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日本の大手家電が生き残るための方法

日本の大手家電が生き残るための方法
 週刊ポスト16年7月15日
日本の大手家電が生き残るための方法
 日経ビジネス16年7月4日
日本の大手家電が生き残るための方法
 エアバッグ、3Dプリンター、ロボット掃除機、スマートフォン、腕時計型端末、ドローン、インスタントコーヒー、指向性(八木)アンテナなどはもともと日本人が発明したという。アイデアをビジネスに結び付けていかに大きな樹に育てあげるかが課題。
日本の大手家電が生き残るための方法
 産経新聞16年7月10日
 私も長い間38歳を自称していたが、最近はさすがに…。




 日本の大手家電が生き残るための方法


 日本の家電メーカーの凋落がここ10数年止まらない。私は15年以上前に脱サラしたが、そのころ(90年代末)から、韓国メーカーが日本人技術者に目をつけ技術指導を乞い、金曜日および日曜日夜、韓国・仁川(インチョン)空港にハイヤーで送迎しているというのは聞いた。勿論日本人技術者には高額の報酬が支払われた。先生、先生と持ち上げ、飲ませ、食わせ、抱かせもあったやに聞いている。日本の家電メーカーも、誰が貴重な技術を漏らしているか、成田や羽田の空港を監視していたという。

 数年して、日本の家電メーカーの本格的なリストラが始まり、韓国メーカーの草刈り場となった。しかし、韓国メーカーはドライで、最初は優遇されるが、搾り取るものが無くなると放り出す。平均して3年と聞いた。韓国メーカーとしては、日本の家電メーカーが10年~20年、数十億~数百億かけて開発した技術の上澄みをわずかな金でものにできるのだから、笑いが止まらなかっただろう。現在では平均3年で放り出されることは知れ渡り、技術者の対応はさまざまだといいう。

 現在自動車メーカーでは年間生産台数1千万台超で世界ナンバー1の大トヨタでさえ、AT、ロボット技術が発達し、完全自動運転が実現した暁(20年後くらい?)にはどうなっているか分からない。グーグルやアップル、あるいは他のICT企業の下請けになっている可能性はある。そうならないために様々な手を打っているようではあるが…。


 週刊ポスト7月15日号大前研一さんの『「ビジネス新大陸の歩き方』を抜粋してご紹介します。


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 凋落した日本の家電大手が生き残るための2つの方法


 日本の家電メーカーの凋落が止まらない。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたシャープは人材流出が続き、不正会計問題で巨大損失を出した東芝は事業売却を強いられている。

 一時は「V字回復」と言われた日立製作所も、業績と株価の低迷から抜け出せないでいる。ソニーパナソニックは復調したというが、不振事業から撤退したり赤字部門を切り離したりしているだけで、明確な成長戦略があるわけではない。

 実際、パナソニックは5月末、テレビ用液晶パネルの生産から撤退する方針を明らかにした。本来、工場というものは20~30年にわたって生産を続けるのが常識だ。 ところが、パナソニックの姫路工場は6年しかもたなかった。なぜ、こんなことになるのか?

 家電メーカーが製品を開発するための機械や部品や材料を作った協力企業が、日本の家電メーカーだけではボリュームが小さいため、それらを韓国企業や中国企業に売ってしまうからである。

 しかも、韓国企業や中国企業の工場に対する投資額は、日本企業のそれをはるかに凌駕している。たとえば、日本企業が1000億円を投資するとすれば、韓国企業は10倍の1兆円を投資する。さらに中国企業は韓国企業に勝つためにその3~5倍、すなわち3~5兆円を注ぎ込むといった傾向が液晶、半導体、太陽光パネルなどで繰り返されている。人件費が安いし、方向性は日本企業と韓国企業が検証してくれているから、安心して巨額投資を行うことができるのだ。

 工業製品はボリュームが大きくなればなるほどコストが下がって価格を安くできる。そして、デジタル製品は性能の差があまり目立たない。だから中国や東南アジアではブランドの知名度にかかわらず、価格が安ければ安いほど売れる。となれば、ボリュームが10~50倍もある韓国勢や中国勢に日本勢が太刀打ちできなくなるのは当たり前だろう。

 すでにアメリカ人も、テレビなどのブラウングッズをはじめとする「キャッシュ・アンド・キャリー」の家電製品(店頭で購入してそのまま持ち帰ることができる家電製品)については価格重視で、ブランドは全く気にしなくなっている。だから液晶テレビは、日本では無名のビジオ(VIZIO/アメリカに本社を置く台湾系企業)がサムスンとトップ争いを繰り広げている。あるいは、iPhoneiPadを使っている人はアップル製だと思っている。実際に作っているのは鴻海精密工業なのに、誰もそんなことは気にしていない。

 今や日本の家電メーカーは、いわば韓国勢や中国勢の開発研究所になっているわけで、ボリューム勝負の彼らと競争するには、スイスの高級時計のように値段が取れる付加価値の高いものを作るしかない
 たとえば、イギリスのダイソンのサイクロン掃除機、羽根のない扇風機や空気清浄機能付きファンのような製品である。


 では、どうすれば日本は生き残っていくことができるのか?方法は2つしかないと思う。

 一つは、中国の巨大な製造企業を買収して垂直統合するという方法だ。開発研究は日本で行うが、製造はすべて中国に集約して韓国勢にも中国勢にも負けないだけのボリュームを生産するのである。しかし、今の日本企業には、1000億円を超えるような投資の意思決定ができる経営者はほとんどいない。

 もう一つは、すでに中国各地に広く販売網を持っている会社を買収して競争相手よりも速いスピードで成長させるか、中国のeコマース企業と提携して中国の消費者に日本からダイレクトに商品を販売していくという方法だ。私がより薦めたいのは後者である。なぜなら、中国ではeコマースが爆発的に伸びているからだ。

 たとえば、中国最大手のeコマース「アリババグループ(阿里巴巴集団)」には、昨年11月11日の「光棍節」(独身の日)セールの総取引額が約1兆7600億円にも達した。

 中国から日本のeコマースに直接注文できるシステムを確立すれば、売り上げを10倍に伸ばすことも不可能ではないだろう。eコマースで販売したほうが、苦労して現地でリアルの販売網を構築していくよりも、はるかに手っ取り早く、はるかに多くの消費者に販売できる時代になったのである。

 どちらも日本企業にとっては至難の業かもしれないが、これにチャレンジしなければ〝死のスパイラル〟から抜け出すことはできない。この意思決定ができるかどうかを今、すべての日本の家電メーカーが、例外なく問われている。


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(感想・意見など)

 大前さんの2つの問題解決策(処方箋)について私は何とも言えないが、現状分析はその通りだと思う。

 iPhoneiPadは、設計・仕様など主導権はアップルが持っていて、日本は重要部品(キーパーツ)を供給組み立ては台湾企業の鴻海精密工業が行っている。利益は、圧倒的にアップルが持っていくという。

 昔学生時代、京都山科で13階建て住宅公団マンシュン2棟の建築現場のアルバイトをしたことがある。設計・監督は準大手のゼネコンが行い現場には所長1名のみを派遣、あとは型枠、コンクリ打ち、大工、左官、電気工事、内装…などそれぞれ下請けが請け負い責任者1名を派遣、実際の工事は大勢の孫請け、ひ孫受けが行っていた。

 その時聞いた話であるが、頭のゼネコンは工事総額の2割から3割を最初から取り、下請け→孫請け→ひ孫受けといくにしたがって取り分は減り、最初に孫・ひ孫になる時は赤字覚悟で仕事を受ける事もあると言っていた。

 日本企業はこのアップルやゼネコンの立場になるべく、グローバルな観点から戦略を立案しなければならない。


以上


プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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