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アメリカの持病―モンロー主義

アメリカの持病―モンロー主義 週刊新潮14年3月27日号
アメリカの持病―モンロー主義 香東川の桜
アメリカの持病―モンロー主義 創価学会池田会館の桜
 
 強い風が吹くと花びらが散り始めた。桜吹雪もいいものです。桜の花びらが水面に浮かぶ皇居のお堀端は最高です。




 アメリカの持病―モンロー主義


 世界は新帝国主義の時代に入っている。週刊新潮14年3月27日号、藤原正彦さんの「管見妄語」欄、「アメリカの持病」を抜粋してご紹介します。


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 昨年、ヘーゲル米国防長官はオバマ大統領の「アジア回帰」戦略にのっとり、2020年までに米海軍艦艇の6割をアジア太平洋地域に集中させると言明した。

 中国がここ20年余りほぼ途切れることなく毎年、10%以上の割合で軍事予算を増やしているからだ。東南アジアの人々にとって久しぶりに聞くアメリカからの朗報だった。中国が南シナ海や東シナ海で傍若無人の振舞いをしているからだ。

 ところがオバマ政権は終始、「尖閣諸島や南シナ海での領有権紛争にアメリカは関与しない。当事国が話し合いで平和的に解決すべきだ」とキレイゴトを言い続けてきた。

 それだけではない。オバマ政権は今後10年間で1兆ドル(百兆円)の軍事予算を削減しようとしている。毎年、今より10兆円ずつ減らす勘定だ。2割減となる。アジア太平洋地域に回されるものを全体の5割から6割に増やすと言っても、全体が8割に減るのだから結局は現在より減らされてしまう。

 アジア回帰などというのはまやかしであり、オバマ大統領得意の「高く掲げた松明(たいまつ)」にすぎない。内政に四苦八苦で海外に目を向ける余裕すらない。

 だから昨年8月にシリアへの懲罰爆撃を言明しながら何もせず、9月にはプーチン大統領の提案を受諾するという外交上の敗北を喫した。その際、言い訳がましく「アメリカは世界の警察ではない」と言った。

 10月にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議と東アジアサミットを、米政府機関の一時封鎖にてんやわんやで急遽欠席した。習主席の出席でアジアの盟主を狙う中国のプレゼンスがさらに高まった。すかさず11月には中国が、尖閣諸島を含む海域に「防空識別圏」を設定した。


 巻き込まれたくないとの思いしかないアメリカの及び腰を見越してプーチン大統領は、3月初めにクリミア出兵という乱暴に出た。

 同じ頃、慰安婦問題をめぐる河野談話に客観的裏付けはなかったという当時の官房副長官の国会証言を受け、安倍政権は河野談話の検証を決めた。アメリカは直ちに「強い懸念」を表明した。真理の究明に強い懸念を示すとは前代未聞の珍事だ。

 あさましい国ばかりの世界に警察は不可欠で、務められるのはアメリカしかいないのに、当の本人がその責任を自覚していないから世界の無法化が進んでいる。

 時折モンロー主義(不干渉主義すなわちひきこもり)に陥るというのはアメリカの持病だ。これが第一次や第二次大戦の誘因ともなった。アメリカの変節による世界の激変を前に、日本も相応の覚悟が必要となろう。


以上

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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