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激論!日本経済

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 週刊ダイヤモンド12年7月21日号「激論!日本経済」が面白い。共感できる部分が多い。
 アゴラ研究所 所長 池田 信夫さんと駒澤大准教授 飯田 泰之さんの激論をご紹介します。


(タイトル)
日本経済復活の処方箋はこれだ!

バブル崩壊以降、日本経済は20年にわたる長期停滞にある。その原因はどこにあるのか。処方箋は何か。


(本文抜粋)

――日本経済の「失われた20年」の原因はどこにあるのでしょうか。

池田 1990年代の前半の10年と、2000年代の後半の10年に分けて考えるべき。
 前半の10年は、不良債権処理で金融システムがガタガタになってしまった。後半の10年は、労働人口が減少して経済が収縮し、景気回復の足を引っ張りました。

飯田 私も前半と後半に分けることが重要だと考えていて、大きなポイントになるのが、日本銀行の金融政策の失敗
 90年代、日銀は金利を下げる余地があるにもかかわらず下げ渋った。これが前半の失われた10年を招きました。不良債権問題で早期に資本注入を行わなかったことも大きな要因

池田 2000年代の不況というのは、労働人口の減少に加えて、企業部門の貯蓄超過にも原因があります。
 10年には、企業部門の貯蓄超過がGDP比で8%に達している。これは企業がほとんど投資をしていないということ。国内市場が縮小してもうからなくなっているから。成長著しい新興国に投資しよう、となる。

飯田 市場としての日本にはもう魅力はない。しかし、生産拠点としての魅力がすべて失われてしまったわけではない。日本は、労働者の質が安定していて産業インフラも整備されています。圧倒的な技術優位があるか、円が安ければ、十分に元を取れる生産拠点ではある。日本が生産拠点としてやれる余地はわずかながらある。

池田 シャープが鴻海精密工業(ホンハイ)と資本提携しました。そこから見えてくるのは意思決定のスピードの差。
 液晶テレビを日本で作ってもうかるわけがないことは社員なら誰でも知っています。やるべきことがわかっているのにそれができないのは、意思決定のシステムに大きなひずみがあるからです。
 シャープ、パナソニック、ソニーの3社合わせて12年3月期の赤字がおよそ1兆6000億円と、とんでもない額になった。


――どうすればこの低迷を脱することができるでしょうか。

飯田 外需に頼るしかない。人口が長期的に減少していく国で、外需に依存せずに経済成長することは至難の業でしょう。

池田 潜在成長率を上げるためには、規制緩和などを進めるしか手はない。
 その際に最も重要な問題として認識しなければならないのは、新興国が急成長する一方、先進国が相対的に地盤沈下しているということ。
 日本経済を自動車に例えると、エンジンそのものにかなりがたが来ている。エンジンそのものを換える必要がある。

飯田 私は、ひとまずはすぐにできることからやるべきだと思います。
 エンジンを交換するように、一気に構造改革を進めることは無理。目に付いたものを一つずつつぶしていくしかありません。
 小泉純一郎内閣が推進した構造改革の大きな失敗は、一つ一つ問題をつぶしていく過程で出てくる痛みを、例えば再分配などの方法でケアしなかったこと。ケアする姿勢だけでも見せていたら、改革はもうちょっと続いた。
 もう一つ、注意すべき点は、構造改革をインフレ下で行うかデフレ下で行うかで痛みがだいぶ違うということ。

池田 根本的な問題を解決しないともうダメなところまで来ている。
 やれることがあるとすれば、法人税を思い切って下げること。


――消費増税がほぼ確実になりました。財政再建の緊急度についてはどう考えますか。

池田 緊急度は今はあまりない。欧州債務危機の中で相対的にリスクが低いとみなされている。財政破綻の心配は、向こう10年くらいを見ると、可能性としてはある。

飯田 このまま現在の社会保障制度を続けていくと、毎年社会保障費が1.3兆円ずつ増えていく。財政は持ちません。財源は最終的には税金しかない。増税はやむを得ない。
 ここまで財政が逼迫しているにもかかわらず、民主党政権になってから、社会保障以外の歳出が10兆円増えている。
 5年後くらいに欧州債務危機が落ち着けば、日本は非常に危ない。その前に、どこまで税金を取れば財政は安心なのかという増税の〝終点〟を決めておく必要がある。


――増税景気にどんな影響を及ぼしますか。

池田 短期的には、景気に対して悪影響はある。
 増税で財政再建が進めば、長期的には悪いことばかりでもない。

飯田 増税は基本的には景気の足を引っ張る。今回は、2年後の増税を先に決めてしまった。2年後の増税までに景気を何とか今よりはましにしておかないと大変なことになる。

池田 たぶん、金融政策はそんなに効かない。税制改革のほうが効く。
 例えば法人税を下げることによって、企業の長期的な収益は上がります。新興国との競争を考えると、台湾や韓国に法人税を合わせないと話にならない。

飯田 政治的な抵抗と財政への影響を考えれば、法人税の引き下げのための代替的な財源を探す必要がある。資産課税がいい。

池田 先進国の中で消費税が日本ほど低い国はない。欧州はたいてい15~20%。日本は、税金の使い道について、政府に対する不信感が強い。現に無駄づかいも多い。
 不信感を払拭するには、負担と受益の関係を明確にすればいい。

飯田 日本では、税金が中央にプールされてから配分されるので負担と受益の関係が見えにくい。イメージしているのは、北欧諸国のように、例えば1000万円ぐらいの単位で国が地方に徴税権を渡していくやり方。
 負担と受益を近づけていくには、日本という国単位では大き過ぎる。

池田 先日、橋下徹・大阪市長とそういう議論をしたばかり。
 橋下さんに言ったのは、大阪で徹底的に実績を積み上げて、例えば、大阪を特区のようにして、法人税をゼロにするといった政策を実現する。都市としての大阪の魅力は上がる。それを見て、日本の他の都市もきっと追随してくる。
 大阪が新しいロールモデル(手本)になって、そこから徐々に、日本全体に浸透していくといった形で変わるしかない。

飯田 橋下さんたちの関西広域連合にはぜひ、成功モデルを作ってもらいたい。地方から国を変えていくということが、今の日本に一番必要とされていること。


――日本経済復活に向けてまずやるべきことは何ですか。

池田 何が大事かという順序で言うと、日本の産業の競争力を高めることが一番大事。日本の産業がこれ以上ダメになってしまうと、社会保障も税もダメになってしまう。
 税制改革が一番手っ取り早い。法人税を思い切って下げたりするのも、簡単にできる方法の一つ。

飯田 やりやすい順序で言うと、日銀の金融政策によってできることがまだある。
 その上で、税制改革構造改革を進めていくことが日本経済復活への筋道

池田 最後に、政治がこんなにぐちゃぐちゃな状態では何も決められないわけだから、政治の正常化が一番優先順位の高い問題。

飯田 それに反対する人は、たぶん誰もいないですね(笑)。


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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