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この国の司法

この国の司法

 12年6月8日日経新聞に、この国の司法の問題点を示す二態が載っている。

 
 ◆右側は、民主党の小沢一郎元代表が強制起訴された陸山会事件を巡る虚偽報告書作成問題の記事である。この件では、元東京地検特捜部の田代政弘検事がウソの報告書を作成した行為が問題とされているが、その裏には当時の上司である佐久間達哉特捜部長の指示があったことを明らかにしている。

 検察上層部の、ウソをでっち上げてでも、小沢一郎氏を葬り去ろうとする強い意思が感じられる


 
 ◆左側は「東電OL殺人事件」再審開始決定の記事である。

警察の問題点は、①第三者(≒殺人者)の存在を示す証拠が多数あったにもかかわらず、ゴビンダさんを犯人と決め付け、②4人のネパール人同居者に殴る蹴るの乱暴を働き、不法残留で強制送還すると脅し、③一方では消費者金融や焼き肉店への就職を斡旋したり捜査協力費を支払って、でっち上げ供述調書に署名させた。④結果的に真犯人を見逃した。


検察の問題点は、ゴビンダさんが犯人でない可能性を指し示す多数の証拠があったにも拘わらず(上記の①)これを隠し続けたことである。

 讀賣新聞に載ったあるベテラン裁判官の言葉である―「我々は神様ではない。被告に有利な証拠も開示されるようにならなければ、正しい判断はできない


 裁判所の問題点は、検察・最高裁に迎合的な裁判官が多いことである(刑事裁判有罪率99.9%)。検察と問題を起こしたり、裁判の処理が遅い裁判官は、出世できない(無罪判決を書くためには時間がかかる)。検察庁と裁判所の間には一線が引かれているというのはウソで、検事の意向に添わない決定を出すと、検事から抗議の電話がかかってきたり、直接部屋に押し掛けてくることもあったという。

 ゴビンダさんがついていなかったのは、一審無罪のあと、二審で東京高裁の高木俊夫裁判長にあたったことである。かつて最高裁が青年法律家協会に参加している裁判官を弾圧(=裁判官として再任拒否)した事件があった。高木俊夫裁判官は、まっさきに青法協を脱退し、以後「改心」して、検察・最高裁寄りの判決を書くので有名な人であった(08年死去)。


 それにしても15年である。


 以下は、11年8月23日のブログ「東電OL殺人事件」のコピー。今も一文字も書き改める必要はないと考えている。読んでみて下さい。

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週間朝日 11年8月5日号 森下 香枝さんの記事をもとに。


 東電OL殺人事件のネパール人、ゴビンダ受刑者は、一貫して無罪を主張し、一審無罪、二審無期懲役、2003年に最高裁で無期懲役が確定した後も再審請求している。

 今年3月に、被害者の東電OLの体内から採取された精液のDNA型Ⓐが、ゴビンダ受刑者とは別人(ミスターX)のものと判明した。当時、警視庁はこの精液のDNA鑑定を怠った。明らかな捜査ミスである。

 また、今回のDNA鑑定で、被害者の遺体の下から見つかった陰毛の1本Ⓑと被害者の体内に残った精液のDNA型Ⓐが一致した。つまり、事件直前に被害者と性交した、これまで捜査線上に浮かんでいないミスターXがいたことになる。

 その上、現場で見つかった取っ手が引きちぎれた被害者のショルダーバックの件がある。その際付着したとみられる皮膚片のDNA型Ⓒは、ゴビンダの型とは合致しない。現場から見つかったゴビンダ以外の陰毛の1本Ⓑと合致する。これもゴビンダ以外の真犯人(ミスターX)を示唆する重要な証拠(Ⓐ=Ⓑ=Ⓒ)である。

 にもかかわらず検察は、公判でこの鑑定の詳細を証拠開示せず、隠蔽した。弁護側は何度もバッグの本鑑定を裁判所に求めたが、却下され続けたという。
 
 警視庁の捜査ミスに検察の証拠隠し。さらには裁判所。


 同じ週刊朝日で、ノンフィクション作家の佐野眞一さんが語っている。

 「私は当初から、冤罪を確信していた。警視庁の捜査は思い込みがあった。今回、新証拠となった精液も重要視せず、警察に都合のいい供述をしたネパール人には就職先や家を与えるなどの便宜供与までしていた*」

 「裁判になっても、とんでもない人がいた。一審の無罪をひっくり返した二審の裁判長だ。彼は裁判官になる際に、共産党員から転向し、その後〝お上〟に都合のいい判決を書くことで有名な人物だった。『権力側に覚えめでたい彼』は、捜査側が描くストーリーどおりの判決を書いた」

 「一審で無罪判決を受けたゴビンダはその後も勾留されたが、この判断をした裁判官はその後、買春容疑で職を追われている」

 「この事件は、常識的な市民が判断する裁判員裁判なら無罪となるケースだろう。しかし、現実には、重要なポイントごとに『病原菌のような人物』が登場し、冤罪を生みだした」

 「警察・司法の威信は完全に地に堕ちた。リスペクトなんて、これっぽっちもない」


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 *佐野眞一さんは、別のところでこういう風に書いている。

 「警察はゴビンダと同室だったネパール人たちに殴る蹴るの暴行を加えて、ゴビンダ犯行説に導くような証言をするよう強要し、そのご褒美として不法滞在の彼らに就職を斡旋するまでのことを行っているのである」

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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