仲介人が重要

仲介人が重要
 讀賣15年7月23日
仲介人が重要
 柿若葉





 仲介人が重要


 日本には資源らしい資源がほとんどない。従って研究開発が重要であるが、大学であれ企業であれ特許は数多く所有しているものの、死蔵している場合が多い。それを目利きが発掘して、他企業に売ることが出来れば、みんながハッピーになれる。そういうコーディネーターというか仲介人の仕事について讀賣新聞7月23日に載っていた。抜粋してご紹介します。



 産学連携「地元のため」
 特許収入1年で33倍


 「特許収入がわずか1年で32.6倍に増えた」
 6月19日、首相官邸で開かれた政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍首相)の会合。出席した有識者らに配られた資料で、発明した技術や創作などで生み出された特許収入が大幅に増え「産学連携のモデルとなり得る」と評価されたのは、東大でも京大でもなかった。徳島大だった。

 2013年度の351万円から14年度に1億1486万円へと引き上げた。原動力となったのは徳島大教授の坂井 貴行(43)だ。坂井は、大学の研究成果や技術を特許化し、企業へ売る専門家だ。

 全国にはそうした活動を行う専門機関「TLO」が各地にあり、坂井は今、「四国TLO」(本社・高松市)の社長を兼務する。


 TLOは、1998年に施行された「大学等技術移転促進法」を受け、特許になりそうな技術を持つ大学や教員らが出資し、各地に株式会社などとして誕生した。
 徳島大など5大学の教員約50人が01年に設立した四国TLOも、坂井が来るまで赤字状態が続いていた。

 坂井は、京都市の出身。同志社でラグビー部の選手として日本一を目指した。産学連携との関わりは、99年に立命館大職員となり、産官学の連携部門に配属されてからだ。予備知識はなかった。しかし、立命館が産学連携でトップクラスの成績だと知った。

 大学と企業の共同研究を仲介し、補助金を国から獲得するのが仕事だった。〝営業〟を重ねて2年後、約50人の部署で獲得額はトップとなった。30歳代前半で課長補佐に昇進した。
 
 06年、立命館大副学長から、大学が出資する「関西TLO」が赤字続きで、立て直しを頼まれた。取締役として赴任した坂井が調べると、ホームページなどで、大学の特許技術などを紹介していたが、企業に出向いての営業はしていなかった。

 特許を持つ教員から技術内容を聞き取り、企業への営業を社員に徹底し、「足で稼げ」と発破をかけた。
 1年目から黒字に。京大も出資し、特許は次々に売れた。「どんどんもうけたろうと思った

 しかし、12年5月、京大の幹部から「TLOの先進地、米国で勉強してきてほしい」と勧められ、客員研究員として留学したコーネル大で、考えが変わった。そこで産学連携とは、「地域貢献のためにする仕事」だった。


 コーネル大は、物理学などでノーベル賞を受賞した研究者ら約40人を輩出する米国で屈指の名門校だ。
 大都市ニューヨーク市から北西へ約300㌔離れたイサカ市にある。周辺郡を含めても人口10万人の小都市がだ、コーネル大の特許を生かしたベンチャー企業は70社以上もある。

 「どんなすごい大学やろ」。世界最先端を行く研究を期待した坂井を前に、同大学のTLO担当者が紹介した特許実績は、「耐寒性のあるブドウ」「病気に強いリンゴ」など、1次産品の特許ばかりだった。
 「LED(発光ダイオード)とか、もっとすごいのあるでしょ?」。担当者は言った。「あるよ。でも、地元産業に貢献し、雇用を増やすのが私たちの仕事だ

 衝撃を受けた。坂井には「地元のため」という意識は頭の片隅にもなかった

 13年春、帰国した坂井に電話がかかってきた。関西TLOを1年で黒字にした坂井のうわさを聞きつけた徳島大副学長の野地澄晴(67)が収入の伸びない四国TLOへの経営協力を求めてきた。

 四国には地縁も血縁もなかった。年収も大幅に下がる。しかし、「地域のための産学連携」をする人間が日本でも必要だと思うようになっていた

 坂井は答えた。「命懸けでやります」


 (7月24日讀賣新聞に四国TLOでの具体的実践例が掲載されている)


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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