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役人の生態


  役人の生態


 2019年11月の日経新聞「私の履歴書」は、ファンケル会長の池森 賢二さん。

 私は11月1日にそれを知り「しめた」と思った。ファンケルに興味はなくはないが、化粧品・サプリは私からは遠い。とにかく読むべきものが多すぎて日々アップアップしている。少しでも減るに越したことはない。

 ところが、数日して間違いを犯した。つい読んでしまったのである。面白い!ためになる!

 池森さんのお父さんは東洋紡という一流会社に勤めていた。しかし、戦争のため空襲に遭い、お父さんは疎開先で感電死してしまった。戦後、お母さんは家族ともども東京に出てきて働いた。そのため池森さんは中学卒業後、いろいろ働いた。

 池森さんは、「結局、人間は学歴ではない」ということを教えてくれる人である。何事も懸命に取り組み、やり過ぎるくらいやり、考える人。私も学生時代のアルバイト仲間で1人こういう人がいた。立命館大学の理工学部から大学院に行った人である。その後どうなったかは知らないが、サラリーマンでおさまるような人ではなかった。

 それにしても、サラリーマン社長などの「履歴書」より、創業者、起業者などの「履歴書」の方が圧倒的に面白い。

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 日経新聞2019年11月10日「私の履歴書」

 池森さんは、いろいろな職を経て、お兄さんが経営するクリーニング屋で働いていた時のこと、
 毎日深夜まで働いていて、久しぶりに奥さんの顔を見ると、化粧っ化がなく、顔には吹き出物ができている。
 話を聞くと、化粧品が肌に合わなくなってきたという。

 皮膚科の医者に聞くと「化粧品の中に含まれる添加物が原因。うちの患者の7割も化粧品による接触性皮膚炎なんだ」とのこと。
 
 旧知の技術者でもあるある社長に聞くと「防腐剤や酸化防止剤、殺菌剤も入っているという。それで3年もたせる」と言う。
 「何も入れなければどれぐらいもつか」と聞くと、「ざっと1カ月ですね」という。

 そこで、1カ月で使い切れる小容器(5ミリリットル)の容器に密封して、傷まないうちに使い切れるようにすればいいと思いついた。

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 日経新聞2019年11月14日「私の履歴書」

 さまざまな試行錯誤のうえ、成功しだすといろいろな妨害行為や理不尽な目に遭う

 1985年、厚生省の業務課から「おたくの会社は製造年月日を入れているようだが、インチキだという連絡が入った」とのことで工場に調べが入った。この件は良心的にやっていることを確認してもらえて終わった。

 神奈川県の業務課の対応にも手を焼いた。「無添加とは何か」と聞いてくる。「防腐剤などが入っていない化粧品です」と答えると「既存の化粧品は規制をクリアしている。ファンケルは我々のやり方にケチを付けるのか」と因縁をつけてくる。そこで「新鮮作りたて」ならよかろうということになった。

 別の担当者に変わると「新鮮というのは意味が不明確だから無添加ならいい」というので再び無添加に戻した。

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 日経新聞2019年11月15日「私の履歴書」
 
 神奈川県の業務課からお呼び出しがかかった。担当者にチラシを見せると「この表現はおかしい」「あの表現もダメ」とダメ出しを食らう。何度足を運んでもOKが出ない。しまいには「1文字も書くな」などと怒られる。

 しょぼくれてエレベーターに乗ると同じ業務課の人が乗ってきてくれて「大変だね。チラシがうまくいくヒントを教えましょうか」と言ってくる。何かと聞くと「同業のA社は月に何枚も始末書を持ってくるよ」と言う。

 事前にチラシを持っていくと、問題が発生したときに役所のお墨付きを得たということで役所の責任になる先にチラシをまいて、後で指導を受ければいいというわけだ。そうなれば責任はファンケルが負う。 

 以後はチラシをまき、指導を受けた後に「誤ったチラシを10万枚まきました。すべて回収しました」という始末書をたくさん書いた。

 創業間もない頃は反社会的な人々にも時折脅された。

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 日経新聞2019年11月21日「私の履歴書」

 92年、突然、税務署の職員が本社や工場、自宅に「脱税しているとの情報がある」と入り込んできた。脱税?そんなわけはない。

 80年の会社設立前にすでに2000万円の利益が出た。すると紹介された税理士から「個人で事業をやっていると税務署から色々とつつかれる。見かけの利益をゼロにする方法がある。その代わりに利益の半分をもらえないか」と持ちかけられた。

 どこかの税務署長まで務めた人物と聞いていたが、脱税のプロだった。違和感を覚えた。三和銀行の支店長に相談すると、公認会計士の大山哲先生を紹介してくれた。

 大山先生はとても正義感が強い会計士だ。税逃れの指南を求めるような会社の顧問は絶対に引き受けない。その先生から指導を受けていたわけで、絶対に脱税なんかするわけがない。誰かが陥れようとしているのだろう。

 結局、調査を終える日に署員が「ガセネタだった」とぽつりと言い残し去った。

 しかも2週間後には「優良法人として表彰したい」と言ってくる。大変ありがたかったが、そこにはちょっとしたウラがあった

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 日経新聞2019年11月22日「私の履歴書」

 のちに「税務署長を顧問として迎えてほしい」と求めてきた理由は「きれいな会社でないと任せられないから」という。

 外部から「貸しを作った方がいい」などと言われ、顧問として2人を招いた。さらに3人目を要求してきたので「いいかげんにしほしい。それ以上言うならば、マスコミに話す」と断ったら、さすがに諦めた

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役人の生態
高松市中央図書館前のケヤキは間もなく真っ裸に。

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 紫雲山ハイキングコースはあと1週間は楽しめそう。
 マイカーは車検後絶好調!90点。


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【おまけ】

■つい先年、文科省のエロ事務次官が、法令で禁じられている天下り斡旋に自ら関わったとして辞めさせられ逆噴射したのは記憶に新しいところである。


 2017年6月28日ブログ「東京三題」から抜粋して再掲
■日米繊維交渉にまつわる話(週刊ポスト12年9月14日号、東京新聞・中日新聞論説副主幹 長谷川幸洋ゆきひろさんの話:通産省OBの堺屋太一さんに聞いた話として)

 
 米国が繊維で日本に迫ってきた時、大阪の業界団体が、当時の通産省の繊維局長室にきて、我々の権益が守れるように米国と交渉して下さいとお願いした。繊維局長は「交渉しないという。業界団体は大阪じゃなくて東京に移せ。東京に来ないなら交渉はしないと。

 当時、大阪には繊維関係の業界団体が13あって、その13団体だけが霞が関のいうことを聞かず東京に拠点を置かなかった。繊維局長室に看板が掛けられていて、そこには敵は米国にあらず大阪にありとあった。

 結局、最後は業界団体の側が負けて、13団体の繊維工業連合会として東京に事務所を出した繊維局長もそれでよしとしてやっと米国と交渉をはじめた

 外交交渉は農水省や経産省の省益拡大のネタになってきたから、TPPでもどうやって天下り先を増やそうか、ということを必死に考えているはずです。



 2011年11月4日のブログ「官尊民卑―年金②」から
厚生年金と聞いてどうしても忘れられないのは、厚生年金制度の生みの親、元厚生官僚の花澤武夫さんの話である。花澤さんの著書「厚生年金保険制度回顧録」には以下のような記述があるという。

 「この膨大な資金はどうするか。何十兆円もあるから、一流の銀行だってかなわない。これを厚生年金保険基金とか財団とかいうものをつくって……そうすると厚生省の連中がOBになったときの勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だ。これは必ず厚生大臣が握るようにしなくてはいけない

 「年金を払うのは先のことだから、今のうちにどんどん使ってしまっても構わない

 厚生年金制度の生みの親が、もともとそういう精神で創設している。のちの厚生官僚が、膨大な財源を食い物にしたのもむべなるかなである。

 国民は、ドロボーに大切な虎の子を預けてしまったようなものである。これでは国民は救われない。


【追記】

 11月30日最終日の「私の履歴書」は、池森さんが行っているさまざまな社会貢献活動を紹介している。シニアのゴルフトーナメントのファンケルクラシック、知的障害者に雇用の場を提供する特例子会社「ファンケルスマイル」、映画製作、池森奨学財団、池森ベンチャーサポート合同会社の立ち上げなど。

 その中で、高校へ行くことはできなかったが、通信教育で高校卒業の資格は取得したと書いている。


以上


プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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