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自然分娩が贈るプレゼント

自然分娩が贈るプレゼント AERA14年6月23日号
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 自然分娩が贈るプレゼント

 私は、歴史学者の磯田 道史みちふみ)さんと分子生物学者の福岡 伸一さん2名の若い学者が書いたものを放っておけない。目にしたら、たいてい読む。その福岡 伸一さんがAERAにコラムを書いていた。抜粋してご紹介します。


 帝王切開と腸内細菌の関係
 自然分娩が贈るプレゼント

 私が生活しているのはニューヨークのアッパーイーストサイド。ファミリー向けのエリアである。舗道を歩くとよくダブルデッカーのベビーカーと遭遇する。ちょこんと並んで座っているのは性別の違う金髪白人の赤ちゃん。押しているのはスパニッシュのおばさん。

 共働き。それぞれキャリアを積むためにがんばってきたが、そろそろ子づくりの限界年齢に達し、あれこれ手を尽くして二卵性双生児を得るも、すぐに職場復帰、子どもの世話や家事全般、場合によっては犬の散歩までも、ナニー(乳母:うば)やシッターをフル稼働することになる……。

 人工的な手法で排卵を促進すると多胎になりやすく、多くの場合、減数が必要となる。仕事との兼ね合いで計画的に出産しようとすれば、帝王切開が選択されがちとなる。

 今や米国では3人に1人の割合で帝王切開によって赤ちゃんが生まれている(日本でも増加傾向にあり5人に1人)。


 自然な経膣分娩ではなく、帝王切開で生まれてくることについて、何らかの生物学的な問題はないだろうか。あるデータに注目している。

 もともと親にアレルギー体質がある場合、帝王切開によって生まれた子どもの方が、正常分娩で生まれた子どもに比べ、食品アレルギーのリスクが7倍高かった(ノルウェーの調査)。なぜか。

 どうやら腸内細菌コロニーの形成と関係があるようだ。産道を通過する際、赤ちゃんはそこにいる雑菌――乳酸菌やビフィズス菌など――をいやおうなく受け取る。これが赤ちゃんの腸内細菌の種となる。

 安定した腸内細菌がすばやく定着することは、外的環境から身を守るだけでなく、自身の免疫系を調整するうえでも重要な役割を果たしている。

 お母さんの産道にいる細菌は、母親以外に赤ちゃんが出会う最初の他者であり、それは実は、母親からの大切なプレゼントでもあったのだ。


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 次は、日経新聞14年5月18日『寄生虫なき病』(モイセズ・ベラスケス=マノフ著、文藝春秋)の書評(総合研究大学院大学教授 長谷川 眞理子さん)から抜粋してご紹介します。


 清潔を是とする文明への警告

 最近、なぜ、自己免疫疾患やアレルギー疾患が多いのか?この種の病気は、侵入者を駆逐するためにあるはずの免疫系が、自分自身を攻撃したり、本来は無害であるはずの物質をむやみに攻撃するようになったりすることで生じる。喘息花粉症などの病気は、確かに昔よりも増加している。

 その原因が、寄生虫の撲滅をはじめとする「清潔」な暮らしにあるという説自体は、もはやかなり広く知られているに違いない。

 人間は本来、清潔な工場で生産される機械のようなものではない。他のあらゆる生物、あらゆる細菌類、ウィルス、寄生虫などと一緒になって、持ちつ持たれつ、騙し騙されつつ、共生関係を築きながら進化してきた。人体は巨大な生態系なのだ。

 人体は、熱帯のジャングルにも匹敵する複雑な生態系なのだが、そのことを理解しないうちに、医学は伝染病と寄生虫の撲滅に邁進した。そして、どれほど無頓着に抗生物質を使い、清潔であることを文明の是としてきたことか。しかし、不潔な生活には戻れないし、さあ、どうしよう?


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(感想・意見など)

 私が知っている限り、上記のような説を早くから唱えていたのが、東京医科歯科大学名誉教授の藤田 紘一郎さんである。寄生虫学者、免疫学者である。

 花粉症の原因を寄生虫を撲滅し過ぎたためと主張していた。『笑うカイチュウ』などの著作がある。自らも15年間6代にわたり自分の腸内でサナダムシを飼っていた(確かサナダムシに○○ちゃんと名前をつけていた)。

 近頃は『腸が寿命を決めている』などを著わし、腸や腸内細菌の重要性を説いている。


以上

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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