ギリシャの軍事予算

ギリシャの軍事予算
 週刊現代15年7月25日‐8月1日号
ギリシャの軍事予算
 岩波新書
ギリシャの軍事予算
 讀賣15年6月21日
 世界の武器輸出額順①米②露③仏④英⑤独
ギリシャの軍事予算





 ギリシャの軍事予算



 本棚をちらっと見てみたら、堤 未果つつみ・みか)さんのアメリカシリーズの新書が5冊ほどある。いろいろ知らなかったことを教えてくれる。が、少し偏っている気がしないでもない。(アメリカなど)そういう一面もあるのだろうなと受け止めている。


 EUは今ギリシャ問題に困り果てている。債権国であるドイツやフランス、債務国であり当事国であるギリシャ自体も、進むも地獄、退くも地獄である。結局はどの国も、強みを伸ばし、何らかの産業を興し、独立自尊するしかない。それには長い長い時間がかかる。各国は、お互いに譲るべきは譲り、大変な我慢がいる。ところが現実はそうではない。

 
 第二次世界大戦は、ポーランドやユダヤ人問題などドイツが悪いが、第一次世界大戦後のベルサイユ条約でドイツにあまりにも不等な扱いをしたフランスなどにも責任の一端はある。もしドイツにもう少し手加減していれば、ナチスなどは台頭せず、その後の世界はもう少し穏やかなものであった可能性が高い。

 少し余談であるが、日本が満洲・華北に進出したのもそれが理由である。第一次世界大戦の前後6年間ドイツなどに駐在していた日本陸軍の俊英永田 鉄山は、ドイツは必ず復讐戦に乗り出すとみていた。その時日本は巻き込まれ国家総力戦になる、国家総動員体制をあらかじめ整えておかなくてはならないと考えた。資源の乏しい日本は、中国大陸に資源を求めざるを得ないと考え、1931年満洲事変を起こした。


 ギリシャ問題に関する論評はいろいろ見てきた。そのほとんどが成る程と思わせる。ギリシャはだらしがない、もっと真面目に働け、ドイツはユーロ安で得しているのだからもう少し寛容になれないものか、と思っている。しかし、軍事予算に触れた論評は堤さんが初めてである。当たり前ではあるが、国家は国益から離れられない。自国民の利益を優先せざるを得ない。それが次の紛争の種を生む。それがよく分かる。


 週刊現代15年7月25日‐8月1日号「ジャーナリストの目」堤 未果さんのコラムを抜粋、少し編集してご紹介します。


 緊縮財政のギリシャで軍事予算だけは削られない理由


 15年6月30日。ギリシャはIMFへの返済が出来ず、事実上債務不履行に陥った。

 ここまで財政赤字が膨れ上がった原因は、高すぎる年金、公務員優遇だなどと報道されているが、何故か触れられないもうひとつの重要要素についてはあまり知らされていない。
 債務の半分以上を占めるといわれる、防衛予算だ。

 NATO同盟国28カ国の中で、ギリシャの予算に占める軍事支出比率はトップのアメリカに次いで2位と突出している。

 この問題について、欧州外交政策財団のサノス・ドコス所長
 「1300車両という、イギリスの2倍以上の数の戦車が本当に必要なのかどうかは議論が分かれるところだろう。だがトルコの軍事的脅威に対しバランスをとるためには、やむを得ない措置なのだ」
 トルコの脅威。だが本当にそれだけだろうか?

 奇妙なことに、危機に陥ってからこの間、IMFやEU、欧州中央銀行から提示された緊縮財政メニューの中に、軍事費削減は載っていない

 ギリシャへの財政支援条件として最も強く緊縮財政を要求していた最大債権国のドイツのメルケル首相は、救済金の大半を国内の経済の立て直しではなく軍事支出に振り分けるよう、ギリシャ政府に圧力をかけている。

 ドイツは武器輸入大国ギリシャから、アメリカに次いで最も恩恵を受けている国の一つだからだ。ちなみに輸入国3位は、ドイツ同様長年ギリシャ政府に軍事費増の政治的圧力をかけてきたフランス


 12年に金融支援の条件としてギリシャ政府が課された20%もの最低賃金引き下げや、公務員の給与凍結は一体何のためだったのか?IMFに言われるままに、障害者の自己負担を高騰させ、医師数を大幅に減らし、病院を閉鎖させ、国家にとって最大の財産である筈の国民を公衆衛生上の危機に陥れた対価は、更なる財政赤字となってギリシャ政府にのしかかった。

 100万人の失業者、ホームレス人口の急増、若者の2人に1人が職を失い、20万人もの国民が国外へ逃げ、貧困層の間では感染症が拡大しているギリシャ(注:人口約1100万人)。

 欧米の商業マスコミが描く公務員天国の自堕落なギリシャ像の裏で、笑いが止まらない勝ち組たちの姿が、私たちに見えるだろうか?


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 (余談)

 最近、任天堂の岩田 聡社長(55)、堀場製作所創業者の堀場 雅夫さん(90)、物理学者の南部 陽一郎さん(94)、経済学者の青木 昌彦さん(77)など才能ある人の訃報が相次ぐ。日本は大丈夫か?


 合掌

 

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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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