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今こそ「教養教育」復活を

今こそ「教養教育」復活を


 
 13年1月30日のブログで「グローバル人材教育」について書いたが、その時触れた国際教養大学の学長、中嶋 嶺雄なかじま・みねお)さんが、讀賣新聞(13年2月2日)で自説を語っている。抜粋してご紹介します。



 今こそ「教養教育」復活
 決断できない教授会 「知の鎖国」招く
 日本文化・歴史への愛着も大切


 バブル崩壊後は、日本の経済だけでなく高等教育にとっても「失われた20年」。1991年に大学設置基準が変わり、各大学が自由に教育課程を編成できるようになった結果、専門教育重視の傾向が強まり、教養教育が多くの大学で衰退した。

 英語教育もダメ。文法、スペルを教え、作品を読ませて訳させ、試験をやって終わり。だから中学・高校・大学の10年間勉強しても英語を使えない。

 さらに、日本の大学では、「教授会」の存在が阻害要因になっています。議論ばかりやって決断ができない。既得権、現状の維持ばかり。「知の鎖国」で、これでは優秀な留学生も集まりません。

 
 秋田市の公立大学法人・国際教養大学の中嶋嶺雄理事長兼学長は、改革の頓挫した東京外語大学長時代の経験を踏まえ、教授会を経営から切り離し、トップダウンで意思決定を図る体制を築いた。授業はすべて英語で、徹底した教養教育と討論の重視、海外留学の義務づけなどが成果を上げ、企業の評価は高い。外国留学生の多さも特徴だ。

 
 これまでの日本にはない大学作りを目指してきました。幅広く深い教養、クリティカルシンキング(批判的思考)を身に着け、英語のコミニュケーション能力を持つグローバルな人材を輩出することが目標。私たちは「国際教養」と呼んでいます。今の若者は決して内向きではない。大学の責任できちっと仕組みを作れば、挑戦します。

 一例を挙げれば、「ギャップイヤー制度」の成果。11月に合格者を決めた後、翌年9月の入学日まで、ボランティアなど様々な活動に取り組んで社会体験を積むのです。

 その一方で、日本の文化、歴史などについて語れることも非常に大切だ。新渡戸稲造の「武士道」などを読むよう勧めています。日本人としてのアイデンティティーを持てないことが、海外への発信力が弱い理由だと考えるからです。

 
 中嶋氏は第1次安倍内閣の有識者会議「教育再生会議」のメンバーで、大学卒業資格の厳格化や9月入学枠拡大などを提言した。第2次安倍内閣の「教育再生実行会議」も、大学のあり方の見直しなどがテーマとなる。

 
 「教育再生会議」もかなり抜本的な提言をした。でも結局、現場は変わらなかった。「実行会議」ではぜひ、日本全体で国際教養を身に着けることができる態勢を整えていただきたい。そうしなければ、このグローバル時代に、日本は本当に国際的に孤立するし、存在感がますますなくなっていく。うちみたいな大学が日本にもっと増えてほしい。


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(感想・意見など)


 世の中の変化のスピードはますます速くなっている。いまや、会社の旬の時期はせいぜい20年。現在40歳以下の人たちは、定年も70歳くらいになり、寿命は百歳近くまで伸びることが予想される(がんなどもかなり征圧できるかも?)。職業人生は50年にはなる。50年間一つの会社・組織で働くという人は少数派になる。多くの場合、ある専門分野について学んでも、人生の途中で陳腐化してしまうある段階で学び直す必要がある。

 欧米の大学では、学部段階ではほとんどが教養教育に費やされ、専門知識は大学院で習得するのが通例だという。日本もそうすべきである。人生のある段階で学び直すためにも、大学生時代に自学自習のできるスキル、習慣、土台をキチンと作っておくべきである。

 国際教養大学のような、グローバル時代に対応できる大学が、もっともっと増えてほしい。


 *11年3月6日のブログ「国際教養大学」も見て下さい。


(追記)

 中嶋 嶺雄先生は、13年2月14日肺炎のため亡くなられた。76歳。実に惜しい人を亡くしたと哀惜の念に堪えない。御冥福をお祈り申し上げます。


以上
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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