預金封鎖…国家の横暴

預金封鎖…国家の横暴
預金封鎖…国家の横暴
預金封鎖…国家の横暴
 週刊ポスト15年3月20日号




 預金封鎖…国家の横暴


 私が世の中の不条理を知ったのは5歳ごろのことである。そのころ、私の家のタンスの引き出しには古い紙幣や貨幣がいっぱい入っていた。私が「これはどうしたの?」と聞くと、家の人は「新円切り換えで使えなくなったのよ」と答えた。

 私のは3回応召し、何度か命を失いかけ、昭和20年8月7日には原爆投下直後の広島に入り放射能を浴び、中年以降次々と内臓がやられ苦しんだ。祖母も米軍機B29の空襲で家を焼け出された。その後2人は結婚したが、預金封鎖、新円切り換えで理不尽に財産を国家に奪われた。踏んだり蹴ったりである。国家というのは、いよいよとなると極めて横暴になる


 最近、久しぶりに「預金封鎖」「新円切り換え」という言葉を聞くようになった。そのひとつ、週刊ポスト3月20日号の記事を抜粋してご紹介します。


 アベクロミクスの生き着く先は「預金封鎖」の地獄絵図だ


 NHKニュースウォッチ9で報じた「預金封鎖 もうひとつのねらい」という特集(2月16日放送)が大きな反響を呼んでいる。終戦直後の1946年、政府が戦争中の借金を返すため、全国民の預金を封鎖したうえでそれに課税し、資産を根こそぎ没収した歴史的事実を検証した内容だ。


 国民の預金を借金の穴埋めに

 アベクロの金融政策は、わずか2年で限界がきた。
 こうなると、国債暴落を防ぐためには、政府は強制的な方法で国の借金を減らさなければならない。
 そこでNHKも取り上げた「預金封鎖」が絵空事ではなくなる。

 戦費調達のために借金を重ねた日本は、終戦直後、現在とほぼ同じ「GDPの2倍以上」の借金を抱えていたそこで政府は46年2月に突然、国民の預金を全面封鎖すると発表した。

 いくら預金があっても世帯主は月額300円(当時の大卒公務員の初任給は540円*注)、家族は月額100円までしか出金できず、タンス預金を使わせないため新札を発行して旧札は使わせなくする「新円切り換え」を同時に実施。そのうえで、預金や不動産に25~90%の財産税を課したのである。

 資産に最高90%という高い税率を課したので、日本からは資産家が一気に消滅する事態になった。


 強制的に徴収する包囲網

 「終戦直後の非常手段を現代にあてはめるのは荒唐無稽」と思うかもしれない。
 だが、山一證券や北海道拓殖銀行破綻をきっかけに金融危機が広がった97年当時、財務省では「危機対応策のオプションとしてデノミ(通貨切り下げ)と戦後の預金封鎖が研究された」(財務省OB)。「デノミ」は預金封鎖と同じ意味

 戦後ドイツの預金封鎖を研究した相沢幸悦・埼玉学園大学教授が指摘する。
 「中東情勢悪化で原油価格が反騰したり、中国経済危機、あるいは日本の経常収支の赤字が予想以上に悪化するといったきっかけひとつでいつ日本国債の暴落が始まってもおかしくない。いったん国債の売りが始まれば、金利は一気に上昇に転じ、政府は巨額の借金の利払いに耐えられない。いよいよ借金の元本を減らすしかなくなる

「最も考えられるのは預金封鎖によるデノミや新円切り換えとセットで行なう1650兆円の個人金融資産や不動産への財産課税です。政府税調では数年前から預金課税が議論されてきた」


 今年から相続税が大幅に課税され、来年1月からはいよいよ全国民に「マイナンバー(社会保障・税番号)制度」が導入される。政府税制調査会はマイナンバーの利用を銀行口座など資産の名寄せに拡大することを検討しており、国民がどれだけの金融資産や不動産を所有しているかを網羅的に把握しようとしている。資産課税の準備である。


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(感想・意見など)

 現在の中東や北アフリカなどの状態を見ていると、まともな国家は必要であることが分かる。しかし、戦前・戦中・敗戦直後の日本国は極めて横暴であった。命も財産も平気で奪った。

 戦後の日本は誠に平和であったが、利害対立を政府が借金することで先送りしてきたため、ついには敗戦時とほぼ同じような対GDP比200%以上の政府債務を抱えることになった。とても、まともな国家とは言えない。結局ツケは国民に回ってくる。


 *注 現在の大卒公務員の初任給を20万円とすると、当時の300円は現在の11万円くらいになる。


以上


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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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