閥に鉄槌なし」
 まさに現代の両班だ。

 北朝鮮での両班といえば、だれの目にも明らかだ。一に金正恩一族。それに連なる労働党幹部たちだ。中国は、共産党幹部とそこから派生した成金一族。似た者同士の国々と言うべきか。


● 2016年には、雇用労働省の調べで、労働協約で組合員の子供を優先的に採用する「雇用世襲」の取り決めを労組と会社がしているケースが、調べたうちの4分の1を占めた。戦闘的な労働組合や大企業ほどそうだった
 知り合いの説明はこうだった。
 「韓国が身内第一の社会だからです。こういう取り決めがあれば、人事部長も自分の息子を入社させられ、平社員も幹部も得をする。で、誰からも文句が出ないわけです」


つづく


 
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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