スーパー公務員列伝①

讀賣15年11月11日

朝日15年12月29日

スーパー公務員列伝①
あけましておめでとうございます。
新年早々初夢を見ました。琵琶湖の南岸にある滋賀県野洲(やす)市のスーパー公務員のような人がわがふるさとに大勢生まれる夢です。こういう人が市役所に10人いたら市民はハッピーになるんですけどね。民間にはこういう人はゴロゴロいます。しかし、どういうわけか公務員になると絶滅危惧種のようになってしまう。
読売新聞15年11月11日の記事をご紹介します。
市民の悩み 総力解決
人のためだけに働けるのが公務員。なんでもできる
野洲市市民生活相談課長補佐
生水 裕美(しょうず・ひろみ)さん 53
お役所と言えば、縦割りの窓口、規則にこだわる、最低限のことしかしない、といった印象が強い。滋賀県南部の野洲市で生活相談を受け持つ生水裕美さんは、庁内の各部署や外部と連携して、市民の困りごとを解決する仕組みを作ってきた。「やる気になれば、市役所はなんでもできる」と強調する。 (編集委員 原昌平さん)
〈聞かせてください、その悩み。話してください、その思い〉
市民生活課が作ったチラシには、そう書いてある。多くの自治体では、困りごとを抱えた市民の側が、制度別に分かれた各課を回るが、野洲市は違う。
「暮らしにかかわる悩みなら、どんなことでも、まずはうちの課がワンストップで受けて、解決方法を一緒に考えます。関係する課の担当者にも声をかけて、相談室に来てもらっています」
生活困窮者自立支援法の相談窓口も兼ねている。他の課で連携が必要と判断したケースも持ち込まれる。人口5万人の市で、年間1100件を超す事例を扱っている。
とくに重視してきたのは税金、健康保険料、水道料金、給食費などの滞納だ。
「たいていは生活が苦しいから滞納して、借金を抱えている。ただ払えと言うだけでなく、払えない理由を聞いて、生活の立て直しを支援することが大事です」
2009年度に始めた「多重債務者包括的支援プロジェクト」では、個人情報共有の同意書を得たうえで、市の各部門と調整し、分割納付などを本人と話し合う。
「生活を再建してこそ徴収につながる。連携すれば解決の糸口が見つかり、担当課の業務も楽になるわけです」
弁護士、司法書士、社会保険労務士といった専門職とも協力関係を築き、借金の整理、離婚、労働問題、年金の請求などに役立ててきた。
「専門職に紹介して丸投げするのではなく、連絡を取り合う。ケース会議に参加してもらうこともあります」
保健所など外部の機関とも連携する。就労支援のため、ハローワークの出先も市役所内に作ってもらった。
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全国的に注目される野洲市の取り組みをリードしてきた生水さんは、もともと、市場調査会社にパートで勤める普通の主婦だった。
「娘2人を遊ばせるのに図書館へよく通った。その時間に資格の勉強をしようと思い立って、最初に挑戦したのが宅地建物取引主任者。そしたら、民法が意外と面白かったんですよ」
次に消費生活アドバイザーに合格。資格を生かそうと野洲町(当時)の消費生活相談員に応募して採用された。嘱託パートで始まり、3年目から常勤。消費者金融や訪問販売などの業者と渡り合った。
仕事のスタートに、幸運なことが三つあったという。
「新設の窓口だから『前例に従う』必要がなかった。それに、相談員の所属が生活環境課だったので、ゴミ、、騒音など、いろんな苦情が持ち込まれる。住民の困りごとを知ることができました」
「何より良かったのは上司ですね。『市民に相談に来てもらうのが君の仕事だ。大事だと思うことはやりなさい』と言ってくれました」
相談を集めるルートを増やすため、上司とともに庁内へ〝営業〟に回った。各課が対応に困っていることを尋ね、どうすれば連携できるかを探った。
その上司は評した。「たいていの職員は釣り糸を垂らして、かかるのを待っている。おまえは底引き網みたいにガサッと集めるんやなあ」
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公務員には、何かと風当たりが強い。
「人のためだけに働けるのが公務員。こんなにやりがいがあって面白い仕事はないですよ。よけいなことはするなと言う人もいるけれど、失敗を恐れて何もしなかったら、それが失敗になる。市役所は要らないと思われてしまう。市民生活を応援するためなら、やってはいけないことはないんです」
〈市役所には命を守るサービスが整っています。市役所には、そのサービスを届ける義務がある〉
「必要と思ったことは1回であきらめずに何度でも言い続ける。自分のためではなく人のためだからこそ、くじけずにやれるんです」
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朝日新聞15年12月29日香川版の記事を一部引用します。
高松市では、大西秀人市長が庁内放送で仕事納めのあいさつをした。
近年相次いでいる職員の不祥事については「コンプライアンス意識の向上、公務員としての自覚の醸成、業務内容の理解と適切な執行態勢の構築、及び職員風土の改善に取り組み、市民の信頼回復に向け引き続き取り組んでいただきたい」と職員に呼びかけた。
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(感想・意見など)
私は高松市役所をほとんど見放している。民間で長年経営管理、経営企画に携わってきたが、民間ならとっくに倒産していると断言できる。大西市長は数々の問題点をよく把握しているが、2期を過ぎても改善されていない。市長としての仕事ができていない。
これが民間なら、フォルクスワーゲンを見放して、トヨタやホンダに乗り換えられる。東芝を見切って日立に変えられる。出来るものなら乗り換えたいが、役所は始末に負えない。共産主義国家が全て破綻した所以である。
高松市役所職員の2013年平均年収は約643万円である(総務省HP)。健康保険料、厚生年金保険料の市負担分、厚生費、退職金見積金などをプラスした一人当たり人件費は、おそらく1.4倍の約900万円くらい。年間休日125日(+有給休暇20日)。転勤なし。
民間企業の2013年平均年収は四国で約350万円、全国で約414万円である(国税局HP)。
私がよく行く個人営業の喫茶店が3・4店あるが、規模がよく似ている。従事者は親子、夫婦、姉妹、友人など3人。1日客数40人~80人。平均客単価約700円。年間営業日300日以上(年間休日60日くらい)。一人当たり平均年収は150万円~220万円くらい。
生水さんのような人なら1千万円以上払っても少しも惜しくはないが……。
以上