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イギリスの打算と頬被り

イギリスの打算と頬被り
 週刊新潮15年11月5日号
イギリスの打算と頬被り
 愛媛15年10月23日
 400億ポンド(7兆4千億円)の威力!
イギリスの打算と頬被り
 讀賣15年10月24日
 イギリスの融通無碍、臆面のなさ、したたかさには驚くほかない。
イギリスの打算と頬被り
 産経15年10月25日
 (我慢、我慢…すべては400億ポンドのため…。それにしても眠たい…)
イギリスの打算と頬被り
 毎日13年12月1日
 朝日・岩波文化人らから嫌というほど「民主主義の先進国ではすべての情報は公開され…、それに比べて日本は…」と聞かされてきたが、嘘八百。そんなやわな国ではない。
イギリスの打算と頬被り
 初冬の紫雲山
イギリスの打算と頬被り
 初冬の香川県立図書館の裏庭





 イギリスの打算と頬被り


 過去何十年と、朝日・岩波文化人らから先進民主主義国に比べいかに日本が遅れているか、野蛮であるかを聞かされてきた。確かに、イギリスのしたたかさと冷酷さと面の皮の厚さと宣伝上手には敵わない。なぜあんなに小さな国が、人口数千万人の国が、何世紀も世界を手玉にとれたのか。朝日・岩波文化人らの言ってきたことは嘘八百。

 週刊新潮11月5日号藤原 正彦さんの「管見妄語」がその一端を教えてくれる。若干編集して、ご紹介します。


 打算と頬被り


 イギリスにいる次男からスカイプが入った。「BBCワールドで面白いニュースをやっていたから今から送るよ」。早速その場で6分間ほどの特番ニュースを一緒に視聴した。キャメロン英首相のジャマイカ訪問に関するものであった。

 ジャマイカを初めカリブ海諸国はここ十年余り、主にイギリスによる16世紀から18世紀の奴隷貿易に対し、謝罪と賠償を求めてきた。イギリスは西アフリカの地で1千万人以上の人々を無理やり奴隷船に乗せ、アメリカやカリブ海の島々で砂糖キビ農園の労働者として劣悪な環境で酷使した。儲けのほとんどは農園所有者であるイギリス人のものとなった。

 先の9月29日、英首相は英連邦の一員ジャマイカに降り立った。ジャマイカ首相との会談で早速に謝罪と賠償を求められた。話をすりかえるというイギリスの伝統方式に従い、「何世紀も前の話でなく未来について建設的に語りましょう」とかわそうとしたが、いつものようにはうまく行かなかった。様々な不利な情報が出ていたからだ。

 イギリス政府は1833年に2世紀以上続いた奴隷を解放したが、その際、国内の奴隷保有者4万6千人に今の金額で合計3兆円余りの補償金を支払っていたのだ。奴隷は少なくともそれ位の財産と見なされたことになる。それ以前に産み出した富を無視してもである。キャメロン首相の血縁までが6億円近くをもらっていた。

 英首相はこの窮地を切り抜けようと、50億円をかけてジャマイカに新刑務所を作り、カリブ海諸国のインフラ整備に6百億円を投ずる、と述べたが空振りとなった。賠償どころか謝罪も拒み、飢えた人々にパン切れを投げ与えるような態度の援助に、ジャマイカの人々は侮辱を感じたはずだ。

 
  次男が面白いと言ったのは、ニュース後半の3分間だった。ロンドンのアダム・スミス研究所のエコノミストがこう主張したのだ。「イギリスの法律では、自分の行為が相手に損害を与えた場合は弁償しなければならない、と明記してある。イギリスは奴隷の子孫達より成るカリブ海諸国に損害を与えていない。現在、彼等の1人当たりGDPは、パルパドスで1万6千㌦、ジャマイカで6千㌦だ。それに比べ西アフリカでは9百㌦にすぎない。奴隷として海を渡った者の子孫は西アフリカに残った者の子孫に比べ巨大な利益を得ているのだ。何を賠償しろと言うのだ。精神的な傷については言い出したら切りがない。イギリスを占領したノルマン人まで、いやローマ人まで遡って訴えるつもりなのか」。

 次男は、すべてを金銭で換算した上で植民地の要求を高圧的に突っぱねる、という人物が国営放送で3分間もまくし立てるのに驚いたようだった。

 
 イギリスは奴隷貿易ばかりでなく、インド、ビルマ、アイルランドなど歴史を通じ数多くの冷酷を働いてきたが、いつもこのような「ある論理」をかざして抑えこんだのだろう。
 ある欧米の歴史学者が「イングランドは世界で最も冷酷な国だ」と私に断言したのを思い出す。思わず「あなたは」と尋ねたら「イングランド人です」と答えた。


 イギリスは狡猾なインド経営で人民を愚民化貧民化し、19世紀だけで2千万人以上を餓死させている。19世紀中葉、植民地アイルランドが数年にわたるジャガイモ飢饉で人口の2割を失った時、麦は豊作ですべて地主の住むイングランドに送られていたのだ。
 インドやアイルランドが賠償を言い出したらほとんど無限大になろう。イギリスはどんな小さな賠償にも絶対に応じるわけにはいかないのだ。


 ジャマイカに冷たかった英首相は帰国後、習近平主席を国賓として最大限に歓迎した。会談では人権問題には一切触れず7兆円余りの経済協定に合意し、「英中黄金時代」を強調した。イギリスはこれからも、したたかな打算と頬被り、強者との友好と弱者への高圧的論理で力強く生きて行きそうだ


以上

 
プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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