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「英国一家、日本を食べる」★★★★★

「英国一家、日本を食べる」★★★★★
「英国一家、日本を食べる」「英国一家、日本を食べる」★★★★★ 札幌の二条市場にて



 
 『英国一家、日本を食べる』 マイケル・ブース (亜紀書房) 1995円 ★★★★★


 著者はイギリス人。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。パリの有名料理学校で1年間修行し、ミシェランの星を獲得したレストランを食べまくり、ベストラー本を出したこともある。

 奥さんと6歳と4歳の男の子2人、家族4人の食べ歩き珍道中でもある。家族は、ある年の8月下旬成田に降り立ち、100日間にわたって、東京、横浜、札幌、京都、大阪、福岡、沖縄、東京と食べ歩いた。

 料理に関して言えば、最後に、服部栄養専門学校の服部幸應ゆきお)さんが著者らを招待した銀座「壬生みぶ)」での体験が最高のものであろう。抜粋して引用してみる。
     
    ***          ***          ***

 そこまでの料理でさえ、僕にはどれも魅力的で、美味で、さまざまなことに気づかせてもらったが、次の料理に至っては、もうすべてを超越してしまうほどすごかった。それは、黄色い菊の花びらを散らしただし汁のなかに入ったハモだった。

 ふわっと湯気の立つだし汁をひと口すすってみると、……喜びで本当に体が震えた

 「どうですか。あなたに、どうしても本物のだしを味わってほしかったんですよ」服部氏はそう言った。
 「これが日本で一番のだしですよ。普通、料理屋では午前中にだしを準備しておくものですが、ここでは、そのとき、そのときにだしを取ります。鰹節も、直前に削るのです。だしの香りはすぐに消えてしまうので、普通の店ではほんのかすかに香りが感じられるだけですが、このだしには存分に風味が詰まっています」
 
 喜びで体が震えてしまったのは僕にも予想外で、最後には、身体中の毛という毛が逆立った。まるで、僕自身も知らない味覚受容体が身体のなかにあって、おいしいものを口にすると喜びとして感じ取ることを料理長が知っていたみたいだ。……このだし汁を味わえるなら、すべてを差し出してもいい


 壬生のおかみさんの言葉もすごい。
 
「うちのお客様は、芸術家のパトロンみたいなものですよ」
「うちの料理は、お金を出せば食べられるというものではないのよ。神様がこの機会を楽しむ時間を与えてくださっても、能力がなければ楽しめないのよ。能力はお金では買えませんよね」

 玄関で、僕はおかみさんに石田氏(料理長)の年齢を尋ねた。
 「65です」と、彼女は答えた。
 「ええっ、では、まだまだ何年も料理をつくれますね」僕はそう言った。
 「いいえ」「あの人は、料理で命を縮めています」

    
    ***         ***          ***


 高い料理ばかりではない。相撲部屋のちゃんこ、新横浜や札幌、博多のラーメン、京都の鯖鮨、大阪のお好み焼き、たこ焼き、串かつなどにもチャレンジしている。

 子ども2人が大阪のBOW WOW(現在閉店、犬カフェのようなものか?)にはまり、都合3回訪れることになったなど、珍道中の模様も面白い。


 鰹節や昆布などでとっただし味噌醤油日本酒など、世界に誇るべき本物の食材を、多少値段が高くても、守り続けていかねばならないと思った。


以上

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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