「中国の夢」

「中国の夢」
 産経新聞16年4月29日
「中国の夢」
 中国の夢「一帯一路」
「中国の夢」
 中国の夢・アジアインフラ投資銀行(AIIB)





 「中国の夢」


 1945年8月日本が降伏した後、国民党と共産党の間で内戦が再発した。このときの模様をずっと知りたいと思ってきた。産経新聞4月29日「正論」欄で東京国際大学教授・村井 友秀さんがそのことに触れている。抜粋してご紹介します。


 「中国の夢」で国民を煽る共産党


 日本軍に押され続けた日中戦争

 日中戦争が拡大していた1938年に、毛沢東「弱い中国」が「強い日本」に勝つ戦略として「持久戦論」を書いた。日本は強力な帝国主義国家で、軍事力・経済力は東洋一である。しかし、国土が小さく、人口、資源が欠乏し、長期戦には耐えられない。

 他方、中国は半植民地・半封建国家で軍事力・経済力は日本に及ばない。しかし、国土が大きく、資源が豊かで人口・兵力が多く、長期戦に耐えることができる。したがって、長期戦になれば日本は敗北する。

 また、「持久戦論」は戦争を3段階に分けている。(略)すなわち、毛沢東の軍事戦略は、敵が強い時には戦わず、敵が弱くなったときに一挙に殲滅するという戦略である。


 日中戦争の実態を見ると、共産党軍は日本軍との戦闘よりも重要地方都市の占領を優先し、国民党の地方軍閥は対立抗争を繰り返していた。共産党軍は日中戦争の主要な戦闘には参加せず、38年には華北・華中の主要都市は日本軍に占領された。さらに、日本軍は44年から45年にかけて日中戦争の中で最大の「大陸打通作戦」を実行し、中国の戦場では45年になっても日本軍は優勢であった

 しかし、米ソの対日戦争で日本軍が崩壊し、日本は戦争に敗れた。その結果として中国戦線でも日本軍は降伏した。毛沢東の軍事戦略は現実ではなく夢であった


 毛沢東が徹底した思想教育

 日中戦争における毛沢東思想の意義は、共産党軍兵士に自らの戦いが正義の戦いであり必ず勝利するという信念を植え付け、共産党軍の士気高揚に大きく貢献したことである。

 近代中国では、兵士は略奪暴行を目的に戦うならず者であると見なされてきた。蒋介石の軍事顧問であった米国陸軍中将は国民党を「自分のことしか考えない、ならず者の集団である」と評価していた。初期の共産党軍兵士も軍閥軍と同様に、遊民無産階級出身者が多く、各地で略奪暴行事件を起こした。

 しかし、毛沢東は徹底した思想教育と厳しい軍紀によって、ならず者の貧民集団を、厳正な兵士の集団に変身させた

 日本軍が降伏した後、共通の敵を失った共産党と国民党の間で内戦が再発した。48年から49年にかけて三大戦役といわれる大きな戦いがあり、共産党が勝利した。いずれの戦役を見ても、数的に共産党軍が優勢であり、勝敗は優勢な敵を目の前にした国民党軍の戦意が崩壊したことによって決着した。

 三大戦役によって国民党軍は数十万人の兵士を失ったが、その7割は逃亡、投降、寝返りであった。蒋介石は日中戦争の中で、「戦争の勝敗を決する要素の中で武力が占める割合は多くとも1割から2割であり『精神によって物質に勝つ』ことができる」と述べていた。精神力に欠ける国民党軍が勝つチャンスはなかった。


 国民の不満そらすスローガン

 北京にも共産党軍は無血入場したが、意気揚々と北京に入場した共産党軍の先頭を切ったのは、赤旗を掲げた旧日本軍の九七式戦車であった。専門知識のレベルが低い国共両軍には、降伏後、多くの旧日本軍将兵が軍事顧問として参加していた。

 結局、近代化が遅れた軍閥軍が中心である国民党軍や戦闘力が低いゲリラ中心の共産党軍は、日中戦争当時、世界有数の軍事大国であった日本軍に勝つことはできなかった。中国人が熱狂する中国の夢も外国人には無意味である。

 しかし、国共内戦は、問題だらけの現実を守ろうとする腐敗した国民党軍兵士と、現実にはあり得ない完全無欠の共産主義社会の実現を夢見る共産党軍兵士の戦いになった。国共内戦は両軍兵士の戦う意思の差で勝敗が決着した。

 ただし、政権を取った後の共産党は現実の体制を守る側になったが、さまざまな国内矛盾を解決することができず、現実の国内問題から国民の目をそらすために、夢を掲げる戦略から脱却することができなかった

 数年以内に経済力で英国を追い抜く「大躍進」(58年)政策から、反革命分子を打倒し正しい社会主義文化を創生する「文化大革命」(66年)、皆が金持ちになる「改革開放」(78年)、そして超大国の復活を目指す「中華民族の偉大な復興」まで、共産党は国民を熱中させる「中国の夢」を煽り続けているのである。


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(感想・意見など)

 「大躍進」「文化大革命」で、中国だけでも5千万人とも7千万人ともいう人が死んだ(殺された)とされる。「革命」は他国にも輸出され、恐らく何百万人が犠牲者となった。



以上


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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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