FC2ブログ

ヒトラーは超アイドルだった!

ヒトラーは超アイドルだった!

 徳島新聞12年6月10日読書欄(共同通信配信?)から


■ 女と独裁者  ディアンヌ・デュクレ[著] 神田 順子[監訳]  柏書房 2940円

   [評]東野 裕人(大阪国際大准教授)


 権力者の愛で描く20世紀


 ヒトラーが受け取ったファンレターの数は、ビートルズ全員とミック・ジャガーが受け取った手紙の合計よりも多かった。ムッソリーニも月に3、4万通もの手紙を受け取っている。当時の欧州の女性が熱狂的に支持していたからだ。とりわけ、有産階級のインテリ女性による支持は、群を抜いていたという。しかし、なぜ、そのような女性たちがこれほど独裁者に魅了されたのか?

 著者は、独裁者を取り巻く女たち、そして愛欲の生活ぶりを活写し、その謎に迫ろうとする。ヒトラー、ムッソリーニ、レーニン、スターリン、毛沢東、チャワシェスク―これら権力者の性愛を通して描かれた独裁者論、それが本書である。

 例えばヒトラーは30歳の時に出会った女性ヘレン・ベヒシュタイン(ピアノメーカーの一族の妻)によって運命が変わる。あか抜けない身なりが一新、上流社会で通用する作法も伝授される。その後、狂気としか言いようのない愛人関係を繰り返すのだ。

 38歳の時、18歳の女性に首をつらせ、当時から関係のあった別の19歳の女性は4年後、ピストル自殺。その年末、さらに別の19歳女性と本格的な愛人関係を結ぶが、彼女も2度自殺未遂を起こす。身近な愛人すら死に追いやる死に神ヒトラーの業には言葉が出ない。

 マグダ・ゲッペルス(ヨーゼフ・ゲッペルス宣伝相の妻で前夫はBMW社のオーナー一族)との関係は一層凄絶だ。ヒトラーの傍にいたいために、あえてゲッペルスと結婚したこのユダヤ人女性は、ヒトラーの自殺後、その後を追う。

 彼女らの自死の原因が、ヒトラーの冷酷、残忍性であることは本書を読めばよく分かる。しかし、ヒトラーがなぜこれほどまで強く愛されたのかは、権力者への崇拝と憧れを引き算したとしても、やはり不詳のままだ。

 同様の筆致で、他5人の愛欲物語が展開する。エピソード満載の20世紀史本として楽しめる。


........................................................................

(感想・意見など)


 ヒトラーはクーデターで政権を取ったわけではない。選挙で選ばれた。選んだのはドイツ国民である。第一次世界大戦終結にあたりヴェルサイユ条約を結んだが、それはドイツにとって非常に苛酷なものであった。恨みが残った。世界大恐慌も重なった。そういう背景もありヒトラーに人気があったのは知っていたが、これほどとは思わなかった。その時代の空気はあとからでは分かりにくい。

 ヒトラーはユダヤ人を600万人虐殺したと言われている。この本では、ヒトラーを世に出したのはヘレン・ベヒシュタインという女性だといっている。もしこの2人が出会わなければユダヤ人虐殺はなかったのか?

 そもそもユダヤ人がなぜこれだけ嫌われるのかが分からない。いろいろ読んではみたが皮膚感覚で分からない。多神教(八百万の神々)のわれわれには理解不能である。


以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

最新記事
カレンダー
05 | 2012/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カウンター