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ひとつの松田聖子論

ひとつの松田聖子論

 高知新聞12年6月30日「百家争明」欄に共同通信編集委員の飯田 裕美子さんが松田聖子論を寄せている。ご紹介します。


(タイトル)
社会的引退しない聖子さん
ママたちの自尊心支える


(本文)

 松田聖子さんをめぐるエピソードの中で、一番印象に残っているのは「仕事が終わったら、音楽関係者と飲みに行ったりせず、さっさと家に帰る」という話だ。

 働く母親なら、仕事と家庭に引き裂かれる思いを誰もが経験している。もっと「政治」をすれば仕事がうまくいくと分かっていても。一日は24時間、帰らなきゃ。仕事も家庭も中途半端で泣きたくなる。そんな時、聖子さん作詞作曲の「私だけの天使」という歌を聴く。家に着いたら子どもがパジャマで玄関に駆けてくる、という内容だ。あなたがいるからママは仕事を頑張れると歌う。マジで涙がこぼれる。

 50歳の聖子さんの、3回目の結婚を報じる中に「どんな欲望もかなえる女」みたいな非難めいた言い方があり、ちょっと違うと気になった。仕事をし、子どもを育て、幸せにもなりたい。それは同世代の女性にとって、決して強欲とかわがままではない。むしろどんなチャンスにも誠実に向き合う努力の姿勢である。人が努力して手に入れたものには、敬意こそ払うが、非難したりうらやんだりする気はない。

 アイドルだった昔と違い、今のコンサートの観客は、ほとんどが同世代の女性だ。学校を出た時に男女雇用均等法もなく、山口百恵さんのような寿退社が美学とされた時代。夫の成功や子どもの教育にこそ裏方として力を注ぐべきで、自分が勉強したいといえば「何のために?」と不思議がられた。

 そんな中で聖子さんは、結婚後も必死に英語を勉強し米国進出をしようとするが挫折。自分で歌を作り続けるが往年のヒットにはかなわず、だめんず(駄目な男)にも引っ掛かる。それでも人を非難せず、結果は自分で引き受ける。美容にも並々ならぬ努力をするうち、昔より明るくステキに見えてきた。

 だから、今の聖子さんから見る人が受け取るものは、ちやほやされる時期を過ぎても自分で努力をあきらめず、社会的引退をしない人間のセルフ・エスティーム(自尊心)だ。同世代の女性たちがコンサートに行って泣くのは「彼女も私もいろいろ頑張ってきた」と自分を肯定できるからなのだ。客席ではゲイのカップルもよく見かける。仲良く並んで振り付けで踊っていたりする。彼らもきっと同じ思いだろう。

 仕事と家事育児、間もなく介護も肩にのしかかる。誰も褒めてはくれないけれど、年に1度、同志のような彼女のコンサートに行けば、ママたちはきっとまた1年、それぞれの場所で頑張れる。


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(感想・意見など)

 AKB48を見ても分かるが、今も昔も芸能人になりたがる若い人は非常に多い。松田聖子さんはその中で抜きんでた人である。若いときに抜きんでること自体何十万人に1人のこと。大変なエリート。30年以上その状態を保ち続けた人といえば、美空ひばりさん、ユーミン、松田聖子さんくらいしか思いつかない。大変意思が強く、タレント(才能)に恵まれ、努力家であることは疑いようがない。


(以上)
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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