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「恨(ハン)の五百年」

「恨(ハン)の五百年」


 韓国に興味を持って20数年以上になる。韓国関係の本は数十冊は読んだと思う。先日新聞を読んでいて、久しぶりに「(ハン)」という活字が目に飛び込んできた。おかしなことに、これだけ日韓関係が問題になっているのに「」という字をみることがほとんどない。「」は韓国を理解するキーワードである。


 12年9月16日日経新聞「危機と日本人」欄に山折 哲雄さんのコラムをご紹介します。


 「恨の五百年」
 心に積もる悲しみの情


(本文抜粋)

 日韓のあいだにギクシャクした関係が発生するたびに思いおこす言葉がある。
 「恨(ハン)の五百年」という言葉だ。

 私が不思議な気持ちにとらわれるのは、最近の危機的な日韓関係をめぐるやりとりのなかで、この言葉がほとんどきかれないということである。韓国の文化大臣をつとめたこともある李御寧イーオリオン)氏の『恨の文化論―韓国人の心の底にあるもの』(学生社、1978年)。

 それによると、韓国文化の母胎となっているのがそもそも「恨の文化」なのだという。日本語で「うらみ」は「」と「」にあてられ、ほぼ同じ意味に用いられているが、韓国ではその二つの言葉は区別されなければならない。

 「」というのは他人にたいして抱く感情であり、外部の何ものかについて抱く感情の塊。

 「」は自分の内部に沈殿していく情の固まり。

 怨みは熱っぽく、復讐によって晴れる。だがは冷たく、解くことができない。怨みは憤怒であり、は悲しみだ。怨みは火のように炎々と燃えるが、は雪のように積もるだけである……。


 「」がさきの李御寧氏のいうように「冷たく」、「雪のように」心のうちに積もりつづけているものであるならば、それはいつの日にか晴らされることがあるのだろうか。

 韓国人の心に積もりつづける「」の感情は、日本人の祟りと鎮魂にもとづく心性および感情とは性格を異にしている。それが私の目には、日韓両国民のあいだに、あたかも融和しえない文化の障壁のように立ちはだかってみえる。


 2010年の8月下旬「日中韓未来交流ワークショップ」という政府主催の会議が東京でおこなわれた。参加者は日本17名、中国11名、韓国13名、全部で41名だった。

 その討議の過程でとくに印象にのこったことが二つあった。

 一つは韓国人学生たちのほとんどが「」の問題を当然のことと受け止めていたこと。韓国の文化や政治を語るときは、たとえいちいち口には出さなくても「」の問題が前提にされている。

 第二が、韓国人の多くは今日なお日本を嫌っているし、自分たちもそうだ、という発言が目立ったことだった。

 けれどもかれらはそれにつづけて、日本という国家はたしかに嫌いであるが、しかし日本人にたいしては個々のつき合いを通して親しみを感じているし、けっして嫌いではない、好きなのだ、といった。


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(感想・意見など)

 韓国文化が「恨の文化」であるのは、地政学的な理由が大きいと思う。朝鮮半島の北西には強大な中華帝国がある。唐以降でも千年以上も中華帝国の「千年属国」となってきた。例えば、李氏「朝鮮」とは明の皇帝に下賜してもらった国名である。強大な帝国には事大(大国に媚びへつらう卑屈な態度)せざるを得ない。

 あまりにも強大な権力を持つ者には、いくら抵抗しても無駄だという諦観が生まれるが、それはそれで「恨み」を一層つのらせる。その「恨み」を弱いものに向けることも多い。弱いものいじめに走りやすい。

 中華には「中華思想」「華夷秩序」というものがある。世界の中心は中国でありそれ以外は野蛮な国である、とする。韓国的には、中国は「大中華」であり、韓国は「小中華」であり、日本などはそれ以下である。

 朝鮮は、中国以上に儒教思想の濃い国である。社会的には両班(ヤンパン:高級官僚、地主)、中人(中級官僚)、常民(農・工・商)、賎民(奴婢・白丁)があった。いずれの身分も世襲身分として固定されていた。賎民階級はほとんど牛馬並みの扱いであった。両班は働かない。労働を蔑視し、庶民から搾取し、官職獲得のため不毛の争いばかり繰り広げていた。汚職はすさまじかった。

 家では、父親が絶対である。兄弟でも、弟は兄の前で眼鏡はかけてはいけない、たばこを吸ってはいけないというほど上下の差が厳しい。男女差はもちろんである。

 中華帝国を頂点とした絶対的権力儒教的家父長制という二重の抑圧構造。

 そういう構造の中にあって、明治維新以降、昔いろいろ教えてやった末弟の「小日本」がめきめき実力をつけ、「大中華」の清を日清戦争で破り、日露戦争に勝ち、1910年にはわれわれの「恨」も知らず、「小中華」である兄(韓国)までをも併合した!怒るまいことか!恨むまいことか!

 日本が、当時国家のていをなしていなかった韓国に、日本人の税金を投下し、インフラを整備して工業を興し、学校制度を整え身分の差なく全国に教育を普及し、はげ山に木を植え、、田畑を整え食糧生産を倍増し、国を富まし人口も約2倍に増やし、戦後は1965年朴正熈大統領の時代に「日韓基本条約」を結び過去の問題を清算し、さまざまに援助して「漢江(カンコウ)の奇跡」で韓国躍進に貢献した事実などはどうでもいい。

 そんな事実などなかった、とにかく許せない!である。われわれはどうすればいいのだろう。


(以上)

  
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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