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もう大黒柱には頼れない

もう大黒柱には頼れない
もう大黒柱には頼れない
もう大黒柱には頼れない
(中段:朝日新聞12年12月12日)

 
 毎日新聞12年12月11日、夕刊編集部小国 綾子さんの記事をご紹介します。



 なくなれ、大黒柱信仰


 「将来、専業主婦になりたい人は?」。父親の子育てを支援するNPO法人の東浩司(あずま)さん(41)は大学や高校で講演するたび、女子学生に必ずこう尋ねる。半分くらいが手を挙げることもある。

 「残念でした。あなたはもう、専業主婦にはなれません30代男性の年収は今や300万円台お母さんと同じ生き方はできない」。

 現実をガツンと伝えるのは、働くことをプラスと受け止め、より自由な生き方をしてほしいからだ。

 
 「妻に専業主婦でいてほしい人は?」。大学生の集まりで男子学生に尋ねたら、なんと1人の手も挙がらなかったそうだ。専業主婦志望の女子学生もびっくり仰天だろう。

 「男子の方が現実を理解しているのか、家族を1人で養う自信がないのか。あるいは、男子の場合、その場の空気を読み過ぎて人前で挙手すらできなかったのか……」

 
 東さんは、企業のメンタルヘルスやワークライフバランスの研修に呼ばれることも多い。最近気になるのが、若い世代の男性たちの「今の収入では結婚できない」という声。データもそれを裏付ける

 「今の若者は、企業戦士の父と専業主婦の母親に育てられた人がまだ多い。両親から『男は家族を養うべし』と刷りこまれている」。だから「家族を養わねば」という〝大黒柱信仰〟を解かないと、子育てはおろか、結婚にすら踏み切れないという。

 時代は厳しいけれど、男も女も共に働き、子育てすればキャリアの可能性は広がるし、リスク分散もできる。家族の絆も深まる。「共働き、共育ての世の中ならば、経済的な理由を苦にした〝大黒柱〟の男性の自殺も減るのでは」と東さん。1人より2人で――14歳の息子にそう伝えている。


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(感想・意見など)

 私の周囲に20代、30代の若い人は多いが、まさに上記小国さんの言う通りである。 

 日本の給与所得は、1998年ごろから下がり続けている親の世代よりもいい職に就いた人は少ない。特に、地方は厳しい。学校を出て親の面倒をみるためにUターンしたものの、給与等条件も悪いうえ、就職先自体が少ない。会社が潰れたり、合併して全国区になって、心ならずも転勤族になった人もいる。海外勤務になった人もいる。

 親がいよいよダメになって介護・看護するため会社を辞めて帰ってくると、40代ともなるといよいよ就職先も少ないし、あっても収入は前職のよくて2分の1、通常は3分の1くらいである。こういう例は嫌というほど見てきた。


 今の若い人たちは、ほぼ間違いなく70歳くらいまで働かなければならない。ひと昔まえに「会社の寿命は30年」と言われた。今はもっと短くなっている。変化が大変激しい。50年間働くとして、その間同じ仕事、同じ職場で働ける人はまれだと思われる。何回か転職することは当たり前になる。途中で、学び直しも必要。そのためにこそ、小学校から高校時代に基礎をガッチリ固めておく必要がある。

 仕事は高度化、専門化する。ベース(リベラルアーツ:教養)がしっかりしていない人は、時代の変化に伴い長い人生のどこかで競争から脱落し、低賃金の雑用係になるしかない。ベースのしっかりしている人は、生涯を通じて学び続け時代に柔軟に対応し、70代、80代になっても専門家として重宝されるだろう。

 
 20年前、私は携帯電話ビジネスの近くにいた。会社は恐る恐る携帯ビジネスに参入した。いつ撤退してもいいように、正社員1対派遣社員10くらいの割合で出発した。そのころ、日本の携帯電話は1千万台で飽和状態になるだろうと言われていた。ところが、あれよあれよという間に10年で1億台になり、日本中の中都市以上に屋上にヘリポートを備えたドコモのビルが建った。固定電話、公衆電話は廃れた。スマホなど想像もしなかった。


 アメリカでは、アマゾンのせいで、全米ナンバー2の家電量販チェーン店本のチェーン店が潰れた。永らく世界のフィルム業界に君臨してきたコダックが、デジタル時代の波に乗り切れず破綻した。映画も、急速にアナログフィルムからデジタルに切り替わった。

 同じ英語圏ということで、コールセンター業務、コンピューターのソフト開発や設計、税務など、アメリカの中産階級の仕事が、インドフィリピンに移っている。旧満州の大連には、日本語を使って仕事をしている大勢の中国人がいる。

 工場は、人件費の安い中国、東欧から、さらに安い東南アジア、西アジアに移りつつある。将来はアフリカに移るかもしれない。

 今後変化はますます激しくなるだろう。


 このように変化の激しい時代に、50年間にわたって、1本の大黒柱に頼るというのは無謀というしかない。リスクが多過ぎる。共働き、共育てを前提にした社会を作るべきである。

 政府は、自民党の言うような「家庭での子育てを重視」し「多世代同居の推進」(伝統的家族への回帰)を図るのではなく女性が結婚・出産・子育てのために仕事を辞めなくていい働き方ができる環境を作るべきである。



以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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