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21世紀の資本論が問うもの

21世紀の資本論が問うもの 徳島14年9月19日
21世紀の資本論が問うもの くら寿司
21世紀の資本論が問うもの 月に2・3度行く
21世紀の資本論が問うもの
 食べ過ぎるので、10皿程度と決めている。





 21世紀の資本論が問うもの


 激動の時代である。2008年のリーマン・ショック以降先進諸国は低成長にあえいでいる。中国の高度成長は終わった。資本はあり余っているが、なかなか有望な投資先が見当たらない。投資先が危ういとなれば資本は一瞬で引き揚げる。あとは焼け野原。そこには残された人間がいる。資本に国境はない。しかし、人間はそうはいかない。現在、ロシア、ウクライナ、パレスチナ、シリア、イラク、チベット、ウィグルなど世界各地で紛争が頻発している。

 「21世紀の資本論」という本が欧米でベストセラーになっている。著者のトマ・ピケティ氏はフランスの若い経済学者。日本語訳はまだ出版されていない。しかし、日本経済新聞、週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済、週刊エコノミストなどの経済紙誌はこぞって特集記事を掲載している。

 現在、世界各地で経済格差が広がっている。中国、東欧諸国、アジア諸国の勃興もあり、先進諸国の中間層が崩壊しかかっている。1%と99%に分裂しかねない。放置すれば世界各地で紛争がますます頻発する。ピケティ氏は、先進諸国の富の配分について歴史的変遷をたどっている。そして、グローバルな格差是正の処方箋を提唱している。

 
 徳島新聞14年9月19日「ニッポン診断」欄、元経産省官僚・評論家の中野 剛志たけし)さんのコラムを抜粋してご紹介します。


 格差是正へ累進課税を


 「21世紀の資本論」の中でピケティ氏は、英米仏日など先進諸国の富の配分について歴史的な変遷をたどっている。

 19世紀から第一次世界大戦まで、富は資本家に有利に、労働者には不利な形で配分され、所得格差は拡大し続けた

 しかし第一次大戦のころから1970年代初頭までの約60年間は、先進諸国において格差が劇的に縮小した。なぜか

 まず二つの世界大戦によって、富裕層が保有する資本が物理的に破壊された。また、戦費を調達するために、相続税や累進的な所得税が導入された。インフレにより債務者の負担が軽減された。世界恐慌期には、労使協調的なニューディール政策が実行された。

 戦後は、労働組合の力が強まり、労働者に有利な政策がとられるようになった。

 その結果、先進諸国は、格差を大幅に縮小させた。記録的に高い経済成長率をも達成した。


 ところが、70年代後半から所得格差は再び拡大を始め、経済成長率も低調となった。 富裕層や大企業に対する減税など、資本家により有利となるような政策がとられたからであった。特に、英米においては、21世紀初頭における富の偏在は100年前に近い水準となった。

 欧州大陸諸国や日本も英米ほどではないが、90年代以降、格差が拡大し始めている。過去200年間を総じて見るならば、資本主義は基本的に、富の格差を拡大させ続ける傾向にあった

 第一次大戦からの約60年間は格差が縮小したが、それは、例外的な現象とみなすべきものだ。


 こうした歴史的なデータに基づき。ピケティ氏は、投資で得られる利益の成長率である資本収益率は経済成長率を常に上回り続けるという仮説を提唱した。この仮説が正しいならば、自由な資本市場は格差を拡大させ続けるということになる。それが、欧米人たちに大きなショックを与えた。

 ピケティ氏は、格差是正のため、資本と所得に対する累進課税を提唱する。しかし、資本はグローバル化によって、容易に国境を超えて移動する。そこでピケティ氏は、グローバルな累進資本課税が必要だと言う


 日本では、増税すれば低所得者ほど負担率が大きくなる逆進的な消費税の税率を上げる一方で、法人税は累進性を高めるどころか、実効税率を引き下げて海外資本を国内に呼び込むという議論が主流である。それはピケティ氏の主張に真っ向から反するものなのだ。


以上

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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