世界は陰謀に満ちている

世界は陰謀に満ちている
 週刊新潮16年3月17日号
世界は陰謀に満ちている
 (勉誠出版)1620円
世界は陰謀に満ちている
 ハクモクレンが散りだした。





 世界は陰謀に満ちている


 私はいわゆる「陰謀論」は嫌いである。しかし、確かに世界は陰謀に満ちている。もし、1940年ごろのアメリカ大統領がフランクリン・ルーズベルトでなかったなら、日米戦争はなかったであろう。ルーズベルトは、容共・親中・反日・人種差別主義者であった。彼の母方は、中国におけるアヘン貿易で、中国人の血で、巨万の富を築いた。それもあって、中国に同情的だったといわれる。

 ルーズベルト政権にはソ連のスターリンが送り込んだコミンテルン(国際共産主義組織)のスパイが200人~300人もぐりこんでいたといわれていた。先日放映されたNHKスペシャル「新・映像の世紀」では確か340人とか言っていた。最も有名なのは財務次官補のハリー・ホワイトである。「ハル・ノート」の草案作成者。日本が絶対にのめない「ハル・ノート」により、日本は開戦に追い込まれた。参戦の口実が欲しかったルーズベルトの思う壺に見事にはまった。

 ソ連だけではない。中国イギリスアメリカを参戦させるために必死であった。


 週刊新潮3月17日号「管見妄語」に藤原 正彦さんがその一端を書いている。ご紹介します。


 大いなる暗闘


 今年の米大統領選挙を見ると、1940年のそれが思い出される。当時は民主党のルーズベルト大統領が2期務めた後、今年も民主党の大統領が2期務めた後だ。

 当時共和党の候補となったウィルキーも今年の最有力候補トランプも、共に政治経歴の一切ない実業家だ。1940年とは、前年9月にヒットラーのポーランド侵攻で始まった戦争が、欧州各国を巻き込み英国すら危うくなっていた頃である。

 第一次大戦での犠牲にこりた米国民はその8割が戦争に巻き込まれるのを嫌っていた。共和党指名候補も、ウィルキー以外はすべて戦争介入に反対だった。当初、支持率3%にすぎなかった泡沫候補ウィルキーは、オランダ、ベルギーそしてフランスまでが降伏したことで、共和党大会直前に29%まで伸ばした。最有力候補デューイの47%にはまだ遠く及ばなかった。ところが大会では予想に反しウィルキーが指名された。

 ウィルキーには強い後ろ盾がいた。週刊誌タイム、経済誌フォーチュン、写真誌ライフなどを創設したヘンリー・ルースだ。ルースは19世紀末に中国青島でキリスト教宣教師の家に生まれた。20世紀初頭にかけて数千人の米人宣教師が中国に渡ったが、これら宣教師は第二次大戦終了まで最大のチャイナロビーとして活動した。

 円滑な布教にはまず中国に気に入られることとばかり、親中反日につながる歪曲した報道を本国に送り続けた。ルースも父親のその姿勢を継ぎ、蒋介石や夫人(宋美齢)を何度もタイム誌の表紙にのせるなど持ち上げ、各誌で反日を展開し、「惨めな中国、残忍な日本」のイメージを米国民に植えつけた

 中国と英国を助けたいルースは、隠れ社会主義者のルーズベルトが、3選を果たしソ連を救うために参戦しようとしていることを知っていた。そこで介入支持の論客実業家ウィルスキーに目をつけた。彼が共和党候補になれば、どちらが大統領になっても安心だし、少なくとも戦争介入が本選での争点から外される。タイム誌やフォーチュン誌でウィルキー特集を組み賞賛し、知名度を上げることに尽力した。

 ルーズベルトも、ルースと同じ理由で相手としてウィルキーを望んでいたに違いない。策略家ルーズベルトは何と共和党大会の4日前に、陸海軍の長官に共和党の大物2名を指名し閣内に取りこんだ。ウィルキー以外の候補が唱える介入反対の主張を減殺したのだ。

 共和党大会の運営委員長が大会の2週間前に不審死をとげた。その結果、副委員長サム・プライアーが後任となった。強力なウィルキー派だった。大会運営を握った彼はウィルキー派に不当に多くの大会会場入場券を配った上、立見をウィルキー派で固めた

 大会の目玉となるはずだったフーバー元大統領の演説を、突然のマイク故障により聴取不能にした。元大統領が練りに練った戦争介入反対の名演説となるはずのものだった。会場内では繰り返し「ウィー ウォント ウィルキー」が大合唱された。かくして奇蹟の大逆転が起きた。

 本選ではルーズベルトが無名のウィルキーに圧勝した。順当にウィルキー以外が共和党候補となっていたら、ルーズベルトは介入計画や15%をこす失業率など経済失政を厳しく衝かれ、本選で敗れ、従ってアメリカは戦争に加わらなかったろう

 ヨーロッパはヒットラー支配下となったろうが日米戦争はなかったはずだ。世界史を変える共和党大会だった。


 58年後に歴史家トーマス・マールは、この逆転劇が英国諜報員の主導によるもので、ルースやブライアーはその協力者だったと著書で書いた。風前の灯だった中ソ英はアメリカを参戦させるため死にもの狂いだったソ連は米政府に送りこんだKGB工作員を用い中国はチャイナロビーを活用し、英国は世界最強の諜報機関を用い猛烈な工作をしかけたのだ。


 今年の大統領選も大いなる暗躍となり、真実は長く隠蔽されるのだろう。


以上


 

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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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