アメリカは「脱原発」!?②


12年7月30日ブログ『アメリカは「脱原発」!?』で米ニューヨークで取材した田原総一朗さんのコラムを紹介した。その中で田原さんは「アメリカの企業は原発にはほとんど興味がない。シェールガス・オイルの埋蔵量は百数十年分はある。それに安い。問題になりがちな原発の時代は終わりです」という米エネルギー専門家の言葉を紹介。「日本での原発とエネルギー問題の扱われ方は、どうも的を外しているのではないか」と言っていた。
その見方を補強する記事を見つけた。週刊エコノミスト 12年8月21日号である。ご紹介します。
(タイトル)
時代は天然ガス
米GE「原発正当化は困難」と発言
維持したい電力と経団連に衝撃
(本文抜粋)
米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルトCEOの発言が原発維持にこだわる日本の電力会社と経団連に衝撃を与えている。
7月30日付の英紙『フィナンシャル・タイムズ』で、原発が他のエネルギーと比較してコスト高となり、経済的に「正当化するのが非常に困難」と語った。
イメルト氏は、米国のシェールガス普及でガスの価格が安くなり、「世界の多くの国(の電源)がガスと風力や太陽光の組み合わせに向かっている」と述べた。
シェールガスの恩恵は日本にも及び始めており、中部電力や大阪ガスの米国からの購入を決めた。この動きが原油価格連動で高値づかみしてきた日本の液化天然ガス(LNG)に価格破壊をもたらす可能性が出てきた。「脱原発なら高いLNGの輸入増で貿易収支悪化」という推進派のロジックは通用しなくなる。
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(感想・意見など)
上右側の記事は12年8月1日の朝日新聞である。現在は全原発停止でLNGを緊急避難的に輸入しているため高価格になり貿易収支を悪化させているが、今回の米国産シェールガスは「東南アジアや中東から輸入しているLNGと比べ3~4割安い」という。多様な調達先と価格交渉し、あるいは長期的取引契約を結ぶことにより、LNGをずっと安く安定的に輸入できると思われる。
日本は日露戦争での勝利に味をしめ、航空機の時代になっているにもかかわらず、大鑑巨砲主義にこだわって大和・武蔵などになけなしの金や資源をつぎ込み、戦争に敗れた。
今回も同じようなことになっていないか?上記のような観点も含めて、虚心に、もっと総合的にエネルギー問題を考えるべきだと思う。
以上