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Beフラット②

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(2段目:みんなの党、山内康一議員、3段目:民主党、小川淳也議員)


 
 13年3月22日ブログ「Beフラット」でお伝えした中村安希さんの本の内容の一部を抜粋してご紹介します。大変傾聴に値する意見だと思います。



 現在、日本には9百億円近くの借金がある(注:数年前の数字)。税収は減っているにもかかわらず、支出を増やし続け、借金に借金を重ねてきた。それは一般の常識からすると、とんでもなく非常識なことであるにもかかわらず、やっぱり2010年度も40兆円を超える赤字を出して、これからも借金を止める気配などまったくない。
 もしもこれが一般の家庭だったら一家はずっと昔に死滅しているし、一般企業であればとっくの昔に破綻している。


   硬直社会

 日本が抱えてきたあらゆる問題の根底にあるもの、それは人口構造の変化と、日本の経済成長が終わったことだと、小川淳也おがわ・じゅんや)議員は明言した。

 年金や医療や税制を含む日本の社会制度は、今から50年も昔、1960年代に完成し、現在までずっと引き継がれてきた。この50年の間に社会も世界も経済も、人の価値観も物流の速度も、すべてが大きく変化した。そのなかで変化しなかったもの、それが日本の社会制度だった。

 時代は大きく変わった。経済成長が20年前に止まり、先行きの見えない時代が続いている。今、一体どこの会社が、新入社員に向かって「40年間、あなたの人生をうちが保障します」と言えるだろうか。

 「今の時代でも狭くなったレールに乗ることができれば、ぎりぎり戦後世代の成功モデルを描けますが、ただしオーバーワークが激しくて労働は過酷になっているし、いったんレールに乗った人は、違う道へ行きたくても降りられない。反対に、細くなったレールからそれると、もうほとんど人生を描きようがない。細いレールに乗れるかレールからそれるか、乗れば過労死、それれば絶望。どちらも厳しい選択を迫られて、将来に対する期待感をみんなが持てなくなっているわけです」

 60年代型モデルが限界を迎えて二極化する現代の社会を、小川さんは、より柔軟な選択の幅の広い社会に作り直したいと言った。
 「成長期の終身雇用を前提に作られた雇用文化と、それを支える社会保障制度を、これからはどこへ移っても不利がない、どんな勤め方でも変わらない、すごくフラットな仕組みに変えてやればいいわけです」


   フラットな社会保障制度

 成長期の人々は、一度就職が決まったら、勤めた会社を辞めることも職業を替えることもなかった。つまり職業を変更したり、勤め先を移動したりすることは基本的にないという前提で、社会制度は作られた。

 「変化の激しい時代には、会社の栄枯盛衰は当たり前になるだろうし、それに合わせて人々が働く先を替えていくのも当たり前のことになる」

 硬直した世の中の仕組みを見直し、柔軟で変化に強い社会をつくる。そういった変化に対応できる社会を、小川さんは〝柔構造の社会〟と呼んだ。

 「消費税を財源にした一元化された社会制度を作りたい。どこで働こうが、どこに住んでいようが、どんな家族形態だろうが変わらない、個人単位の年金と医療保険。そういった制度が整えば、もう人はどこででんな勤め方をしても関係ない。消費税が財源なので、生きている限りはだれもが支払い、個人ひとりひとりに責任と権利を持たせることですごくフラットな仕組みができる。逆に今度は、雇う側から言うと、その人を雇ったからといって社会保険の負担をしなくてもいいわけです」

 それから、優遇されている退職金制度をなくせば、退職時にもらう大金に高い税率の所得税がかかることになり、退職金をもらうメリットがなくなる。そうやって、今働いた分を今もらえるシステムに徐々に変えていきたいと、小川さんは話した。なぜなら現在はもう、退職時まで会社が存続している保証などないような時代になっているから。

 「社会保障の会社負担も退職金もなくなれば、会社側としては、その時点で正社員と非正規社員の区別はほとんどなくなります。今なぜ会社は正社員を抑制するかと言えば、正社員はすぐに解雇できないことに加えて、保険料や退職金という大変な特典を付けなければいけないという苦しみを負うからです。だからここは、個人単位で社会保障制度を作り直し、安定した年金制度と引き換えに退職金制度をやめることで、雇用の世界に相当フラットな野原が広がる可能性がある」

 正社員、非正規社員の区別がなくなり、企業が柔軟に人を雇い入れ、また柔軟に解雇もしやすい社会を作る。

 「解雇しやすいということは、採用しやすいということと表裏一体ですから。ただし解雇しやすいということは、最低限の失業保険の仕組みも必要になります。これも、すべての世代の人から公平に集める消費税でやれれば一番いい」


   フラットな労働市場

 「今までの日本は、合おうと合うまいと一生働かないと損になる仕組みだった」
 硬直化した労働市場について山内康一やまうち・こういち)議員は話はじめた。

 「終身雇用が有利な社会は、ずっと働くという意味で、出産のある女性よりも男性に有利にできています。一度就職したあと、仕事が合わない場合もあるし、もっと違う職業にチャレンジしたい人もたくさんいると思います。だから年功序列はやめましょう。重要なのは年数ではなく、どれだけ会社に貢献できるスキルと能力があるかということ。能力ベースの人事の仕組みに変えていったほうがいい。労働市場の流動性を増していって、その代わりセイフティーネットをしっかりと張る。モデルで言うと北欧型ですね。北欧の国って、めちゃくちゃ簡単に人のクビを切りますから」

 北欧と日本では「守る」ことへの理解の仕方が異なっているために勘違いが生まれやすい。
 日本はクビを切らないこと、終身雇用によって正社員を守る代わりに、そこから脱出した人は荒野に放置し、あとは転落させるだけの冷酷さを保ってきた。

 一方で北欧の人々は、簡単にクビを切る冷酷さと同時に簡単に人を雇い入れる温かさを持ち、再就職を容易にすることで国民を守ってきた――容易にクビが切れなくては、雇い入れるためのポストも空かない。
 北欧の守られている人々は、失業しても人生に失望する必要はなく、失業給付をしっかり受け取り、職業訓練のあっせんを受けて次の職場へと移っていく。

 こうした労働力の入れ替えは、北欧諸国の競争力を高め、経済力の維持に貢献してきた。つまり日本に必要なのは、クビを切らない努力ではなく、切られた人をサポートし、よりよい職場へと早く返してあげること。一つの場所に留まって安泰を得られない代わりに、転落しても絶望することのない柔軟な社会をつくらなくてはいけない。

 「今の日本はGDP比で言うと、職業訓練にかけるお金が先進国のなかでも少なすぎる。その部分には今の3倍、4倍の予算をかけるべきです。なぜ職業訓練を国がやってこなかったかというと、企業が企業内訓練で若い社員を育ててきたから。だけど、これだけ若い世代で非正規雇用が増えると、企業の職業訓練に頼ることはできない。だからこれからは、国がやる。ただし、職業訓練は、役所がやるのではなく、職業訓練バウチャーを配ったりして、民間のトレーニングを使ってスキルアップするチャンスを提供していきたい」

 「それから、訓練を受けている間は、ある程度の手当を受けられるようにしてあげないといけません。そういう工夫をしておけば、労働力の不必要なところから必要なところへのシフトが容易になるので、企業の競争力が全般的に高まっていく。これまでの日本が何をやっていたかというと、つぶれかけた会社を無理やり続けさせようとしたり、必要のない人間を無理やり企業に抱え込ませることに補助金を出したりしてきた。それはもうやめましょう。その会社には必要ないけど、ほかの会社に必要な人っていっぱいいるわけですから」


   フラットな財源

 日本が立ち向かおうとしている最大の問題は、人口構造の変化です、と小川さんは話しはじめた。

 「社会保障をはじめとする日本のいろいろな制度って、人口構成がピラミッド型で、これから人口が増えていく時代に作られている。圧倒的に数の多い若い世代が少し保険料を納めれば、ごく限られた高齢者の医療も年金も大丈夫という時代に組み立てられた」

 ところが、人口構成はつぼ型に突入し、若い世代が高齢者を支えるという仕組みは成り立たない。

 「もう答えは一つしかなくて、全世代で、赤ん坊からお年寄りまで、薄く広く負担を分かち合う形で、最低限の年金と医療と介護を支えていく新しい形の社会保障制度を作り直すしかない。これはハッキリ言えば、消費税しかないわけです」

 小川さんは、この国に必要なのは、〝消費税を財源とした新しい社会保障制度を作り直しましょう〟と真剣に言い出せるリーダーだと言った。税金の徴収も、社会保障も、雇用文化も、すべてまっ平らにしてしまった上で、すべて個人単位のシステムに作り替える。世代間や業種間、雇用形態間の格差を取り除き、みんながそれぞれ平等に責任と権利を負わなければ、逆ピラミッドの時代は乗り切れない。


   それぞれの地域

 日本の成長期が終わった、という話を小川さんはまた繰り返した。

 「日本がこれまで中央集権でやってこられたのも、成長期だったからです。成長期は、みんなが欲していた時代だった。いつかはテレビ、冷蔵庫、自家用車というふうに、みんな同じものを欲しがっていた。地域も欲していた。いつかは橋、トンネル、高速道路、新幹線。そのときに求められたのは、できるだけ効率的かつスピーデイに、地域が欲しがるものを中央が分配すること」

 それをやった典型的なリーダーが田中角栄だった。

 「もう一つ、成長期に中央集権が成り立つ理由は、成長期には分け与えるエサがあるということ。中央集権というのは、中央政府には分配して余りある財源、資源があって、反対に地方はみんな飢えていて共通のものを欲しがっているという二つの条件の上に成り立つシステムだった」

 けれど成長期が終わったことで、この二つの条件は二つとも崩れた。中央政府には、地方へ分け与える資源、つまり運ぶエサがなくなってしまった。それをこの20年あまりは、毎年借金を積み重ねることで、あたかも過去と同じようにエサがあるかのように振る舞い、借金の額だけを膨らませてきた。その一方で、地方はもう以前のようには飢えることはなくなった。道路、高速道路、新幹線、空港、公民館も公共施設も体育館もあちこちにできた。そして必要でなくなったあとも、借金でせっせと作り続けた。

 「次に地域が欲しがっているものが何なのかと考えると、欲しいものが各地域によって異なっている可能性がある。ニーズが一様でなくなった。中央は、配って余りある資源があった時代からない時代に入り、地方は、飢えていて共通のものを欲しがった時代から、それぞれ欲しいものが異なっている時代になった。答えは一つしかない。中央集権ですべて中央から分配していた方法をやめて、できるだけ決定権と財源をそれぞれの地域に下ろすしかない。地方分権の本質は、もっと効率的に、もっと実情やニーズに合わせた形で、資源分配を最適化するということです」

 権限や財源が地方へ移る時代には、それぞれの地方にマネージメント能力を持ったより優秀な人材が求められる。

 「必死になって考えて、努力して、責任をもって行動する人が、それぞれの地域にいなければならない時代に入る。その代わり、成功すれば十分な報いがあるし、失敗をすれば責任を求められる。そういう環境を作るしか、坂道を下り始めたこの日本を、再び活気づかせる手段はない」


   柔らかいグラウンド

 「Big Government to Big Society」大きな政府から大きな市民社会へ。中央集権や全体主義的な国の在り方を変えていって、分権型の社会を作りたい、と山内さんは言った。

 山内さんは、政府がサポートできることは、教育、税制、基礎研究といった環境整備だけだと言った。つまり政府は、民間企業やNPOが力を一番発揮しやすい土壌だけ整備して、あとはなるべく手を加えない。

 「規制緩和ですね。規制がなくなった瞬間に新しい産業がわっと出てくるケースがたくさんある。携帯電話なんかもそうでしたが、ちょっとしたきっかけで爆発的に普及したりする。日本は、いろいろと余計な規制のせいでビジネスチャンスを摘み取られているケースが、先進国中では一番多いと言われています。そういうところは規制緩和するだけでいい。政府はカネを出さなくていいし、余計な口も出さなくていい。いらない産業は消えていくしかないし、そのときに、人やお金がほかの産業へ簡単に移る仕組みがあれば、それでいい」

 規制緩和や税制改革によって作りだされるチャンスを見つけ、そこに種をまき、それぞれが自分で育てていく時代。あらゆる可能性の芽を伸ばし、個人がチャンスを生かし責任を負う社会。その環境整備こそが、政治家に求められている最大の仕事だと小川さんは言った。

 「頑張ったって報われないようではだれもやらない。だから環境を整備して、可能性や努力の芽を存分に開かせたい。失敗したときには本人が責任を負うけれど、命までは奪わない。クッションを敷き詰めた柔らかいグラウンドで、思いっきり飛んだり跳ねたりしてもらうようなイメージです。60年代に組み立てられた社会保障や税制の仕組みを21世紀に堪えられるものにきちんと置き換えることができれば、必ずその道は広がっていくはずです」



以上

 
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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