もう鉄板碗じゃない公務員

もう鉄板碗じゃない公務員 (中公新書)
もう鉄板碗じゃない公務員
「年少人口」に注目。現在の出生率だと50~60年後の出生数は現在の半分の年50万人程度になりかねない!
もう鉄板碗じゃない公務員 讀賣15年2月26日
もう鉄板碗じゃない公務員 (NHK出版)
もう鉄板碗じゃない公務員 毎日15年1月1日
もう鉄板碗じゃない公務員
 ハナミズキ





 もう鉄板碗じゃない公務員


 「鉄板碗」(てっぱんわん)とは、中国で食いっぱぐれのない職業として公務員のことをさす。しかし、日本の公務員は、少子化のため、今後「鉄板碗」ではなくなる

 
 増田寛也さん編著の『 地方消滅 』の最後のページに、「全国市区町村別の将来推計人口」が載っている。それを見ると、25年後の2040年には、例えば、

● 高松市 現在約42万人 → 約34万人 (80%)

● 徳島市    約26万人 → 約20万人 (76%)

● 松山市    約52万人 → 約44万人 (84%)

● 高知市    約34万人 → 約26万人 (76%) になるという。

 少子化 と団塊の世代前後の一部が死亡するためである。当然、それに合わせて公務員の数、人件費は減らさざるを得ない


 日本の中世から江戸時代、重税にあえぎ、飢饉などで追い詰められた百姓は、一家または何家族かまたは村全体で「逃散(ちょうさん)」した。 都会に出て雇われ仕事に就くか、年貢が軽いなど条件の良い他藩・他領に移住「走り」した者も多かった。他藩主や領主は、来るものを年貢軽減などで積極的に迎え入れたという。一方、貴重な労働力を失った大名は、他の藩主、領主と返還交渉をしたという(「逃げる百姓 追う大名」 宮崎克則さん、中公新書)。

 現在も、Ⅰターン、Uターン、Jターンとやかましいが、やっていることは五百年前とさして変わらない。

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 極端な例は、北海道夕張市である。過去の過剰投資の積み重ねにより、2007年3月に財政再建団体に転落した。こうなると、箸の上げ下げまで国の干渉を受ける。

 市長給与は月額86万円から26万円(年収374万円)になり、市会議員も18人から9人に、@月額31万円が18万円になった。あと、職員は推して知るべし。「去るも地獄、残るも地獄」。早期退職者が続出し、部・次長は全員が辞めた。市民負担も大きくなり、転出者が相次ぎ(「逃散」)、最盛時7万人の人口が1万人を切った。移れない者、残った者が残債を負担せざるをえない。


 ★夕張市の例を他人事ではないと考えて着々と手を打ってきた町村がある。3つの例をご紹介します。


■ 島根県海士町(あまちょう)

 人口2300人。島根半島の沖合60㌔の隠岐(おき)諸島に属する。
 山内道雄町長は自らの給与を50%カット。職員からも申し出があり、幹部40%カット、一般職16~30%カットした。
 
 役場を「住民総合サービス会社」ととらえ、雇用創出、定住者増加に注力
・「隠岐牛」のブランド化
・CAS凍結システムを導入し海産物の鮮度を保ち、高価格販売に成功。
・島根県立隠岐島前(とうぜん)高校は島留学で異例の学級増。
・現役世代のⅠターンも246所帯、360人増、など。


■ 福島県矢祭町(やまつりまち)

 人口6000人。根本良一前町長が「合併しない宣言」、独立独歩を図る。
 町の職員108人→83人→50人をめざす。7課→5課に。
 議員定数18人→10人、議員手当てを議会開催日だけの日当制@3万円に。
 
 浮かした人件費で以下の施策を実施
 ・早くから幼保一元化し、低料金に。
 ・介護保険料は全国有数の低さ。
 ・図書館は旧武道館を再活用。全国に呼びかけ45万冊の本を無償譲受。本の整理はボランティアが。
 ・破格の条件で企業誘致、住宅誘致し、町税の増収を図る、など。


■ 長野県下條村(しもじょうむら)

 人口4000人の「陸の孤島」。少子化対策に早くから取り組み2011年出生率1.92。

 ガソリンスタンドなどの経営者であった伊藤喜平村長が、全職員を民間企業に研修に出し意識改革を図った。職員1人1人の戦力アップを図り、人員を削減

 国の補助制度に安易に飛びつかず、自らの創意工夫で実行。
 ・道や水路などの整備を住民自ら行い、村はその資材を支給。
 ・下水道事業で、国や県の推進する公共下水ではなく、借金の残らぬ合併浄化槽を選択。

 ムダを徹底的に削り若者誘致を図る様々な施策を実施
 ・若者向けの村営住宅を建設、新増改築への補助制度を設けた。
 ・高校生以下の医療費の無料化
 ・保育料の引き下げ(国の基準の半分以下)
 ・子育て応援基金の創設、など。

 以上の様な様々な施策を実施しながら驚くべき健全財政を実現。


 これらの町村は規模が小さいだけに職員1人1人に至るまで消滅の危機感が強く、給与を大幅にカットしたり人員を削減したりして、自らの身を削って財源を生み出し、「わがこと」として、自らの工夫で効果的な施策を着実に実行している

 ラストチャンスである。少子化対策 は早ければ早いほどいい。遅れれば遅れるほど、10年先、20年先、30年先で目もあてられないことになりかねない(夕張市の例を見よ)。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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