ピケティ現象

『21世紀の資本』を注文した
 『21世紀の資本』 トマ・ピケティさん(みすず書房)
ピケティ現象
 『日本人のためのピケティ入門』 池田信夫さん(東洋経済新報社)
ピケティ現象 毎日15年1月3日
ピケティ現象
朝日15年1月14日




 ピケティ現象


 今日、いつもの宮脇書店に行った。注文している『21世紀の資本』は入っていなかった。増刷が間に合わないのだろう。代わりに『日本人のためのピケティ入門』を買ってきた。著者はブログや朝日新聞問題、慰安婦問題などでおなじみの池田 信夫さん。864円。分かりやすく1時間ほどで読めた。

 ピケティさんが提起している問題は、非常に今日的で切実な問題である。毎日新聞1月3日の社説を抜粋してご紹介します。



 ピケティ現象
 希望求め議論始めよう

 各地の図書館で今、ある本の貸し出しが長い順番待ちになっている。フランスの経済学者トマ・ピケテイ氏の「21世紀の資本」だ。日本語訳が先月8日発売された。

 東京都文京区図書館は所蔵3冊に予約が200人以上。

 英米仏、日本など20カ国の過去100年以上にわたる経済統計を解析。土地や株などの資産を活用して得られる利益の伸びは、人々が労働で手にする所得の伸びや国の成長率を常に上回ることを明らかにした


 資本主義の疲労に直面

 「資本主義のもとでは、資産を持つ人がますます富み、持たない人々との格差が広がり続ける。富も貧困も世襲されていく」と分析している。「資本主義の疲労」とも言うべき現状と今後への警告だ。

 50万部の米国をはじめ世界で100万部売れた。とはいえ、700㌻を超える学術研究書で1冊が5940円(税込み)もする。

 格差への抗議活動「ウォール街を占拠せよ」が起きた米国。若者の高い失業率などで不満がくすぶり、極右勢力が伸びる欧州。そうした下地もあり、ピケティ氏の問題提起に呼応するような動きが、昨年初めから欧米で広がった。

 スイスで昨年1月に開かれた「世界経済フォーラム」の総会(ダボス会議)の主要議題は「所得格差の是正」「貧困の解消」だった。格差が、持続的な経済成長や企業の発展にとって大きな足かせになるという認識だ。

 その翌週、オバマ大統領が一般教書演説で格差是正に言及した。「景気は回復しているが、多くの米国人は生活を向上させるためでなく、生活を維持するために、長時間働かざるを得なくなっている」と最低賃金の引き上げを約束した。所得格差是正が、国の安定に欠かせないとの考えだ。

 昨秋の国際通貨基金・世界銀行の年次総会でも「所得格差と機会の不平等」が議題になった。

 歴史的な金融緩和で、世界に金あまり状況を生み出している米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長。昨年10月の講演で「富裕層の所得や富が著しく増大する一方、大半の所得層では生活水準が低迷している」「こうした傾向が、わが国の歴史に根ざした価値観、米国民が伝統的に重きを置いてきた『機会の平等』に照らしてどうなのか」と話した。金融政策も、格差問題を避けて通れなくなっているのだ。

 日本では、どうだろう。
 非正規雇用やシングルマザーの貧困などが取り上げられても、社会を巻き込むうねりや問題提起にはなっていない。逆に、現在進行中の経済政策は「持てる者に向けた政策こそが、すべての問題を解消する」といった考えに基づいている。


 立ちすくまず向き合う

 しかし、この国でも「疲労した資本主義」と、その先に待つものを心配する人は少数ではなかった

 みすず書房によると、「21世紀の資本」の読者層はビジネスマンにとどまらない。女性や高齢者も手に取り、大都市だけでなく地方でも売れている。

 この本を手にする人に限らず、世界のさまざまな場所で人々は今、経済や社会の行く末に疑問や不安を抱えている


 ピケティ氏は、格差を解消するため、国際協調による「富裕税」の創設を唱えている。専門家は「非現実的だ」とそっけない。だが、結論は何ら出ていない。

 「疲労した資本主義」の先にあるのは、社会の分断や混乱とは限らない。新たな価値観に根ざした希望かもしれない。「ピケティ現象」を希望を見いだすための論争の幕開けにしたい。


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(感想・意見など)

 高額所得者の資産に課税すると彼らは資産を海外のタックス・ヘイブンなどに移すので、 ピケティ氏が提案するのは、グローバルな累進資本課税である。今のところユートピア的ではあるが、何度かの金融危機を経たのち何十年か後には実現するかもしれない。

 われわれはつい眼前の、「資本主義の疲労」ロシアや中国の新帝国主義的な動き欧州やアフリカ、中東の混乱(アルカイダ、イスラム国、ボコ・ハラム、エボラ出血熱)など、悲観的なニュースにとらわれがちになるが、必ずしもそうでもないらしい。

 朝日新聞15年1月14日オピニオン欄にOECD開発援助委員会議長・エリック・ソールハイムさんの話が載っていた。

 「この20年で極度の貧困者の人口は半分になりました。幼児の死亡率も半減しました。大変な進歩です。世界は混沌に向かっていると思うかもしれませんが、現実は逆です。私たちは良い方向に急速に向かっている

 池田信夫さんも上記の本のどこかで同じようなことを書いていた。考えてみれば、日本は先の大戦で壊滅的な打撃を被ったがわずか15年くらいで戦前を凌ぐまでになった。その日本をモデルに、香港、韓国、台湾、シンガポールの4匹の龍がテイクオフした。1980年代に中国が続いた。今はASEAN各国が続いている。アフリカの一部の国にも火がついた。悲観する必要はない。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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