『白鶴ノ紅』

居眠り磐音シリーズ第48巻

居眠り磐音シリーズ第1巻

産経15年2月3日 〝ナッツ・リターン姫〟

朝日14年10月7日 何を考えているんだか?

週刊文春15年2月12日号

朝日15年2月10日

〝性産業〟の好きな人もいる。ギャル→慶応大→東大院(この間、キャバ嬢、AV嬢)
→日経新聞記者→文筆業。父親は高名な大学教授。

元東スポ記者?〝性の伝道師〟を目指しているとか。
(彼女たちは誰かに迷惑をかけているわけではない。したいことをしているだけ)
居眠り磐音(いわね) 江戸双紙シリーズ第48巻
『白鶴ノ紅(はっかくのくれない)』
佐伯泰秀(さえき・やすひで)さんの恐らく代表作である。50巻で完結予定らしいので間もなく完結する。佐伯さんの作品の中でも最も女性ファンが多いらしい。私もこのシリーズが好きである。
私は、佐伯さんの他のシリーズもほとんど読んでいると思うが、この居眠り磐音シリーズも1巻目から読んできた。正直、中だるみのときもあったが、この第48巻はよくできている。
時代小説を読んでいると、家族が病気になったり、没落した時、家のため、弟妹のために、娘が身を売る話がよくでてくる(注)。この居眠り磐音シリーズでも、主人公の坂崎 磐音のいいなずけであった小林 奈緒が、父親の病にかかる金子を工面するために苦界(くがい)に身を沈め、2人は別々の道を歩むことになった。この巻は、ある意味、その奈緒の復活の物語である。懸命に生きてきた奈緒を、それを知る周りの人たちが支えて、感動的である。
奈緒のような立場の人は、我欲を捨てざるを得ない。自分のことは後回しにして、色々なことを諦め、家族のため、だれよりも己を律して、仕事に打ち込み、狭い途を賢明に一生懸命歩まざるをえない。我欲を通したり、やけを起こしたり、曲がったり、自分が病気になったりしたら、家族は全滅である。仕事に懸命に打ち込むことが救いであったりする。仕事をしている間は嫌なことを忘れられる。
慰安婦の中には、身を苦界に沈めながら、稼ぎの中から家族に送金していた人が多くいたという。
一方、最近のニュースをみていると、家族に特に問題もなく、親も高学歴、高収入で物分かりが良く、何をしても許される人たちが、色々問題を起こしている。可能性がありすぎて、自由があり過ぎて、我欲を持て余している。常に、自分、自分、自分…である。自分が恵まれていることに気づいていない。相手の立場にたって物事を観るということをしない。ある意味、あわれ。
苦難に耐えて曲がらなかった前者のほうが、圧倒的に魅力がある。
(注)当時の江戸でさえ、娘の働き場が少なかったうえに、住み込みの女中で年間手当てが3両(1両=10万円とすると30万円)が相場であった。ある程度まとまったお金が入り用な場合にはどうしてもこういうことになる。男の場合はどうしたのだろう?
以上