日本人と祭り

日本人と祭り
 四国16年4月25日
日本人と祭り
 飛鳥山の花見。徳川吉宗が庶民の娯楽のために桜を植えさせた。
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 品川御殿山の花見。
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 高松市香東川の花見。
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 四国の祭・阿波踊り
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 四国の祭・高知よさこい
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 東予(とうよ:愛媛県東部)の秋祭り(死傷者が出ることも)
日本人と祭り
 西讃(せいさん:香川県西部)の秋祭り





 日本人と祭り


 四国新聞4月25日に経済ジャーナリストの伊藤洋一さんがコラムを寄稿している。なるほどと思うことが多い。抜粋してご紹介します。


 日本人と祭り
 地域興しの役割大きい

 
 日本人は「祭り」と聞くとワクワクする。読者の方々は「あって当然」と思っておられるかも知れないが、実は世界でこれほど各地、各都市、さらには地域で祭りを挙行する風習を持っているのは日本だけだ。日本では歴史の古い祭りも数多いが、それに加えて各地に新しい祭りや「借り物祭り」が次々に登場し、それに多くの人が熱くなる。

 近隣の他の諸国はどうか。実はあまり知られていないが、中国の人口の大部分を占める漢民族には日本のような祭りは存在しない。正月の爆竹はそもそも祭りではないし、最近は大気汚染もあり、それさえ自粛気味だ。同じ事情は韓国にも言える。

 私の韓国の友人がある時こう言った。「日本に来て一番驚いたのは、毎週末にテレビに祭りの話題が登場することだ。韓国にはそもそも祭りがない」と。

 中国では少数民族は祭りを持つケースは多い。しかし人口の8割以上を占める漢民族は祭りを持たないそうだ。昔はあったそうだが、現代に繋がっていない。何故か。それは近代化に入る前の中国や韓国の封建体制が長い間、人が集まることを嫌ったからだ。

 集まる人が釜や鍬(くわ)を持てば、それは反乱や一揆に繋がりかねない。為政者はそれを嫌がった。中国では今でも「人々が集まること」を厳しく監視し、しばしば禁止する

 しかし幕府体制が盤石だった日本では、むしろ為政者が祭りを奨励した。人々が集まっても万が一にも反乱に繋がるような恐れがなかったからだ。日本は海に囲まれていて、祭りで浮かれている間に外敵が突然襲ってくる恐れもなかった。

 為政者はむしろこう考えた。「男たちの欲求不満の良いはけ口になるし、モノやヒトの往来も著しく増えて経済が活発化する。商売繁盛で庶民も喜ぶ」と。

 だから多くの殿様は桜や梅などを対象に全国各地で「花見の会」を開き、領民とそれを楽しんだ神社や寺などに関する祭りも奨励した。江戸城にいた将軍も富士見櫓(やぐら)から品川の花火を見て楽しんだと伝えられる。


 実はこの「祭りの場」から今に残る日本全国各地の特産品の多くは生まれた。祭りを見に来てくれた人々が何か地のモノを買ってくれればなお良い。日本各地の特産品のほとんどは江戸の中期から後期に商人などの知恵絞りで作り出されたが、それは日本で祭りが公儀承認の下に盛大に行われるようになった時期と重なる。

 祭りは、戦後の日本で爆発的に増えた。例えば私が住む東京の中央線の沿線には、高円寺に阿波踊りがあり、阿佐ヶ谷には七夕祭りがある。いずれも人口の多い東京と言うことで、参加者・観覧者という意味では本場にあまり負けない数の人々を集め、ヒト、モノ、オカネが動く。言ってみれば徳島と仙台の「借り物祭り」だが、地域興しで果たしている役割は大きい


 ソメイヨシノや八重の桜を鑑賞する「花見」は、多分に祭りの意味合いを持つ。そこに去年あたりから膨大な数の外国人が参加している。先日靖国神社の春の奉納相撲を見に行ったら、会場は4割方が訪日外国人客だった。恐らく今年あたりから、日本中の祭りに大量の外国人が押し寄せるだろう

 四国も祭りが多い。四つの県がそれぞれ豊かな祭り文化をはぐくんでいる。確かに温泉や食べ物、豊かな景観は四国の誇る観光資源だが、これからは日本にしかない豊かな「祭り文化」を売り出して欲しいと思っている。

 なぜなら、祭りの運営には組織作りで人々の協力と協調が必要であり、資金集めも重要な課題だ。日本に他のアジア諸国に比して素早く近代文化を取り入れられた背景には、江戸時代からあった「祭り文化」が大きく寄与しているというのが私の意見だ。祭りはほぼ毎年オーガナイズ(組織する、編制する)を繰り返す。つまりそれは日本が誇るべき伝統を育んだ。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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