漫画 「いちえふ」★★★★★




漫画 「いちえふ」★★★★★
この漫画の帯にこうある。「福島第一原子力発電所労働記」「これは『フクシマの真実』を暴く漫画ではない」「これが彼がその目で見てきた『福島の現実』」。
正直、原発にある種の思いがあってその立場からの論評には辟易している。それはそれで大事なことだが、実際にいちえふ(東京電力福島第一原子力発電所)の原発事故収束作業(廃炉と除染)も非常に重要である。問題は放射線。現場作業にあたっているのは、地元の人たちが多い。漫画の中の表現では「起きちまったもんは恨んだって怒ったって元には戻んね。出来る事やっていぐしかねぇ」と、日々淡々と行われていることを知りたかった。それには漫画という表現が最適であることをあらためて知った。
この漫画は講談社の漫画週刊誌「モーニング」に掲載されているが、世界中から大変な反響があるようである。うなずける。第②巻は今秋発売予定である。楽しみである。
それにしても、これからまた暑い夏。全面マスク、防護服で固めた作業は地獄であろう。せめて6次~7次下請けなどの多層下請け構造は何とかならないものか。できるだけ下請け構造を薄くして、現場作業員の苦労に報いてほしい。
以上