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注目の自治体…横浜市

注目の自治体…横浜市


 讀賣新聞13年1月24日の横浜市の待機児童解消の取り組みに関する記事を抜粋してご紹介します。


(前文)
 保育所に入れない待機児童の解消は、都市部の自治体では大きな課題だ。その中で、横浜市が全国最多だった待機児童数を2年間で9割も減らし、注目されている。民間出身の林 文子市長は、今年4月の待機児童をゼロにするという目標を掲げる。   (聞き手 古沢由紀子さん)


 横浜市長  林 文子氏

 待機児童 現場目線で激減

 
 ■ スピードが大事

 ――横浜市の待機児童数は、2010年4月の時点で1552人と、全国の市区町村でワースト12年4月には178人で34位短期間でここまで減らせるとは、驚きでした。

 「この2年間で、国の基準を満たす認可保育所の定員を5300人増やし、計約4万3600人としました。今年4月時点の定員は、前年比でさらに5300人増やす計画。保育所整備のペースは全国でも突出していますが、スピードが大事です」

 ――「13年4月に待機児童をゼロにする」という目標は具体的です。各政党も「待機児童解消」は唱えても、そこまでは言いません。

 「言い切りました待機児童解消は大都市の自治体の悲願なのに、達成されていません。私は責任を持ってやろうじゃないかと

 ――他の自治体からは、「保育所をつくればつくるほど働きたい女性が増え、ニーズを掘り起こす」と後ろ向きな声も聞こえてきます。

 「申込者が増えるのはウエルカムです。就労したいのに、子どもを預ける場がなくて我慢していたということですから」
 
 「私は企業で、子育てとの両立に苦しんで辞めていく女性を見てきました。安心して子どもを預けられる環境を整えれば、女性も経済活動を担える男女とも非正規労働が増え、共働きをしないと生活できない家庭も増えています

 ――どんな手法で対策を進めてきたのですか。

 「市長就任後、『待機児童を解消したい』という方針を明確にし、一線で働く職員を約20人集めて現場の話を聞きました。私が18の行政区をすべて訪問し、本当に必要な場所に新たな施設を整備できるようにもしました。トップダウンではなく、現場主義のボトムアップ。経営者時代からの手法です」

 ――中でもコンシェルジュ制度は、社会保障・税一体改革で成立した子育て関連新法に反映され、他の自治体も追随しています。

 「各区の窓口で、働き方に合った保育サービスを紹介する専門相談員で、認可保育所に入れなかった人にも、ほかの選択肢を提示します」


 
 多様な保育サービス用意

 ■ 幼稚園に独自補助

 ――運営費のかかる認可保育所以外に、多様な受け皿を用意していますね。

 「未就労の母親にアンケートをすると、働くならパートでという人が9割近い。認可保育所だけにこだわらず、市独自の基準を満たす横浜保育室(認可外)など、様々な保育サービスを活用してもらいたいですね」

 ――幼稚園の活用も東京などに比べ進んでいます。

 「市立幼稚園の45%が、両親が就労する子どもを保育所並みに長時間預かっています。市独自の補助をしていますが、土曜の開設を義務づけず5日間の夏休みを認めるなど条件を緩和したら、実施が急増しました」

 ――4月の目標は達成できそうですか。

 「待機児童がゼロにはならなくても、明快な目標を設定し、職員の意欲が引き出された意味は大きい。時には民間のように成果を喜び合うことが、仕事の質を高めると思います」

 ――財政再建も課題です。

 「待機児童対策と保育所運営費に、12年度で約834億円、市の一般会計予算の約6%を計上。毎年厳しく事業全般を見直し、無駄を省いています


 ■ 保育士の処遇改善を

 「これだけ保育所を増やすと、保育士が足りなくなります。保育の質を向上させるためにも、保育士の処遇改善は、国を挙げてやってもらいたい。幼稚園は県、保育所は市の所管、といった縦割り行政も改善してほしい



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(感想・意見など)

 私は林 文子さんは10年以上前から知っている。当時、大変有能な女性経営者がいるということで、雑誌などで騒がれた。著書も2冊くらい読んだことがあるはずである。人間、性別や学歴ではないという見本のような人である。

 現在66歳。高校卒業後、東レ、松下電器などに勤め、結婚後、車を売り込みにきたセールスマンを見て自分でもやれそうと思って、ホンダの販売会社に販売員として入社。顧客に信頼され次々と知り合いを紹介され、車を売りまくった。優秀なプレヤーは必ずしも有能な監督にはなれないと言われるが、彼女は経営者としても優秀で、BMW東京支店長、社長などを勤めた(このあたりまでは10年くらい前の記憶に基づく)。その後、再建中のダイエー会長など、日産の執行役員、東京日産の社長などを勤め、2009年中田 宏市長のあとを継いで、横浜市長に就任した。

 2年間で待機児童数を9割も減らした彼女の実績を見ていると、財源の問題はあるが、他の自治体の首長が国の規制に縛られて何もできないとよく言うのが、言い訳に過ぎないのではないかと思えてくる。「やればできるじゃないか」と。

 横浜市の保育所整備は一段落し、新年度からペースを落とすという。いままで保育所整備に充ててきた人材・財源など資源の一部を、新年度から他の分野の改善に振り向けることができる。このスピード感も素晴らしい。市民に「横浜市は子育てにやさしい街」とのメッセージが送れるし、職員に自分たちの仕事が市民に役立っているという実感・達成感を与えることができる。いい循環が始まる。

 喧嘩腰、剛の中田 宏、共感と信頼、柔の林 文子の順番も良かったのかもしれない。結局は、人である。


以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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