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移民開国は慎重に

移民開国は慎重に 毎日14年11月2日
移民開国は慎重に 深まりゆく秋
移民開国は慎重に 元気に高鳴きするモズ
 
 (涼しくなり、蚊も少なくなり、天気もよいので、落ち葉が大量に散る前に少しづつ庭木の剪定をしている。普段使わない筋肉を使うため筋肉痛です)




 移民開国は慎重に


 人手不足を補うため外国人の雇用拡大を目指しているが、新興国への技術移転を目的とした「外国人技能実習制度」内外から批判が集まっている。

 来日間もなくパスポートを取り上げたり、実習生の行動を大幅に制限したり、長時間労働を課し実質賃金は最低賃金を大幅に下回っていたり、制度の主旨に違反している企業は約8割に及ぶという。

 アメリカ国務省はこの制度を「搾取的」と批判し、日本弁護士連合会も人権問題の観点からこの制度は廃止すべきと主張している。

 恐らく、日本の瀬戸際にある中小零細企業からの切実な声と、新興国からの要望に基づいて出来た制度だと思われるが、「技能の研修」などほとんどなく、単なる「安価な労働」の隠れ蓑になっているのが実態なら、廃止すべきである。企業にしても、非人道的な処遇をしなければ存続できないのであれば、残念ながら、潰れてもやむを得ない。


 毎日新聞14年11月2日「時代の風」欄に元世界銀行副総裁の西水 美恵子さんが移民開国について示唆に富むコラムを寄せている。抜粋してご紹介します。


 移民開国というパンドラの箱
 文化共有する覚悟を


 人口減少の局面を迎えたからか。それとも産業界が外国人労働者の受け入れを強く要望するからか。「移民開国」を経済活性化の一策と見る論を、頻繁に耳にするようになった。

 人類の歴史は移民の歴史。この世に単一民族国家は存在しない。が、今日のわが国はそれにごく近く、同一民族と見なされる大和民族が、人口の95%以上を占める。そのような国は、南北の朝鮮と、アイスランド、アイルランド、アルバニア、ポーランド、ポルトガル、南太平洋に散らばるポリネシア系民族の島国数カ国のみらしい。

 民族移動の波は、古来、日本列島にも到達してきた。大和民族とは、長い歴史の時を経て文化が同一化した結果だと聞く。今日の大和民族は、多民族国家の苦難を肌で知らない。私は、それが怖い。

 
 私ごと、長年移民の国米国に住み、世界銀行業務の現場である途上国も全て多民族国家だった。紛争さえ引き起こす人種差別民族戦争など、社会経済の発展を脅かす不安定が当たり前の環境。それが生活の場であり、仕事の場でもあった。

 米国は、多民族のモザイクと呼ぶほうが似合う。学生時代には、外国人に優しい国だと信じて疑わなかった。が、プリンストン大学に就職した際必要になった永住権手続きで、目が覚めた

 移民局はパワハラ常習者が勢ぞろいだった。虐待的な言動を見るに見かねて、言葉を選んで注意したら、「米国民から仕事を奪うやつが生意気を言うな!」と怒鳴られた。

 当時は法的に優先され、大学がスポンサーについた助教授でもそうだったから、一般労働者が受ける仕打ちは想像を絶した。手続きを共にした同僚の英国人助教授は「移民局の組織文化は米国の鳥瞰図」と嘆き、早々と母国に帰ってしまった。

 永住権取得から足掛け40年。昨年、出張帰りの入国審査では、「市民権をとらないのか」とまで聞かれた。「ハートの問題、星条旗に忠誠を誓うとうそになる」と答えた。深くうなずいて「市民になってほしい人だ」と笑った審査官が、移民大国の病根をずばり言い当てた

 「違法合法に関わらず増えるのは、金稼ぎ移民だけだ。経済移民は、帰化しても祖国への忠誠を変えない。ユダヤ系市民はもとより、高額所得者層の大半を占めるパキスタンやインド系市民も、外交政策を祖国のために操る。彼らはいつかこの国をだめにする

 そのパキスタンやインドをはじめ、仕事上付き合いの長かった南アジア諸国の指導者らは「多様なルーツの民族が今はひとつにまとまったミエコの国が羨ましい」と、よく言っていた。大英帝国から独立を勝ち取ったと思いきや、民族間の紛争や少数民族独立活動が台頭し、いまだ平和を知らない国も少なくない。

 彼らは、単一文化でも複数でも、その文化を皆で共有する社会に属するという安堵感は、一国の民たる自己認識の核だと、主張する。「移民政策は国家への帰属意識を左右し、間違えば国体維持さえも脅かす」と、口をそろえていた。


 母国に住んだのはわずか17年。全人類を職員1万人に縮小したような世銀に勤め、その上、選んだ連れ合いは英国人。なのに、いつまでたっても日本人なのだろう。「あうん」の意思疎通を不思議とも思わない同胞が恋しくて、居たたまれなくなることがある。文化を共有する安堵は、失ってみないと分からない

 パンドラの箱は開いた。残る希望は、大和民族がたどった同一化の道そのものであろう。異国の文化を吸収しつつ豊かに変わりゆく日本文化を共有する国を、意図して作る覚悟が要る。この覚悟を国策として世界に開く日本なら、憧れて帰化を望む外国人も増え、わが国を大いに潤すはずだ。


以上


プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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