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東電OL事件再審無罪の検証を

東電OL事件再審無罪の検証を
東電OL事件再審無罪の検証を
東電OL事件再審無罪の検証を
東電OL事件再審無罪の検証を
東電OL事件再審無罪の検証を

 上から①朝日新聞12年11月8日、②四国新聞11月8日、③朝日新聞11月8日、④讀賣新聞11月8日、⑤日経新聞11月9日


 かねてから日本の司法制度の問題点を何回も指摘してきた。司法は何度も同じ間違いを繰り返している。東電OL殺人事件でも、警察、検察、裁判所に色々問題があることが明らかになった。

 かなり早い段階からマイナリさんは犯人ではないという声は多数あった。しかるに警察、検察は判断を変えず、マイナリさんに有利な証拠を隠し、控訴審以降の裁判所も検察の判断に追随した。しかも、無罪が確定した現在でも、自分たちは間違っていなかった第三者による検証は必要がない、と言い張っている。なんとデタラメで無能で学習しない人たちなのだろう。

 
 朝日新聞12年11月8日インタビュー記事をご紹介します。この裁判にも少し関わった元・東京高裁部総括判事の木谷 明きたに・あきら)さんです。ご紹介します。


検察に頼る裁判官

 マイナリさん勾留 検察に応じた高裁
 迎合生む仲間意識

(前文)

 再審で無罪となったゴビンダ・プラサド・マイナリさんの裁判をめぐっては、真相解明より有罪判決の維持を優先させた検察の姿勢だけでなく、検察の主張通りに有罪と認めてしまった裁判所にも疑問が投げかけられた。刑事裁判ではなぜ、検察官の主張ばかりが通るのか。30件以上もの無罪判決を出した木谷 明さんに聞いた。


(本文抜粋)

 ――マイナリさんの再審までの検察側の姿勢をどう見ましたか。

 「弁護団が再三、被害者の遺体から採取された付着物などの証拠の開示を求めてきたのに、小出しにして再審決定を先延ばししようとした検察のやり方は強く批判されるべき。少なくとも、体液などからマイナリさんとは違うDNAが検出された昨年7月の段階で再審開始は必然。検察の責任は大きい。なぜあのような開示の仕方をしたのか検証すべきです」

 ――検察に対して「証拠隠しではないか」との批判もあります。

 「過去に、松川事件で被告人のアリバイを示す『諏訪メモ』が上告審段階で明らかになったことや、布川事件のように被告人に有利な証拠が隠されていたことが再審請求段階で明らかになったケースなど、検察が被告人に有利な証拠を隠した事例は枚挙にいとまがありません


 ――東京地裁の無罪判決後、検察は控訴した後に、東京高裁に職権でマイナリさんを勾留するよう求めましたが、木谷さんが勾留を認めませんでした。

 「無罪判決の重みを考えて勾留すべきではないと考えました。刑事訴訟法は無罪判決によって勾留状が効力を失うとしているのに、その直後に勾留したのでは、意味がなくなる。検察官は『早く勾留しないと帰国してしまう』と急いでいましたが、外国人だからといって別にするのはおかしいのです」

 ――ところが、約3週間後に別の刑事部が勾留状を発付しました。

 「通常、地裁から高裁に記録が移るのに1カ月以上かかるのですが、この時は控訴から約2週間という異例の速さで高裁に移り、第4刑事部が記録だけで心証をとって勾留状を出しました。同じ部が控訴審も担当するのですが、勾留状を出してしまえば、無罪判決は出しにくくなる。検察の意向に迎合した拙速な勾留状発付だったように思います」


 圧倒的な組織の差 99.9%有罪判決
 裁判員制度が風穴

 ――検察官主導で進められる現在の刑事裁判を「検察官司法」と名付けて批判していますが。

 「現行制度では、起訴便宜主義といって、検察官は犯罪の嫌疑があっても起訴しないことができますから、有罪の確信が得られた事件だけを起訴します。その結果、起訴される事件はほとんど事実認定に問題のない事件ばかりになり、有罪率99.9%という現状が生まれました」

 「裁判官も日常的に、争いのない事件ばかり扱っていますから、検察官の言う通り有罪判決を出していれば間違いないという『有罪ボケ』のような状態になります。まれに被告人が無罪を主張しても、『罪から逃れたくてウソをついている』と見て、取り合おうとしない態度が裁判官に生まれやすいのです」

 ――マイナリさんの一連の裁判を見ると、控訴審以降の裁判官は検察の言いなりのように見えます。

 「裁判官は伝統的に検察官に対する親近感が強いのです。戦前は、司法省という同じ役所の同僚でしたから。同僚意識は連綿と続いています。ある事件の合議で、検事に違法行為があったのではないかという意見を述べたら、裁判長から『検事がそんなバカなことをするはずがないじゃないか』と一喝された経験があります。また、起訴された犯罪事実の立証が弱いと感じると、検察官に電話して、予備的に別の犯罪事実を加えるよう忠告する裁判官もいました」

 ――なぜでしょうか。

 「ある時、友人の検事から忠告を受けたことがあります。『裁判官は検事の主張と違うことをしない方がいいぞ。我々は難しい問題については庁全体、高検、最高検も巻き込んで協議してやっている。それに比べ、裁判官は1人かせいぜい3人じゃないか。そんな体制で俺たちに勝てるはずがない。一審で無罪判決を出しても、俺たちが控訴すれば、そんな判決は吹っ飛んでしまう』と。裁判官が検察官の主張を否定しそうになると、高圧的で威迫するような態度になることさえあります」

 「そこまで検事に抵抗されると、それを振り切って無罪判決に踏み切るにはかなりの勇気が要ります。結局検事に妥協してしまう人がかなりいるだろうと思いました」

 ――無罪判決を多く出しました。

 「十分な審理を尽くし穴のない判決を書くようにしています。審理・判決にスキがあれば、控訴審で検察官に必ず突かれます。だから、考えられるあらゆる点を審理して、想定される検察官の反論にもすべて答えるような判決文を目指しました」


 ――「検察官司法」の現状を打破するには、何が必要ですか。

 「取り調べの完全可視化(録音・録画)や証拠開示の一層の拡大は当然ですが、それと共に上訴審の運用改善がとりわけ重要です。日本では、一審の無罪判決に対して検察側が控訴することができます。その場合に高裁で破棄される割合は、被告人が控訴した場合よりはるかに多かった。しかし、裁判員裁判で無罪とした判断をプロの裁判官だけの高裁が覆すようなケースが相次げば、裁判員制度の意義が失われてしまいます。さすがに最高裁も、今年2月に言い渡した判決でこの問題に一応の決着をつけました」


 
 【取材を終えて 】

 新たなDNA鑑定の結果を待つまでもなく、12年前に東京地裁は「現場に第三者がいた可能性」を指摘して無罪判決を出していた。それを東京高裁が逆転有罪として、最高裁も追認した。今回の再審無罪は、検察官だけでなく、検察の主張に安易に追従した裁判官にも、大きな課題を突きつけたと言える。
                                                        (山口 栄二さん)


以上

 
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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