高知白バイ事件①

高知白バイ事件

 かねてから私が注視していた「高知白バイ事件」が新しい展開をみせつつある。
 11年10月29日朝日新聞の記事をご紹介します。

(タイトル)

服役後の運転手 再審請求
白バイ衝突死 スリップ痕「加工」主張
最高裁判決では有罪根拠

(前文)

 高知市の国道で2006年、スクールバスと高知県警の白バイが衝突する事故があり、隊員が死亡した。バスの運転手の男性(57)は業務上過失致死罪で実刑判決を受けたが、服役後の昨年10月に「過失はなかった」と訴えて再審請求。有罪の根拠となった現場写真をめぐる鑑定結果を「新証拠」として出しており、高知地裁の判断が注目される。


(本文抜粋)

 事故は06年3月3日午後2時半ごろ、高知市春野町の国道56号線で起きた。直進中の県警交通機動隊の白バイが、国道脇のレストラン駐車場から出てきて右折しようとしたスクールバスの右側面前方に衝突し、男性巡査長(当時26)が死亡した。

 高知地検は06年12月にバス運転手の男性を業務上過失致死罪で在宅起訴し、公判では「白バイが時速60キロで直進中、バスが時速5~10㌔で道路に出てきた」と指摘。男性が白バイと衝突後に急ブレーキをかけたことを示すバスのスリップ痕があると主張し、135枚の現場写真を証拠として提出した。

 男性は「バスは道路中央付近に停車中で、白バイが時速100キロで衝突してきた。スリップ痕は県警が捏造した」として無罪を主張したが、07年6月の高知地裁判決は「男性の安全確認が十分でなかった」として過失を認定。スリップ痕についても「現場には多くの見物人がおり、捏造の可能性はほとんどない」として禁固1年4ヵ月(求刑1年8ヵ月)を言い渡した。高松高裁と最高裁も男性の主張を退けて判決が確定し、男性は昨年2月まで服役した。


 弁護団は地裁への再審請求後、確定判決が有罪の根拠としながらも科学的な鑑定をしていなかった現場写真のネガ6本の開示を検察に求めた。ネガは裁判官立ち会いのもとで高性能スキャナーでデジタル画像化され、弁護団は色彩画像処理を専門とする警察庁科学警察研究所顧問の三宅洋一氏(千葉大名誉教授)に解析を依頼した。

 三宅氏がまとめた報告者によると、白バイと衝突後に男性が急ブレーキをかけた状況を示していると確定判決が判断したスリップ痕の画像について、「警察官が同じ位置から同じ方向を連続撮影したのに各コマの色彩分布が異なっている」と分析。スリップ痕を強調するためコントラスト(明暗の差)を加工した疑いがあると指摘。

 天地が逆転した画像も複数枚確認されたといい、三宅氏は「現場で撮った写真をパソコンなどでデジタル化した上で印刷し、その後に接写したため逆転した可能性がある」と指摘。ネガ本体と現場撮影に使われたカメラの詳しい調査が必要としている。

 弁護団の生田暉雄団長は「有罪の根拠となった写真に手が加えられた可能性を示す結果で、再審開始に必要な新証拠といえる」と話す。弁護団は三宅氏の報告書をすでに地裁に提出。来年2月までに弁護団としての最終的な意見をまとめる。


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(感想・意見・私の見立てなど)

 5・6年前まで、地方では、峠など信号があまりない広い道で、白バイがスピード違反の車を追いかけるでもなく、時速100㌔くらいで走っている姿を見かけることは珍しくもなかった。一種の訓練。実際、私も流れに乗って70㌔くらいで走っている時、ヒューンと白バイに追い抜かれたことが何回かある(60㌔制限の道でも70㌔で捕まることはなかった)。何もないならそれでよし。しかし、一旦事故となったら誰かの責任問題となる。

 確か亡くなった26歳の巡査長は、高知県警が白バイの日本一になった時の一員。遵法運転していたら、バスを発見してから、余裕をもって停止できたはず。多くの目撃者証言の通り、法律違反(暴走)をしたのは白バイである。軽トラックを60㌔程度で走らせていた男性の証言もある。「私の横をヒュンと追い抜いていった」。

 衝突したスクールバスには22人の仁淀(によど)中学生と3人の教師が乗っていたが、その多くが、衝突時バスは動いていなかったと証言している。「バスが停まっていたら、突然横から白いものが飛び込んできてぶつかった」。バスの後ろで自家用車で停まっていた仁淀中学校の校長も、同様な証言をしている。(その多くが裁判の結果に納得せず、運転手を支援する会に参加し、活動している)。

 事故の後、30人を超える警察官が集まってきた。普通の事故であれば、ありえない。その時に、バスの運転手を立ち会わせて、現場確認を行っていない。また、9ヵ月も経ってから起訴している。

 実は、この事件の少し前に、警察庁から公道での白バイ・パトカーなどの高速走行訓練の禁止通達が出ていたという。また、高知県警は、警察の裏金問題を各方面から厳しく追及されていた時期でもある。署長をしたら家が建つと言われていた。これ以上の失点は許されない

 白バイの巡査長に非があると認めると、巡査長の遺族は、公務上の公道での高速走行訓練中の事故であると提訴する可能性がある。
 警官に非があると認めると単なる死亡退職扱いとなり、公務災害となると二階級特進や退職金等々の扱いに天と地の差がでてくる。
 また、巡査長の直接の上司、機動隊長、交通部長、本部長などの責任が問われることになる。

 巡査長の暴走(高速走行)は交通機動隊の組織的な行為(公務)であり、命じた上司や先輩や仲間には罪悪感もある。遺族に出来るだけのことをしてやりたいとの集合的無意識も働く。

 
 そこで、責任はすべてバスの運転手(スケープゴート)にあったことにして、巡査長を殉職扱いにし、警部補に二階級特進、割増退職金、弔慰金などで遺族をなだめることにした。民事では、仁淀町が遺族に1億円を支払うことで和解。

 そのため、県警が証拠を捏造、事故の詳細を見届けることができない位置にいたにもかかわらず、先輩白バイ隊員に巡査長に有利なように偽証をさせた

 それに高知地検がのり、高知地裁(片多康)、高松高裁(柴田秀樹)、最高裁(津野修)のヒラメ裁判官がのった。

 高知地検の副検事が、目撃者の仁淀中学生の証言を捏造・偽造(言っていないこと、言ったことと違うことを書類にされた。自分のサインでない、など)したとの報道もある。

 裁判所は、弁護側の提出した証拠・証人を採用せず、明らかに警察・検察寄りの訴訟指揮をし、最初から結論ありきの裁判にみえる。

 弁護団、交通事故鑑定人による検証実験では、警察・検察の主張に反する結果が得られた。
・ブレーキ痕(警察・検察の証拠写真はタイヤ溝のない1㍍以上ののっぺりした痕→数十㌢のタイヤ溝のある痕ができた)
・ブレーキ時のショック(警察・検察の主張通りに運転すると相当のショックがあるが、当時バスに乗っていた誰もがそのようなショックを感じていなかったことが確認された)など。

 この件に限らず、おかしな裁判が多すぎる官尊民卑。日本では刑事裁判の有罪率は99.9%。無罪判決が多かったり、じっくり時間をかけて取り組む裁判官は、昇進・昇給・赴任地(ドサ回り)などで不利な扱いを受ける。そのためヒラメ裁判官冤罪裁判官が量産される。

 検察官については、厚労省の村木さん事件で有名になったが、私はすでに検察官による証拠の改竄、捏造、検察に不利な証拠隠し、裏金などについては学習ずみであったので、特には驚かなかった。十分あり得る話である。

 高知白バイ事件は、そもそも白バイが暴走しなかったらあり得なかった事件。普通の人が乗っていたバイクであれば、単なるバイクの暴走で片づけられた事件。よく似た事件に、愛媛白バイ事件がある(インターネットで「高知白バイ事件」「愛媛白バイ事件」で検索してみて下さい)。相手が警察であるためにややこしくなった

 われわれが税金で養っている官がかばい合い、民に責任をなすりつけた事件である

 もしわが身に起こったら、警察・検察・裁判所が中立的な存在だとは間違っても考えないこと!!自分で証拠写真を何十枚も撮り、可能ならば録音・録画し、複数の目撃者を捜して住所・氏名・電話番号などを教えてもらって控え、できれば第三者にも証拠写真を撮ってもらおう。

 
 11年3月3日のブログ「裁判がおかしい!」、11年3月4日「司法がおかしい!」、11年6月3日「布川事件NNNドキュメント」、11年6月7日「ボクが警官をやめた理由」、11年8月20日「検察の〝証拠隠し〟を防げ」なども見て下さい。

                                          

以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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