愛社精神

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 週刊朝日14年4月8日号
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 週刊ダイヤモンド16年1月30日
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 週刊東洋経済16年4月16日号
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 朝日16年3月15日
 香川県丸亀市のテーマパーク「ニューレオマワールド」にカピバラがやってきた。「食事と寝る時以外はお湯に入っています」とか。見に行きたい。
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 桜にたっぷり楽しませてもらった。次はハナミズキ。





  愛社精神


 週刊朝日4月8日号、脚本家の内館 牧子さんのエッセイ「暖簾にひじ鉄」を抜粋してご紹介します。内館さんは、脚本家になる前は、三菱重工業のOLでした。


 三菱最強伝説


 『週刊ポスト』(3月4日号)の、――なぜ「三菱」は世界最強なのか――という巻頭記事をとても面白く読んだ。元々は『週刊ダイヤモンド』(1月30日号)で「三菱最強伝説」として話題になった企画だそうだ。

 読みながら、私が思わず「懐かしい!」と声をあげ、三菱重工業に勤めていた頃が甦ったのは、「所期奉公」という言葉である。

 これはもう、新入社員として入社すると同時に叩きこまれた。上司たちは、「いいか。事業というものは国のためにという心でやるものだ。国の力となるように、社員一人一人がベストを尽くす。三菱グループは人一人がその『所期奉公』の心で働いている。新人である君たちも、三菱の人間として恥じない仕事をしてくれ。いいな」と言い、オフィスの壁には「所期奉公 処事光明 立業貿易」という三菱グループ全体がめざす「三綱領」を大書した紙が貼られていた。

 私たち女子社員は定年まで最低の役職にもつけず、使い走りと雑用で一日を終えていた時代だ。それでも愛社精神は末端の使い走りにまで、乾いた砂が水を吸うように浸透していた。そして、戦う「三菱マン」を支える私たち女性陣……という図式にどこかで酔っていた気もする。

 ポスト誌は、今も三菱グループ社員の愛社精神は健在だと書くが、実は現役社員ばかりではない。

 昨年、日本初の国産ジェット旅客機MRJが、初飛行に成功した。赤い(スリーダイヤ)が描かれた白い機体が、青い空を上昇する。その姿が繰り返しテレビニュースで流れていたある日、重工時代の友人から電話がきた。

 「祝杯をあげようぜ」
 彼は定年までずっと造船の人間で、飛行機とは何の関係もない。なのに感極まっている。

 「重工マンの夢だったもんなぁ、国産ジェット。祝杯の会には××も△△も○○も来るってよ」

 ××はボイラーの人間で△△は橋梁で、○○と私は使い走りで、誰も飛行機とは関係がない。

 なのに(スリーダイヤ)が青空を飛んで誇らしかったというだけで、男女5人が集まって祝い酒である。私の友人たちはみんなあきれていた。

 が、叩きこまれた愛社精神というものは、なかなか消えないものだ。私にもあきれられた経験がある。


 三菱では「ビールはキリンを飲む」が徹底していた。キリンビールは三菱グループ企業である。私が脚本家になって10年以上たった頃だと思う。当時の使い走り女子ばかりが久々に何人かで集まり、食事をした。その中に一人だけ、まだ重工に勤めている女性がいた。彼女がウェイターに、「ビールはキリンとアサヒを半々にして」とオーダー。

 不審げな私たちに、彼女は言った。
 「アサヒビールがね、ウチにビールタンクを発注してくれたの。ありがたいでしょ。だから、このところキリンとアサヒ半々よ」


 それからしばらくして、私は対談で、当時のアサヒビールの樋口廣太郎会長とお会いした。お会いするなり、 「初めまして。脚本家の内館でございます。このたびはウチにビールタンクをご発注下さいまして、本当にありがとうございました」
 と深々と頭を下げると、樋口会長が本当にボー然と突っ立っていらした。

 考えてみれが当然だ。「脚本家」がなぜ「ウチ」と言い、発注にお礼を述べるのだ。

 私はあわてて、使い走り女子たちとの会食の話をした。すると樋口会長、真剣におっしゃった。
 「どうやったら、そんな女子社員が作れるんだろう」


 私が三菱重工をやめてから33年にもなろうとしているが、叩きこまれた「組織」という意識はなかなか消えない。週刊ポストや週刊ダイヤモンドで三菱がほめられると、すごく嬉しいのだ。使い走りだったのに。


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(感想・意見など)

 私もこの週刊ダイヤモンド週刊ポストは購入した。週刊ダイヤモンドは書店の店頭からすぐに消えたのを覚えている。確か重版がかかったのではないか(「重版出来:じゅうはんしゅったい」)。「組織の三菱」の面目躍如。日本中に「内館さん」がいる。

 ただ、個人的には、三菱に関して若干不安がある。一つは、三菱自動車。同じような規模のマツダや富士重工が頑張っているだけに不甲斐なさが目立つ。三菱重工業に関しては、豪華客船の火災や工期遅れ、巨額赤字、MRJの進捗状況の遅れが気になる。

 三菱商事も巨額赤字を計上したが、同業の三井物産も同様であり、あれだけ情報網の発達した巨大商社でさえ、中国経済の破綻や資源価格の暴落を予想できなかったのかと暗澹たる気持ちになった。ただ、中期的にはリカバリー出来そうで、それほど心配はしていない。


 それはそうとして、私も会社を辞めて15年になるが、内館さん並みの愛社精神はある。叩きこまれたというよりも、数十年にわたって、「どうすれば会社が良くなるなるのか」ばかりを考えてきた結果である。焼くまで消えるとは思えない。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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