「公益」と「私益」のバランスを

「公益」と「私益」のバランスを
 毎日15年9月17日
「公益」と「私益」のバランスを
 産経15年9月30日
「公益」と「私益」のバランスを
 先日発売された漫画「孤独のグルメ2」の帯にあるように、10月2日深夜(10月3日0時12分)からテレビ東京系でSeason5が始まった。





 「公益」と「私益」のバランスを


 毎日新聞に、東大教授の「坂村健の目」というコラム欄がある。坂村 健さんと言えば、TRONプロジェクトの提唱者で、コンピューターにうとい私でさえ数10年も前からその名は存じあげている。坂村さんには、コンピューターの発達・使用により、20年先30年先の世界はこうなるというのが見えている(それ故、なんで日本はこれだけ変わろうとしないのかという悔しさも伝わってくる)。

 例えば、このたびマイナンバー制度が始まることになったが、私が知る限りでは、「国民総背番号制」とかで、50年近く前から議論が続いていたように思う。その都度朝日新聞や社会党などが反対して流れた。何事にもメリット、デメリットはある。8:2くらいなら、デメリットに慎重に配慮、手当てしつつ全体最適を図るべきではないか。


 坂村さんの15年9月17日のコラムをご紹介します。


.......... ..........


 米国は「自由」を重視する国だと思われている。企業への制約は最小限。政府はイノベーションを起こす環境整備に注力し自由競争を促す――これが米国の産業政策のイメージだ。


 基本的にはそうだろう。しかし、米国政府は必要と思えば強制もいとわない。例えば1991年のTVデコーダー法によるテレビの字幕表示機能の義務化。その結果、字幕表示回路はあっという間に低価格化した。

 聴覚障害者も助かったが、ほとんどすべての番組に字幕データが付けられたので普通の視聴者にも好評。テレビ番組が語学教材になり、検索エンジンで検索でき自動翻訳もできるような利用も進んだ。


 日本でも今やテレビはコンピューター化し、結果として字幕機能は標準になった。しかし番組の方はいまだに字幕データのないものも多い。20年たっても追いつけないその差が、政府が適切に力を使ったかの差だ。


 米運輸省が米国での新車販売台数の57%を占める上位の自動車メーカー計10社に、自動ブレーキ機能の標準化を認めさせたというニュースがあった。10社にはトヨタやフォルクスワーゲンも含まれる。10社以外にもできる限り早期の全車装備を促すという。単価に響き事業戦略にも大きく影響し日本的には難しいだろう。

 しかし多くの人の命が助かるだけでなく、事故が減れば保険を含む社会負担も減る自動運転技術の振興も当然視野に入っている。


 シンガポールのERPは日本のETCと似た機能――というか技術自体は日本製。違いはERPは当初より義務化したこと。つまりERPを装着しない車はシンガポールを走れない。通信機だけのゲートなら料金徴収コストは劇的に安く、混んでいる道路をすぐに課金し渋滞解消にもつなげられる。全社装着だから駐車場管理などの応用も。


 規制がはびこり、官の強制力が強いと思われる日本だが、社会の全体最適――つまり「公共」のためには「私権」の制限も必要という感覚について、実は日本は意外なほど慎重な国だ。

 軽減税率でのマイナンバーカードの利用案についても、どんどん後退している。カードでもいいし領収書でもいい、となれば結局ETCと同じ。「面倒くさい」は、結局は社会全体のコストだ。何も生産性のない事務処理コストが税収を食い潰すなら、税務署員や税理士が増えるだけ。


 少子高齢化が進み、社会を支える人手がどんどん減っていく日本「公共」と「私」のバランスについて――特にそれがコストに大きく影響する社会的情報システムでは――真剣に議論すべき時に来ているのではないだろうか。


 (「孤独のグルメ Season5」を見ながら)

以上


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

最新記事
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カウンター