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全体主義国家の国民監視

全体主義国家の国民監視
 (WAC) 994円
 国際政治学者・藤井厳喜(げんき)さん×筑波大学大学院教授・古田博司(ひろし)さんの対談集。
全体主義国家の国民監視
 対談集なので読みやすい。新聞・テレビなどでは分からないことが書かれているのでやっぱり本は必要。

全体主義国家の国民監視
 (左)産経新聞2018年10月3日 (右)讀賣新聞2018年10月15日 

 「天網」と呼ばれる監視システムを中国政府が整備中。全国1億7000万台の監視カメラが天網と連動し、公安当局に集まる顔情報を人工知能(AI)が分析して瞬時に個人を識別する。2020年に完成予定。

ゲッ!またタカハシ・ジュンコが!?
 中国政府によるウイグル族弾圧記事(一部)。
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全体主義国家の国民監視
 連休中がちょうどツツジの最盛期。





 
 国際政治学者・藤井厳喜(げんき)さん×筑波大学大学院教授・古田博司(ひろし)さんの対談集『韓国・北朝鮮の悲劇』の興味深かった部分を抜粋してご紹介します。


 全体主義国家の国民監視

 「ビッグブラザー」が「ビッグデータ」を駆使する社会が実現する?


古田 トランプが2期目をやったとしても、2025年1月に大統領の任期が終わる。そのあたりから本格的なAI(人工知能)社会が始まり、2030年あたりにはかなりのレベルに達すると思うのですが、その先が予測がつきません。AIは米中対決にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

藤井 西側が発達させたAIを、国民をコントロールするために効率的に取り入れているのがチャイナです。

古田 ものすごい監視社会ですからね。

藤井 監視カメラをあらゆるところに据え、西側から最近の顔認証技術などを積極的に導入して、チベットや新疆(しんきょう)ウイグル自治区を皮切りに、全国で国民管理のために使用しています。

古田 チベットは5百万人、ウイグルは1千百万人もいます。「少数民族」なんてのもウソですよ。これらは大民族で、何万、何千人とか部族みたいに小さいのが20くらいあります。

藤井 最新式のメガネ型ウェアラブル端末(身体につけるタイプの端末のこと)を装着した警察官は、捜査中の人物の情報をすぐに入手し、判別できるようになっています。ジョージ・オーウェルの『1984』に登場する支配者・独裁者の「ビッグブラザー」が「ビッグデータ」を駆使している社会は、13億人の国民がいるチャイナで実現されつつあります。完全な警察国家ですよ。古代国家が21世紀のテクノロジーを使っている。

古田 『論語』にも「顔回(がんかい)は……」といった人の評価が載っているくらいで、そもそも中国人は古代から人物評が好きです。(略)その流れを汲んで、『档案(とうあん)』(国家による国民管理を目的に作成される個人の経歴、思想等の調査資料を収集した秘密文書)が生まれ、その先で今の監視社会につながっている。徹底して人の素行調査をする国なんです。ただ人物鑑定が好きといっても、農民は相手にしない。対象は都市の人です。

藤井 今のチャイナは、その伝統の上に共産主義とAIが乗っている観がありますね。東ドイツが崩壊した時に、国民の詳細なデータを記した書類が見つかったけれど、共産主義というのはすごいですね。

古田 シュタージ(東ドイツの秘密警察・諜報機関である国家保安省)の仕事でした。

藤井 東ドイツは完全な密告社会で、親が子を密告し、子供が親を密告する。夫婦間でもそういうことがあり、友人どうしでもそんな裏切り行為があった。その情報を記録した膨大な文書が残されていた。東ドイツは紙でやっていましたが、今はAI化しているから、簡略に扱うことができます。全体主義国家というのは恐ろしいものです。特定秘密保護法程度で騒ぐ日本の左派リベラルは、北朝鮮や中国に行って、少しは「言論の自由」とは何かを考えてほしいものですね。


 中国は南アフリカもびっくりの「アパルトヘイト」国家

古田 中国も北朝鮮も専制支配で身分制ですから、古代から産業化はある程度できましたが、結局はそのままつながっています。中国の身分制が今の農村戸籍、これがひどいですね。

藤井 チャイナ社会は、アパルトヘイトだと言っている人(川島博之著『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』講談社+α新書)がいるけど、本当にそうです。戸籍上のアパルトヘイトですよ。南アフリカもびっくり!

古田 彼らは、その身分ゆえに、都市では就学も就職も何もできない。

藤井 農村戸籍と都市戸籍と一緒にするという改革案も出ていたんですが、現実にはできなかった。そんなことをしたら、農民が都市に流れこみ、ただでさえ過剰人口の都市がもたないでしょう。

古田 だから、都市にある出稼ぎ地域に、わざと放火したりして潰しているんです。

藤井 ひどい話だ。上海あたりでありましたね。日本だったら、「農村が遅れているのなら、農村に社会投資をして発展させよう」と考える。しかし、シナ人は発想が違う。農村はダメだから放っておいて、社会インフラがある都市に移住させることを考えたりしている。しかし、ただでさえ過剰人口のところにどうやって入れるのか。無理です。

古田 戸籍改革のような身分制が崩壊するようなことはやらないと思います。古代から中国は農民が人間のうちに入っていません。「刑は上に上らず、礼は下に下らず」もそうだけれど、農民は「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」(腹いっぱい食べて腹鼓を打ち、地面を踏み鳴らして楽しむ)でいい、という発想です。城鎮の外の者たちは関係ない。

藤井 それを儒教という。

古田 古典儒教は差別前提ですが、それが差別だという意識がありません。朱子学は、はっきり差別し統治する体系です。人間に「君子・小人・夷狄(いてき)」の差別を設けて、「気の清い者」が濁ったものを統治する。

藤井 間違いなく、道徳における差別主義、階級主義です。


以上


プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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