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こういう国もある…オランダ

こういう国もある…オランダ


 週刊プレイボーイは、警察・検察・裁判所の裏金問題や不正を告発するなど、意外と硬派な面もある。12年12月17日号「真実のニッポン」欄、橘 玲たちばな・あきら)さんのコラムをご紹介します。



 北ヨーロッパの〝理想の福祉社会〟ってどんなところ?


 〝日本の将来を決める〟選挙戦が始まりました。といっても、日本にはどのような将来の選択肢があるのでしょうか?

 これまでは、「アメリカ型の新自由主義か、北欧型の福祉社会か」といわれてきました。〝弱肉強食〟のアメリカ型新自由主義(ネオリベ)は世界金融危機で破綻したとされていますから、残された選択肢は消去法で北欧型の福祉社会しかありません。

 しかし不思議なことに、「もっと福祉を」の大合唱は聞こえてきません日本国の借金が1000兆円もあるからでしょうが、それだけが理由ではないようです。

 北ヨーロッパの福祉社会を視察した労働組合幹部などが、帰国後は一斉に口をつぐんでしまったからです。
 彼らはそこでいったい何を見たのでしょうか?


 ワーク・ライフ・バランスや社会参画で一世を風靡したオランダは、男女平等で自由な働き方を実現しながら、きわめて効率が高いことで知られています。オランダの就業者1人当たりの労働時間は年1392時間で、労働生産性(就業者1人当たりのGDP)は53.4㌦。それに対して日本の労働者は平均1785時間で労働生産性は37.2㌦しかありません。日本人はオランダ人よりはるかに長く働いて、その労働は7割程度の価値しか生み出していないのです。

 だったら日本の社会制度を、オランダのように変えてしまえばいいのではないでしょうか。

 ヨーロッパはEUの労働政策で「同一労働、同一賃金」が徹底されています。そのうえオランダは、1996年の「労働時間差別禁止法」で、労働時間の違いに基づく労働者間の差別が禁止されました。

 さらに2000年の「労働時間調整法」で、労働者に労働時間の短縮・延長を求める権利が認められ、翌2001年の「就労とケアに関する法律」では、出産・育児休暇や介護休暇の制度が大幅に拡充されました。なにもかも労働者にとっては素晴らしい話ばかりです。

 一連の改革の結果、オランダでは「アルバイト」や「パートタイム」がなくなりました。勤務時間で労働者を差別せず、どれだけ働くかを決めるのは労働者の権利なのですから、1日1時間しか仕事をしなくても立派な「正社員」なのです。

 ところで、「非正規」がみんな正社員になるということは、これまで正社員に認められていた特権がすべて「差別」として廃止されるということです。年功序列や終身雇用も当然なくなり、50歳の部長でも、アルバイトと同じ仕事しかしていないなら、給料も同じになってしまいます。

 もちろん福祉社会のオランダでは、失業しても生活の心配はありません。失業保険をもらいながら、再就職のための職業訓練まで受けられます。

 これも素晴らしい話ですが、そのかわり2004年に施行された「雇用・生活保護法」で、18歳以上65歳未満の失業保険受給者は原則として全員が就労義務を課せられ、「切迫した事情」を立証できないかぎりこの義務は免除されないことになりました。

 先進的な福祉国家では、社会に参画(貢献)する意思と能力を持った〝市民〟だけが手厚い保障を受けられます。

 理想の福祉社会は、「強制労働社会」でもあったのです。


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(感想・意見など)

 オランダは人口1660万人ほど、面積は42平方キロ(山手線内側の面積の3分の2位)と、日本と比べると小国である。

 ヨーロッパの交通、交易の要衝にあり、最大の産業は金融・流通などのサービス産業。チューリップ、チーズなど農業も盛んである。フイリップス、ユニリーバなど世界的大企業もある。天然ガスの産出国でもある。

 早くから世界に進出し、江戸時代には日本との交易が盛んであった。最大の植民地はインドネシアであり、苛酷な植民地経営を行った。、第二次大戦開戦まもなく日本にインドネシアを取られたが、戦後奪回。しかし激しい独立戦争の末、独立を認めることとなった。

 1970年代まで「男は仕事、女は家庭」だったが、その後は女性も働くのが当たり前になった。論争はあっても、最後は話し合いで物事を進める合理的な気風がある。1983年の「ワッセナー合意」により「ワークシェアリング」が普及、失業率が低下し、ほぼ完全雇用を達成した。

 大麻、安楽死、管理売春、同姓同士の結婚を認めるなど、リベラルな気風がある。小国だから小回りが効き、物事が決めやすいという側面はある。


 上記の橘さんのコラムにあるように、労組幹部がオランダ視察後口をつぐんでしまうのは、日本は正規と非正規の不合理な差があり過ぎ、譲るとしたら正規社員、年配者しかあり得ないからである。私が知る限り、この問題に真剣に取り組んだのは広島電鉄だけではないか。

 日本は、正規・非正規の問題、男女の格差問題、子育て支援の問題など、問題が山積している。問題は明白なのに、あまりにも物事が進まなさ過ぎる

 決めるのが政治家の仕事。「断固!」とか「断じて!」とか勇ましい空疎な言葉はいらない。着実に話し合いを重ね、合理的に改革していかないと、ますます衰退を加速させてしまう。この5年間くらいが勝負の時!


以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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