押し付け憲法

押し付け憲法
 朝日16年5月3日
押し付け憲法
 週刊新潮15年9月10日号
押し付け憲法
押し付け憲法
 香川県立図書館のツツジ





 押し付け憲法


 今日は「憲法記念日」。近ごろ朝日新聞がしきりに「立憲主義」を唱えている。今の日本国憲法はアメリカの押し付け憲法である。マッカーサーがGHQのケーディスに命じて、ほとんど法律の素人たちが1週間余で作ったものである。

 終戦当時アメリカは、日本とドイツを2度と戦争できないよう永遠に農業国にしばりつける方針であった。しかし、ソ連が東欧を急速に赤化し、中華人民共和国が成立し、朝鮮戦争が勃発するにいたって、アメリカの都合で、方針を大幅に変更した


 週刊新潮15年9月10日号お馴染み高山 正之さんの「変見自在」を抜粋してご紹介します。


 押し付け責任


 少し前の朝日新聞に「押し付け憲法は真実ではない」と題した投書が載った。「戦後、右から左まで新憲法をめぐり国民的な論議が沸騰した」「政府はGHQと共同で天皇制と民主化を模索し、議会も審議を尽くしたのが今の憲法なのだ」という。

 あの時代を知る説得力ある意見に思えるが、投書者は中野区の「加藤某76歳」とある。数えてみれば当時、小学生でしかない。

 同世代から言わせてもらうと当時の記憶は空腹と焼け跡とパンパン刈りから逃げるお姉さんが家に飛び込んできたことくらい。国民が憲法論議で沸いたなんて話は聞いたこともない


 大体あの憲法に国民は関知していなかった終戦の年の10月、GHQが憲法を変えろと命じた

 ポツダム宣言を読め。お前らにそんな権利はないと拒否したら、即座にみんな追放か収監された。

 しょうがない、松本烝治が翌年2月初めに試案を出したが、マッカーサーは一瞥もくれず、民生局のケーディスに「1週間で憲法を作れ」と命じた
 その際、彼は「軍隊を持たせない」「交戦権も認めない」「外敵からの自衛も認めない」とするマッカーサー・メモを渡した

 90年代まで生きたケーディスは「自衛を認めないのは余りに非常識だから、独断で削った」と駒沢大教授の西修らに語っている。

 かくて急ごしらえの米国製憲法は2月13日に首相幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)に手渡され、彼は「2月22日の閣議で承認せよ」と命じられた。その日は米初代大統領ワシントンの誕生日。

 幣原は言われた通り22日の閣議で了承し、3月6日にその大要を公表した。国民の右から左まで新憲法を知ったのはその時が初めてだった

 おまけにマッカーサーは新憲法にGHQが関与したことを一切報道しないよう命じていた。言論の自由の欠片(かけら)もない時代だった。
 草案を審議する帝国議会も同じ。GHQに逆らえば議場から摘み出され、戻ってくる者はいなかった。

 GHQは成立を待って新憲法の公布日を11月3日に指定してきた。近代日本を築かれた明治天皇の誕生日、明治節だ。その日に滅びの新憲法を日本に与える。


 つまり朝日が載せた投書には真実の一片もない。ただ読者もまるっきりの馬鹿ばかりでなく、首を傾げる者もいる。朝日はそれにも手を打った。8月15日付の評論家柄谷行人(からたに・こうじん)の憲法談義が次の一手だった

 柄谷は「憲法が押し付けか自発的か」は問題ではないという。だって朝鮮戦争のとき「米国が再軍備を持ちかけたが、日本は抵抗した。日本は自発的に9条を選んだのだ」と。

 これも尤もらしいが、米国の意図を無視している
 あの国の戦争は昔から形がある。ピークォート族をやるときはモヒカン(いずれもアメリカ・インディアン)に銃を持たせてやらせた。日本をやるときは支那人やフィリピン人に銃を持たせた。

 目下の朝鮮戦争ではフィリピン人は使えないから黒人を使ったが、品薄になってきた。で、日本人を武装させる気になった

 日本人はそれを知っていた。「お前が創った憲法に軍隊も交戦権も認めないとある」と言って拒んだ。米国の「押し付け責任」をはっきり問うた白人の横暴を免れる緊急避難行為だった。

 それをもって国民があの愚かな憲法を「納得した証拠」とはよく言う


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(感想・意見など)

 私は、色々な具体的な事実⇒理論の立場であるが、朝日新聞などは理論(マルクス主義など)⇒事実を解釈、であることが多く(朝日の言う「角度をつける」)、歯切れはいいが、都合がいいことだけを拾い出したり、都合よく曲げたりするので、注意が必要である。歴史的事実として、朝日新聞は、重要な局面で間違えてばかりいる。


以上

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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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