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日本も捨てたものではない

日本も捨てたものではない 月刊WILL14年10月号
日本も捨てたものではない




 日本も捨てたものではない


 朝日新聞に言わせると日本はロクでもない「報われぬ国」らしいが、世界の約200の国・地域、70余億人の様子、歴史を眺めてみると、私は「日本もそれほど捨てたものではない」と思っている。

 もともと私のこころざしが低すぎるのかもしれない。若いとき家族5人の内3人が病気だったからか、私および家族、周りの人が健康でご飯が食べられ、人さまに余り迷惑をかけなければ85点と思っている。こころざしが高過ぎる人ははた迷惑なことが多い。その周辺には死屍累々。

 月刊WILL10月号に日下 公人くさか・きみんど)さんが日本および世界を歴史を含めて俯瞰する一文を寄せている。抜粋してご紹介します。


 
 繁栄のヒント
 強欲(グリード)より消費主導経済を


 産業革命を礼賛する人が多いが、経済を消費のほうから見ると、それは王朝文化が広く一般に普及することだった。

 それが3百年続いて一段落したのが現代で、人々は「欲しいものがない」と言い始めた。すると日本人は、「取りあえず貯金をしよう」という。

 その日本の貯金を集めてファンドを作って運用で儲けようとするのは国際金融関係者で、その人たちは金儲けが目的で、「消費の喜び」や「文化を創造していい生活を実現しよう」という気持ちがないから、グリード(強欲)資本主義という名前がついた。
 それから、新自由主義という名前もついた。

 もっと自由に商売させろ、の主張だが、結果は惨憺たるもので、その先進国であるアメリカでは中流階級がほとんど壊滅した。その結果、いまは上流階級の一番下に座布団にもならない薄い中流層があって、あとは下流になった。

 同時に、アメリカの自慢だったフリー、フェア、フレンドリーの精神が消え、犯罪が増えた。

 強欲を推進するため、上流階級は「自己責任」と「契約の自由」を説き、「相互扶助」や「思いやり」精神は下に置いたので、弁護士だらけの社会が到来した。
 弁護士も強欲だから、アメリカで暮らすのはコストがかかる。いろいろ保険代もかかる。


 国際金融の業者はこれからはグローバル資本主義の時代で、自分たちは世界を知っている専門家だから悪いようにはしないと宣伝したが、結局は大失敗で、そのうえ失敗を政府に助けてもらったから、いまは「自由の国」とは言えなくなった。

 その後は政府からの規制を甘受しているから経済も人生も政府依存になり、とうとうマスコミや学者までが日本国家と日本型経済を見直し始めた。

 
 ビル・ゲイツは軽井沢に別荘を買って、日本の住み心地を絶賛している。自家用ジェット機で日本へ来て、自家用ヘリコプターで軽井沢へ行く。日本は貧富の差が少ないので、ガ-ドマンに警備されたゲーティド・タウンでなく、どこでも大衆に溶け込んで暮らせるのを喜んでいる。

 彼がシアトルの湖畔に大豪邸を建てた時、奥さんは「こんな家、私はいりません。あなた一人でパーティでもしてなさい」と言ったというのが思い出される。

 カネができると、人はカネでは買えない生活の質の向上を求めて「クオリティ・オブ・ライフ」を誰か開発してくれと叫ぶようになるが、それは何千億円かけてもすぐにはできないことである。

 だが、日本はできる。すでにかなりやっている。それが見えないのは、経済を生産の面から見る産業革命礼賛の経済学でいい点を取って今日の地位を得た人で、それは古い。
 いまは経済発展は生産革命からではなく、消費革命からやってくる。


 中央銀行がお金をばらまいてもファンドの運用に失敗して穴をあけた業者の、いわば不良債権償却の先延ばし資金に使われるだけでは、経済は再生しない。

 新興国の大統領は「国民よ、働け」と言い始めた。だが、もっと根本にあるのは消費の魅力を開発する活動で、この二百年間はその代用品として戦争による新消費の開発が行われた。

 だが、いまの日本は戦争ではなく、消費の魅力の開発で世界のトップを走っている。文化の創造こそが日本の成長戦略である。
 
 日本は和食の素晴らしさを教え、東京ファッションを広め、上品で風雅な自動車やテレビや住宅や安心して眠れる都市を実現している。

 その推進者は誰だったのだろう。


以上

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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