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2014年の世界経済スケッチ

2014年の世界経済 朝日14年1月24日




 2014年の世界経済スケッチ


 世界はいよいよ混沌としている。リーマン・ショック、続く欧州財務危機欧米は沈んだ。代わって、BRICSを代表とする新興国が台頭してきたが、最近ではそれも怪しくなってきた。世界中で貧富の格差は拡大している。特に、若者の失業率は高く、雇用は不安定である。。日本は1990年代初期のバブル崩壊から抜け出せていない。国と地方の借金は1100兆円になろうとしている。少子高齢化はいよいよ深刻である。

 朝日新聞14年1月24日オピニオン欄に世界的投資家のジョージ・ソロス氏が意見(ラフ・スケッチ)を寄せている。抜粋してご紹介します。



  中国の動きが世界を揺るがす


 25年間の経済停滞を経た日本は、未曾有の量的緩和政策で経済を再び活性化させようと試みている。それはリスクのある実験である。成長が加速すれば金利がはね上がり、債務の元利償還ができなくなるかもしれない。だが安倍晋三首相は日本の緩やかな死よりもリスクをとることを選んだ。

 
 欧州連合(EU)は長期低迷に向かっている。債権国と債務国との永続的な分断という欠陥をただす方策を、ドイツのメルケル首相はとろうとしていない。ドイツの納税者は、欧州の借金国に気前よくお金を提供するのはごめんだと、心に決めているからだ。

 第一次世界大戦後、フランスがドイツに執拗に賠償を求めた結果ヒトラーが台頭した。メルケル首相の政策は、欧州のほかの国々で(極右などの)過激な動きを引き起こしている。


 米国は先進国最強の経済国となった。シェールガスは製造業に競争力を与え、銀行、住宅部門での債務削減が進んだ。資産価格が上がり、住宅、失業、財政問題も改善した。

 米国政治の分極化も終わりを迎えた。共和党の「ティーパーティ(茶会)」はやりすぎた。政府閉鎖という大失態以降、共和党主流派が勢力を回復しており、これは二大政党制の復活につながる動きだろう。


 現代世界が直面する大きな不安は、ユーロではなく、中国の将来の方向だ。

 急速な台頭に寄与してきた成長モデルはもはや力を失った。輸出と投資に力を入れた結果、家計部門はいまやGDPの35%に縮小し、その貯蓄は現行の成長モデルの財源として足りなくなった。様々な資金調達の急増は、(リーマン・ショックによる)2008年の暴落に先立つ数年間、米国に広がった金融状況と不気味に似ている。

 だが重要な違いがある。米国では金融市場が政治を支配しがちだが、中国では国家が銀行と経済の大部分を所有し、共産党が国有企業を管理する点だ。

 危機に気づいた中国人民銀行(中央銀行)は12年から債務増加を抑えたが、経済への影響が表れると共産党が前に出た。13年7月、党指導部は鉄鋼業界に溶鉱炉の再稼働を指示し、人民銀行に金融緩和を命じた。

 構造改革よりも経済成長を優先した中国指導部の選択は正しかった。構造改革を財政緊縮とともに実施すれば、経済はデフレに陥って急落する。しかし最近の政策には自己矛盾がある。溶鉱炉の再稼働は急速な債務増加に再び火をつける。こうした状況を2~3年以上続けることは不可能である。

 この矛盾を、いつ、どのようにして解決するかは中国と世界に重大な影響を及ぼすだろう。中国が首尾よくこの局面を抜けるためには、おそらく政治と経済の改革が必要になる。もし失敗すれば、中国の政治指導部への信頼が損なわれ、その結果、国内での抑圧と国外での軍事対立が生まれるかもしれない。


 世界的な統治(グローバル・ガバナンス)の不在も未解決の大きな問題だ。国連での合意欠如はシリアなどでの人道的惨事を悪化させ、地球温暖化を阻止できないままでいる。ただ、今後数年で山場を迎えるだろう中国の難問とは異なって、グローバル・ガバナンスの不在は果てしなく続くかもしれない。


以上

 
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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