FC2ブログ

「なぜ『これ』は健康にいいのか?」 ★★★★☆

「なぜ『これ』は健康にいいのか?」

 「なぜ『これ』は健康にいいのか?」 小林弘幸さん (サンマーク出版) 1470円


 副題は「副交感神経が人生の質を決める」。著者は、順天堂大学医学部教授、小児外科医であり自律神経(交感神経と副交感神経)の研究者である。

 医学には、40年以上前から関心をもっている。ここ40年でも、医学の常識は大きく変わった

・ペニシリンなどの抗生物質の発見で、医学は感染症に勝利したかと思われたが、耐性菌の出現により、そうも言えなくなってきている。

・運動中に水分を補給することは禁じられていたが、ある時点を境に、大塚製薬のまわし者のように〈ポカリスェット〉を飲め飲めと言いだした。 〈「水飲むな」信じスポーツしてたころ(北九州 学さん)〉

・手術後体力回復のためと称して数十日もベッドに縛り付つけられていたのが、十数年前から、可能であれば手術翌日からでも歩け歩けと言い出した……いわゆるエコノミー症候群や廃用症候群の防止。

・腰痛に関して、椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、筋膜症などが原因といわれていたが、今では85%が原因不明と言われている。

・転んで膝をすりむいて出血した時など、昔は赤チンを塗ったものであるが、最近は流水で傷を洗い、傷から出てくる滲出物を保護すべきだと言いだした。

・昔は、熱が出れば解熱剤、嘔吐・下痢にはすぐ薬をだしていたが、今では発熱、嘔吐、下痢等は身体が治ろうとする自然な反応であると考え、軽度であれば、なりゆきを見守り、自然治癒力を尊重し、何がなんでも押さえ込もうということはなくなった、など。


 西洋医学は、日進月歩であり、素晴らしい。しかし、部分部分しかみない傾向がある。

 
 (本文から抜粋)

 「現在の医療は便秘なら腸を、肝臓なら肝臓を、腎臓なら腎臓をというように、問題のある臓器しか見ていませんし、治療も対症療法がほとんどです。でも、それでは根本的な治療にはなりません」

 「私たちの体はすべてつながっているのです。ある一部分だけに問題が生じるということはありません。認識できるかたちで現れた病気は部分的なものでも、それはたまたまそこが弱くて最初に影響が現れたということにすぎません」

 「自律神経とは、体のライフラインである『血流』を支配することで、私たちの体を構成する60兆個の細胞すべてを無意識のうちにコントロールしている、ある意味脳以上に重要な組織なのです」

 「そのため自律神経のバランスが悪くなると、その悪影響は全身に及びます血流が悪くなると細胞の機能は低下し、体は持てる能力を充分に発揮することができなくなります



 自律神経は、人間の意思とは関係なく働いている神経である。例えば、心臓は、人の意思とは無関係に拍動している。唯一、自律神経をコントロール出来る方法は「呼吸」である。「呼吸」だけは、無意識的にも、ある程度意識的にも、コントロールできる。
 昔の人は、もちろん自律神経の存在は知らなかった。しかし、経験により、それをコントロールできる方法は「呼吸」であることを知っていた。

 剣道、弓道、柔道、空手、射撃などのあらゆる武道、能・舞いなどの芸事が、奥義の一つとして必ず挙げているのが、「呼吸」である。ヨガ、太極拳などもそうではないか。

 西洋医学を一生懸命学び、実践していて、あるとき何割かの医者は、ふと気づく。自分はモグラ叩きをやっているに過ぎないのではないか、特に慢性疾患について自分は無力ではないか、と。健康のためには、結局、身体全体、体質、普段の生活そのもののあり方が大事なのではないか、と。

 そこで、小林先生が注目したのが、自律神経

 私が現在興味があり注目しているのが、自律神経ホルモン免疫システムサーチュイン遺伝子ミトコンドリアなどである。

 「健康」の本質をつきつめていけば、数千年前からの東洋医学の「養生」という考え方に収斂しそうな予感がする。

 「健康」を考えるうえで、有益な一冊である。
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

最新記事
カレンダー
06 | 2011/07 | 08
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カウンター