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「日本の戦争」 ★★★★☆

日本の戦争
誰もが書かなかった日本の戦争

 「日本の戦争」 田原 総一朗 (小学館) 1890円、 (小学館文庫) 750円

 「誰もが書かなかった日本の戦争」 田原 総一朗 (ポプラ社) 1575円 
   

 私のライフワークのひとつは、「なぜ日本はあの戦争をしたのか」を考えることである。 

 この夏、戦争関係の本を10冊ほど読み、NHKスペシャル、Eテレ「さかのぼり日本史」なども見た。

 その上で、田原総一朗さんの上記2冊は、バランスがとれていて、お薦めできると思う。アジア・太平洋戦争は、田原さんが国民学校1年生の時にはじまり、5年生の時に終わった。「なぜ、日本は負ける戦争をしたのか?」を55年間考え続けてきたという。

 5年間にわたりいろいろな本や資料を読み、ジャーナリストの強みを活かして25名以上の専門家(大学教授)に教えを請い、でき上がったのが「日本の戦争」である。かなり詳しい。

 学者は、厳密さ(史実とする根拠)を求められる。しかし、歴史は、自然科学と違って、証拠が残りにくい。学者の書いたものは、あまり面白くない。その点、ジャーナリストや作家は、ある程度の推測(評価)は許される。四捨五入は極端でも、二捨七入程度は許される。だから、分かりやすく、面白い。

 戦後日本の問題は、敗戦から65年以上にもなるというのに、面倒な史観論争のゆえか、国民の間に共通の歴史認識がないこと。

 「大東亜戦争」「太平洋戦争」「アジア・太平洋戦争」「第二次世界大戦」「十五年戦争」「あの戦争」「先の大戦」など、呼称さえ定まっていない。

 中・高校では、時間不足を理由に、近現代史は駆け足で終わるか、はしょられることが多い。だから戦後に生まれた人は、自国の近現代史をあまり知らない。自分の生き方の根本に関すること。たいへんおかしなことである。

 そういう人に「誰も書かなかった日本の戦争」はお薦めである。「日本の戦争」は今から10年以上前に書かれたものであるが、「誰も書かなかった…」は、「日本の戦争」をベースに、今年の7月に出版されたものである。

 帯に「今までにない、わかりやすさ!」「この本を書くために私はジャーナリストになった!」とある。中学生以上なら誰でも読める。ざっと日本の近現代史をおさらいしたい人にも最適だと思う。

 この本をきっかけに、いろいろな人の書いた近現代史を読んでいただきたいと思う。

 ・なぜ日中戦争は起きたのか、なぜ泥沼化したのか?

 ・誰もが勝てないとわかっていて、なぜ米英などと戦争したのか?

  アメリカとの開戦前、東条英機首相は天皇の面前で号泣したという。また、自宅の寝室でも、家族が異様に感じるほどに、正座して泣いていたという。

 同じあやまちを繰り返さないためにも、歴史に学ぶべきである。

           
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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