韓国の「古代性」を示した崔事件

産経新聞16年11月9日

朝鮮半島は、東側は山脈があるが、西側は平坦。満洲あたりからの侵略が容易。事実、何度も侵略されている。

愛媛新聞13年3月2日
コリアの告げ口、嘘、陰謀、足の引っ張り合いは、数千年来の伝統。嫌らしさには磨きがかかっている。

16年11月18日テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」
コリアは凄まじいコネ社会。コリアレポートの辺真一(ピョン・ジュンイル)さんも現代(ヒュンダイ)財閥創業者の妻の一族で、そのコネで特ダネをものしたことがあったとか。有力なコネがない人は浮かび上がれない社会。

首都ソウル。コリアはつい100年前まで古代社会だった。

どういうわけか、今年は皇帝ダリアが少ない。
産経新聞11月9日「正論」欄、お馴染み筑波大学大学院教授・古田 博司(ひろし)さんのコラムを抜粋してご紹介します。
韓国の「古代性」を示した崔(チェ)事件
韓国が女性実業家にして宗教家、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑で揺れている。これは簡単に言えば、李氏朝鮮が朱子学を国教とする儒教国家だったにも関わらず、宮中に巫術師(ふじゅつし)が出入りしていた伝統の回帰である。
口寄せや占いを専業とする巫女(ふじょ)は王朝としては禁令だったが、宮中がこの密儀の誘惑に勝てたことはなかった。
また、朴槿恵(パク・クネ)大統領と一宗教家との関係がこれほどずぶずぶになってしまうのは、コリアという不信社会で「チョン・トゥルダ(情が入る)」の間柄になると、このような結末に終わることが多い。
不信社会が生んだ強権政治
不信社会なのは南のみならず北も同様である。朝鮮半島は東部には山地があるが、西側は平坦で、17世紀に侵攻した満洲軍は、奉天(瀋陽)を出発してソウルを陥落させるまで2週間しかかからなかった。地政学的に「行き止まりの廊下」なので国を守ることができない。契丹族、モンゴル、豊臣秀吉、満州族いずれの侵攻のときも王は真っ先に逃げた。朝鮮戦争では南も北も為政者が遁走した。
致命的な地形であり、日本の隣にあるのは、イタリア半島やバルカン半島ではなく、少しましなパレスチナと思ったほうが良いだろう。ましというのは、南北からしか侵攻できず、すそが海で切れて行き止まりになっているからである。そこに溜まった民衆は伝統的に為政者に不信感を持っているので言うことを聞かない。支配するには強権政治しかないのである。
李朝時代では刑政の官以外にも各役所に牢獄があり、不服従だとみなされるとその場で獄に繋がれた。これを「濫囚の弊」という。みだりに捕らえる伝統があり、産経新聞ソウル支局長の名誉棄損起訴事件でも、私はこの伝統を指摘しておいたのだ。
伝統だった告げ口と威嚇
朴槿恵大統領の告げ口外交は、コリアの宮廷のイガンチ゛ル(離間策)が起源である。王は朝から晩まで臣下たち相互のイガンチ゛ルを聞かなければならない。史料を読むと、役人の嫁の不倫まで王の裁定を仰ぐ形で言いつけている。王と臣下同士もすべて不信の関係である。ゆえに朝鮮政治は王権と官僚群のシーソーゲームとしてあらわれ、後者は武人と組んで、王を廃することもあった。
今の北朝鮮で一番これを恐れているのが金正恩氏であり、家臣団に排除される恐怖からの威嚇と、国威発揚による人気獲得のため、すでに父を超える2倍のミサイルを日本海に発射したのである。
このイカンチ゛ルは東洋の国際関係にも有用だった。明の時代を例にとれば、朝鮮も満州族もモンゴル族も互いに相手の悪口を明に言いつけるのだ。内容は突然、李朝が攻めてきて大量虐殺されたとか、満州族が国境を越えて民を奴隷として拉致したとか、そういう文書による告げ口なのである。
明の裁定で埒があかないと、満州族は李朝に朝貢して臣下になってしまうこともする。そうすると、明が礼の違反だとして李朝を叱責する。汝は明の東藩(東の王侯)ではないか、満州族はあくまで「外の人」だと牽制する。つまり華夷秩序とは、王国内の日々の君臣関係を国同士の関係にまで拡大したものなのである。
忠貞の厚い臣下と薄い臣下、臣下同士の告げ口と引きずり落とし、王の牽制と威嚇。伝統的にこのような関係しかなかったので、中国は今も威嚇と牽制の国際政治しか知らないのである。
進歩史観では歴史を被(おお)えない
コリアに戻れば、前述の不信社会なので、韓国ではひとたび「情が入る」関係になると、すべてを許し合う魅惑の信頼関係へと変ずるのである。朴槿恵氏と崔容疑者の関係がこれであり、こうなると底がない関係になることはすべての韓国人が知っている。
この関係を築くために、崔容疑者の父の宗教団体の創設者、崔太敏氏が朴槿恵氏の家族関係を故意に破壊したというのはあり得る話である。
要するに、日本以外の東洋諸国は、ほんの100年前は古代王朝だったのであり、その古代性がいまも尾を引いている。その伝統の桎梏はあまりに強力で、中国や北朝鮮は過去を反芻し、韓国まで先祖返りを起こしているということなのである。
われわれは明治以来、ドイツ渡来の進歩史観に支えられ、古代・中世・近代への直線的に発展する自己像を描いてきた。それでうまくゆけたのは、ヨーロッパと同じ中世があったからだ。
全土が王土で所有権などなく、商業的な活動も自由でなく、貧しく非衛生的な古代が近代まで続いた国があったことは歴史の「例外」ではないのである。
のみならず、古代がいつ始まるかもわからない。歴史には遅速がありジグザグしている。まずは、進歩史観では歴史を被いきれないという認識と反省から始めないと、これからの世界はますます分からなくなるだろう。
以上