英国出産事情



英国出産事情
四国新聞10月17日「おしゃべり地球カフェ」欄、高松市出身でフリーライターのウァーサイム直子さんのコラムを抜粋してご紹介します。
さっさと産み、帰ること
地獄の育児強化合宿
キャサリン妃が第2子をご懐妊されたというグローバルなニュースの陰で、私事ではありますがロンドンで第2子を出産しました。今回は英国の出産事情を紹介します。
英国にはNHS(ナショナルヘルスサービス)という医療制度があり、医療費は税金で賄われ、基本的に無料です。しかし、人員・予算の削減でNHS制度は疲弊しています。陣痛が来てもぎりぎりまで病院に行けず、通常、出産後6時間から24時間で退院します。
過酷にも思えますが、早々に退院した方が幸せなのです。私は今回3日間入院しましたが、それはまさに地獄の育児強化合宿。新生児室はなく、赤ちゃんは自分のベッドの隣に置かれます。産んですぐ自力でシャワーを浴び、支給のトーストを食べたら、授乳、おむつ替え、めくるめく新生児育児の始まりです。
夜間は付き添いが許されず、消灯した冷房のない6人部屋で、妊婦さんの陣痛にうめく声、ほかの新生児の泣き声などを聞きながら、汗をかきかき1人で頑張りました。ナースコールを押してもやってくる確率は低く、病院食は電子レンジで温めただけのものです。
とはいえ、分娩に関しては決して悪くないというのが率直な感想です。出産方法を無料で選べ、妊婦の意思を尊重してくれます。その分、妊婦が主体的にかかわらないと長所を生かせません。初産は病院側におんぶに抱っこで大難産でしたが、第2子は自分の体質や状況を考えて、途中で無痛分娩に切り替え、納得のいくお産ができました。
NHSの対極が、全額自己負担のプライベート医療システムです。高額ですが、手厚い看護を受けられ、セレブリティーと呼ばれる人たちが利用します。費用は妊娠・出産あわせて300万から400万円ほど。
その中間がないのは階級社会ゆえでしょうか。お財布にも社会にも自分にも優しい英国出産の極意は、NHSでさっさと産んでさっさと帰る、これにつきます。
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英ウィリアム王子の妻キャサリン妃といえば、ニューズウィーク日本版10月14日号に以下のような記事が載っていた。抜粋してご紹介します。
キャサリン妃に集まるのは羨望より憐れみ?
本誌が英国民3000人を対象に行った最近の調査によると、キャサリン妃が国民の憧れと人気を一身に集めているとは言い難い実態が見えてきた。女性の回答者で「キャサリン妃になってみたい」と答えたのはたった1%。彼女と結婚してみたいという男性も6%にすぎなかった。
調査ではキャサリン妃の体が彼女自身のものだと答えた人はたった36%、22%は「公共物」だと明言した。
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