社長になりたいですか

社長になりたいですか
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 (KADOKAWA) 5月27日初版初刷、7月15日3刷なのでそこそこ売れているのだろう。②巻以降も応援していこう。
社長になりたいですか
 (講談社学術文庫) 原作(日本語)に再度挑戦しだした。
社長になりたいですか
 ガストの日替わりランチ+ドリンクバー 753円 値段なり。




 社長になりたいですか


 村上龍さんの 『 おしゃれと無縁に生きる 』 から共感したもう一篇を抜粋してご紹介します。


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 ある新聞のアンケート調査で「出世して社長になりたい」という新入社員が過去最低の13%だったらしい。最近のビジネスマンには野心がない、キャリアを追い求め社内の競争に勝利したいという欲望に欠ける、そんな指摘もあるようだ。だが本当にそうだろうか。わたしは、たとえ絶好調の会社でも、絶対に社長なんかにはなりたくない。

 そもそもバブル期以前と今では経営の本質が違う。高度経済成長期からバブル期までの経営は、その大半が単なる「調整役」だった。ものを作れば売れ、店頭に並べれば売れるという巨大な需要があった時代だ。経営方針の決定は社長個人ではなく、集団で行われ、「みんなで決めたこと」として実行され、それで事足りていた。

 そのような能天気な経営が長続きするわけもなく、成功体験が重なる中で危機は静かに進行していき、バブルがはじけた瞬間から、多くの企業が過剰な雇用と設備と債務を抱え、市場から退出する企業や、合併や買収に晒される企業が続出した。

 需要が減少し、供給過剰の時代に入ってから、経営の質が様変わりした。そのことを理解するには日産とカルロス・ゴーンの例を見るだけで充分だろう。「みんなで方針を決める」経営は終焉を迎え、「黒塗りのハイヤーに乗って威張るだけ」という経営者はもうほとんど姿を消した。

 経営は、「連続して起こる危機への対応」ということにその本質を変えたわけだが、もちろんそのほうが正統的であり、バブル以前が特異だったのだ。

 「カンブリア宮殿」に登場する経営者たちの話を聞くと、製造業、非製造業、それに業態を問わず、「そこまでやらなければサバイバルできないのか」と唖然となり、「そんなシビアなことは自分なら絶対にできないしやりたくもない」と思う。

 資金難に陥って親族に借金を申し込んだり、睡眠時間を削ったために心筋梗塞を起こしたり、合併しなければ潰れるという状況で社員の解雇が必要になって不眠症になったり、企業理念を浸透させるために全国の支社、現場を回り社員と何百回何千回と話し合いを持ったり、わたしにはそんなことはできない。

 だから、「社長になりたいと思わない」若者が増えたのは、日本企業がしだいにまともになっていった証で、嘆く必要などない。ただし、起業へのモチベーションは別だ。優秀な若者は、社長になりたいなどと思わず、会社、事業を立ち上げるだろう。


以上



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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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