ピロリ菌除菌のすすめ②

徳島新聞13年2月10日「鳴潮」欄が、ピロリ菌除菌に関し上手にまとめている。全文をご紹介します。
胃酸が出て、強い酸性になる胃の中。そこには細菌はすめない、と考えられていた。その定説を破り、ヘリコバクター・ピロリ菌の存在を突き止めたのが西オーストラリア大学のバリー・マーシャル教授だ。1982年のことである。
それでも医学会は発見に懐疑的だった。そこでマーシャル教授は自ら患者のピロリ菌を培養して飲み、胃かいようを発症させて、ピロリ菌が胃炎や胃かいようの原因になることを実証した。
この研究で2005年、共同研究のロビン・ウォーレン博士とともにノーベル医学生理学賞を受賞した。今では、ピロリ菌が日本人に多い胃がんの原因になるとも言われている。
その除菌治療が近く保険適用される見通しになった。朗報である。これまで胃かいようや十二指腸かいようなどにならないと利かなかった保険が、慢性胃炎でも適用される。それによって、胃がんの発症者が大幅に減る可能性が出てきた。
ピロリ菌は日本人の約半数、50歳以上の7,8割が持っている。そこで日本ヘリコバクター学会は09年、胃がん予防のために除菌を勧める指針を発表し、厚生労働省に保険適用を拡大するよう要望していた。
「50歳以上の全員が除菌すれば、5年後には日本の高齢者の胃がんも減ってくると思う」。2年前に来日したマーシャル教授は、そう言った。この言葉も国を動かす大きな力になったに違いない。
...................................................................................
(感想・意見など)
私は、確か2011年9月ころに、全額自己負担でピロリ菌除菌をした(既報)。費用は約2万5千円。ピロリ菌保有者の何割が発症するかは知らないが、胃かいよう、十二指腸かいようの治療費が25万円、胃がんの治療費が250万円程度と仮定すると、ピロリ菌除菌(約2万5千円)で、その10倍、100倍の治療費の発生を防げる。なによりも、病に伴う、本人や家族の痛みや不安、不幸を減らすことができる。保険適用は朗報である。
以上