自民 単独過半数の勢い


上段の写真は今日(12/6)の毎日新聞であるが、今朝の主要紙の一面トップ記事はほとんど同じようなものであった。「自民 単独過半数の勢い」。驚いた。
民主党の学級崩壊状態には愛想が尽きた。3年間の下野で自民党はすこしはマシになったかと思っていたが、最近の安倍晋三自民党総裁及び自民党は、すっかり守旧派になってしまっている。心配である。
その背景を元経産省官僚の古賀茂明さんが分析している。週刊プレイボーイ12年12月17日号「古賀政経塾」を抜粋してご紹介します。
安倍自民党総裁の「ふたつの顔」
衆院選後、首相になる可能性が最も高いのは自民党の安倍晋三総裁だろう。安倍さんは〝ふたつの顔〟を持ちながら、首相レースに臨んでいる。「改革派の顔」と「守旧派の顔」である。
前回、首相になったときの安倍さんの売りは「小泉改革を引き継ぐ若きホープ」というものだった。渡辺善美さん(現みんなの党)を登用して、それまで誰も手をつけなかった公務員改革に乗り出し、天下り規制を初めて導入した。政権を支える人々も、規制改革を断行して日本の成長を目指そうという「上げ潮派」の人々が中心だった。
ところが今回、安倍さんが自民党総裁選に勝利したプロセスでは「改革」という言葉はすっかり鳴りを潜めている。
理由は簡単。予備選挙でぶっちぎりの1位だった石破茂現幹事長に逆転勝利するため、旧派閥の長老たちの支持を受けたからだ。
長老たちは「改革」を嫌う。その結果、今の安倍さんは「改革」を売りにしていた前回とは違って、守旧派の意向を無視できない。
次の衆院選は、自民党が政権に復帰した後に、安倍政権が民自公路線をひた走って改革に背を向けるのか、それとも非民自公路線をチョイスし、第三極の維新やみんなと連携して改革に着手するのか、それが新たな争点として浮上することになる。
現状では民自公路線をとる可能性が高い。建設国債を日銀に買わせ、その借金で公共工事をバンバンやりますと、方々で吹聴しているからだ。これでは、日本をダメにした昔の自民党そのものだ。
おまけにここにきて、憲法9条の改正や「国防軍」の創設など、タカ派的な主張も前面に打ち出してきた。
そうなると、たとえ非民自公路線で維新と組んだしたとしても、維新内のタカ派勢力――石原前東京都知事らと憲法改正へとひた走り、それ以外の改革は後回し、霞が関の官僚に任せておけということにもなりかねない。
安倍・自民党が次期政権を担うと仮定したときの話だが、このままでは民自公、非民自公のどちらの路線をチョイスしたとしても、新政権下では「改革」のふた文字は後回しにされそうな悪い予感がしてならない。
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(感想・意見など)
最近の自民党からはすっかり常識というものが失われた。
曰く、インフレにするために日銀はどんどん札を刷れ。国土強靭化のために10年間で200兆円使えば景気は良くなる。
曰く、憲法9条を改正して、「国防軍」を創設すべし。「尖閣に公務員を常駐させる」。「物理力で(中国船を)阻止しなければならない」。
曰く、家庭での子育てを重視すべし。「多世代同居の促進」を図ろう。
「自民 単独過半数」だけは避けてもらいたい。最低でも「自公で過半数」を望みたい。その場合でも、公明党も公共事業100兆円(「防災・減災ニューディール」)を唱えているので、不要不急の公共工事が全国で行われ、またまた借金が積み上がることになる。
子育て、少子化対策、女性問題に関しては、自民党衆院議員の野田聖子、小渕優子、小池百合子さんらの女性議員も呆れている。自民党のオヤジたちは、自分たちのそうした考え方こそが、20年~30年に及ぶ、少子化の原因、日本衰退の原因だということが分からないのだろうか。つける薬がない。
最低でも「自公で過半数」で、公明党にはバランサーになってもらいたい。
以上