アメリカとアジアの関係

アメリカとアジアの関係
 ニューズウィーク日本版16年4月12日
アメリカとアジアの関係
 中国は帰属をめぐって隣国と争いがある南シナ海の島々を武力で次々と軍事基地化している。
アメリカとアジアの関係
 毎日新聞16年6月24日
 海洋法を守らない。国際仲裁裁判所の決定に従う気がない。
アメリカとアジアの関係
 讀賣新聞16年6月21日
 乱獲、環境悪化で中国領で獲れなくなったため、他国領海で違法操業する。根こそぎ獲っていくため漁業資源が急減。乱闘で時には死者が出ることもある。アルゼンチンは中国漁船を撃沈した。ベトナム、インドネシア、フィリピン、日本…世界中で紛争を起こしている。
アメリカとアジアの関係
 日経新聞16年6月22日
 過剰生産のはけ口を海外に求めて安値受注し、あらゆる国で「中国流」を押し通そうとするので、トラブル続出。
アメリカとアジアの関係





 アメリカとアジアの関係


 アメリカ大統領選の予備選で共和党のドナルド・トランプが予想外の健闘をしていることから、次の大統領に誰がなるにせよ、アメリカは内向きになり、アジアからアメリカは引いてしまうのではないかとの不安が高まっている。

 イギリスのEU離脱のように「まさか」という事態はあり得るので油断はできないが、アメリカとアジアの関係は思っている以上に緊密なようである。

 ニューズウィーク日本版16年4月21日号に、元ウズベキスタン・タジキスタン大使で外交アナリストの河東 哲夫(かわと・あきお)さんがそのことについて書いている。抜粋してご紹介します。


.......... ..........


 トランプが大統領でもアジアを手放せないアメリカ

 米大統領選であらわになる根強い内向き志向
 日本はアメリカとアジアの共生の足掛かりとなれるか


 誰が大統領になろうと、アジアを突き放すわけにはいかない。アメリカにとり、掛け値なしに重要な地域になっているからだ。

 アメリカは建国以来、内向き志向と帝国主義が併存してきた。西部開拓が完成した19世紀後半頃から、対外拡張の時代となり、アジアがターゲットとなる。ペリー艦隊を日本に送り、中国との貿易の中継港を確保。ハワイ王国を併合し、米西戦争で勝利を収めるとフィリピンを植民地化してしまう。

 1905年には日露戦争の和平を仲介し、日本がロシアから入手した南満州鉄道の利権折半を求めたが失敗中国での利権をめぐって、日本との因縁は太平洋戦争に至る。アメリカはアジアでのプレゼンス確立のために、米兵約10万人もの血という犠牲を払った。

 戦後は中国利権を独占できるはずが、共産化で実現しなかった。しかし中国が経済開放を一段と進めた90年代半ば以降、米証券会社は中国株の急伸を演出して、しこたま儲けた。現在ではゼネラル・モーターズ(GM)がアメリカより中国で多くの台数を売り上げるなど、中国での利権を思うがままに貪っている

 以前から米企業はアジアへの投資を増やしてきた。今では日本、中国、韓国、台湾、東南アジアへの直接投資残高は5000億㌦(注:$1=¥110で55兆円)。アメリカによる世界への直接投資残高総額の約10%を占める。

 貿易も緊密で、日中韓の東アジア諸国はアメリカにとって、NAFTA(北米貿易自由協定)のカナダとメキシコに次ぐ輸出相手。輸入に至ってはNAFTAの27.3%をも上回って35%強と、断然の首位だ。

 東アジア・東南アジアとの貿易でアメリカは約4700億㌦(注:$1=¥110で51.7兆円)余りの赤字だが、ドルで支払える以上、大きな問題ではない。

 日本企業だけでも、その対米直接投資で米国民約70万人に雇用をもたらしているし、アジアからの安価な輸入品はアメリカでインフレが起きるのを防いでいる。

 このために、アジアでの紛争を抑止し、貿易と投資の自由を維持することは、アメリカ自身の大きな利益となっている。アメリカの一部論者が言うように「アジアは中国に任せろ」とでもなれば、対中貿易・投資だけでなく、アジア全域でのルールや利権は中国のさじ加減で決まることになってしまう。だからこそ、アメリカはアジアを外交の軸と定め、来年度の国防予算でもアジア重視継続を明言している。


 非現実的な完全自主防衛

 逆に日本を含めたアジア諸国も、アメリカの重要性を認識する必要がある。東アジアの経済は、対米輸出を成長のエンジンとしてきた。稼いだドルはアメリカに再投資し、それで経済を膨らませたアメリカはアジアからさらに多くの輸入をする。

 つまり、アジアとアメリカは経済面で共生関係にある。貿易や投資の自由が保持されていれば(北朝鮮を除く)すべての国や地域がハッピーで、ことさらいがみ合う必要はない。

 リーマン・ショックでアメリカの地位が一時的に沈むまでは、多くの中国人識者も共生関係を認めていた。「アメリカはアジアの安定を維持してくれる勢力」と言っていたものだ。

 日本では「アジアはアジア人で」「アメリカには出て行ってもらう」といった根強い反米主義がある。そんなことをすれば、日本は中国の圧力に裸でさらされる。日本はアメリカ、中国、ロシアという軍事大国の間で完全自主防衛を実現する力はない。そのことを冷厳に見据えつつ、その中で最大限外交の自主性を確保していくしかない

 アメリカにとって日本の価値は、「アジアにおけるアメリカの利益を維持していく上での最有力な足掛かり」だ。それを支えに、日本は賢く立ち振る舞うことが求められている


以上


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

最新記事
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カウンター