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マスメディアの問題

マスメディアの問題
(国立民族博物館展示品)


 このたびの福島原発事故で、政府、官僚、政治家、電力会社、御用学者、マスメディアに 多くの問題のあることが分かった。

 
 そのマスメディアに関して、「週刊ポスト」11年7月1日号と7月8日号で、長谷川幸洋さん(東京新聞・中日新聞論説副主幹)と上杉隆さん(ジャーナリスト)が、興味のある対談をしている。


 (見出し)

 さらば「原発記者クラブ」

 (以下本文抜粋)

(長谷川)
 政治家に自分だけにしゃべってもらうことが、政治記者の力量だとされてきた。でも実はしゃべる側からすると、政治記者の力量でも何でもない。一番大きい影響力のあるメディアを選んでるだけです。

(長谷川)
 いってみれば、コバンザメ商法みたいなもので、でかいところで相場観ができちゃうと、それにみんなくっつく。それが一番安全だと思うから。

(上杉)
 横並びの意識っていうか、日本の記者特有のものですね。逆に人と同じことを書いたら、海外ではアウトですから。僕がNYタイムズにいたときもそうだけど、同じ記事が出たら、下手するとクビなんですよ。

(長谷川)
 この大震災、原発事故からの3ヵ月で、世の中の受けとめ方が実は相当、変わったと思う。……原発の放射能漏れなんかについて、政府のいっていること、東電のいっていることがウソじゃないかと、普通の人がみんな気がついちゃった。……僕の経産省オフレコ問題も議論になった。

(長谷川)
 ……細野(豪志)さんは、「これはオフレコですが」って前置きして「いまさらそんなことをいうなら、これまでの私たちの苦労は何だったのか」と発言した。……正直な発言だなと思ってウェブサイトの『現代ビジネス』に書いたんです。
 そしたら、反響があって、経産省の広報室長が私の上司論説主幹のところに電話で抗議してきた。で、今度はその抗議の経緯を書いた。そうしたら次は経産記者クラブの東京新聞記者を懇談出入り禁止処分にしてきたから、それもまた書いちゃった。

(上杉)
 素敵ですね。……海外のメディアは、圧力がかかっても全部書いちゃうんです。そしたら、圧力はかけられなくなりますよ。これを1970年代、80年代からずっとやってきているから、海外の新聞は圧力に屈しない体質になった。

(長谷川)
 多分、そこがポイントで、僕はこれは日本の新聞メディアではまだできないと思う。……組織メディアって難しいんですよ。上司がいるでしょう。同僚がいるでしょう。まず、上司に文句をいうでしょう。で、同僚を出入り禁止にする。組織の上と横から真綿で首を絞めるように圧力をかけてくる。それで、私には一切接触はないんだから。

(上杉)
 できるできないではなく、やるかやらないかの問題ですね。また、ジャーナリストが会社員というのは日本だけの特徴ですけど……。NYタイムズだって、社員の記者なんて一人もいないんですよ。メジャー選手みたいに、年俸制の契約関係なんですよ、全部。

(上杉)
 既存メディアは、さっさと自分たちで検証して、私たちは政府と東電にだまされましたというべきなのに、それができない。訂正して、すぐに国民に新しい、正しい情報を知らせないと、いつまで経っても、この原発事故のごまかしは続くんですよ。チェルノブイリですら収束までに10日間だったのに、日本は100日経ってまだ放射性物質の外部放出が止まっていないんですから、本当にどうするんだろう。



(長谷川)
 記者たちは責任逃れのために東電と政府がいったことを書くという話ですが、それは原発事故の報道に限った話ではありません。(記者は)普通、警察のサツ回りからスタートして取材経験を積む。そこで取材っていうのは自分の取材した結果をお巡りさんに当てて「それでいいよ」っていったら書くものだという考えがしみついてしまう。

(長谷川)
 「ポチ」になるには、それなりの能力がないといけないんです。……「こいつはいい」と思うと、ちょっとエサをあげる。……この記者はエサをそれなりの記事に仕立てていく能力があるな、と認めると、……だんだん大きなエサをやるようになる。……こいつは会社の中でもそれなりの評価を得ていて、書く記事が一面トップになったんだな、と。そうすると「お前は立派な記者だな」ということになって、めでたくポチが誕生する。

(上杉)
 霞が関のスピンコントロール(情報操作)にうまく乗っかる人は、日本でいうと、優秀な記者になる。でも海外では、それこそ国民とジャーナリズムに対する裏切り者になる。

(長谷川)
 いったんポチになると、怖がってしまうんですよ。官僚が何人もの記者の前でしゃべったことでも「オフレコ」っていわれたら書かない。……しゃべってくれた政治家や官僚に嫌われるんじゃないかとビビっちゃう。もうネタにありつけないかもしれない、と。

(上杉)
 もう、ただのヘタレですよね(笑い)。

(長谷川)
 ところが、僕も経験があるし、上杉さんも経験あると思うけど、書いても、ほんとは平気なんだよね。

(上杉)
 平気ですよ。……まあ、一時は駄目でしょう。1年ぐらいは。……状況が変わればまた戻ることもある。……その程度で壊れる人間関係は大したもんじゃないのに。

(上杉)
 世界中のジャーナリスト、FCCJ(日本外国特派員協会)に行けばわかると思いますけど、みんな日本の記者のことをバカにしていますよね。彼らは報道ではなく広報だと。NYタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーは、「メディア自体がエリート層の一部になっているから、政府と敵対関係になれない」といっていました。

    
(オフレコ:off the record 公表しない約束で話すこと)                    
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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