ドイツ人-ロマンチックバカ

ドイツ人-ロマンチックバカ
 週刊新潮16年6月23日号
ドイツ人-ロマンチックバカ
 産経新聞16年7月8日
 アメリカは50年前に戻ったかのよう。世界的に社会が分裂しかけている。
ドイツ人-ロマンチックバカ
 産経新聞16年6月30日
 「ひなちゃんの日常」では6月30日が夏越の祓えとなっているが、わが神社では7月10日(日)。
ドイツ人-ロマンチックバカ
 茅の輪(カヤの輪)ができているかと思って神社前を通ってみたがまだだった。明日つくるのだろう。
ドイツ人-ロマンチックバカ
ドイツ人-ロマンチックバカ
 今日の本津川。この分では今夏は水の心配はなさそう。関東は?





 ドイツ人-ロマンチックバカ


 ドイツ人というと「硬い」「堅実」「科学的」「理性的」というイメージがある。しかし、原発への対応難民受け入れ問題をみていると、それは一面にしか過ぎないと思えてくる。最近、〝危うい夢見る人々〟という一面がありそうだと思えてきた。

 週刊新潮6月23日号藤原正彦さんの「管見妄語」を抜粋してご紹介します(英国の国民投票前です)。


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 ロマンティック・イディオット


 東日本大震災における原発事故での、民主党政府の狼狽ぶりはひどく、信頼できる情報のない国民は不安を募らせた。ふと東京に住む20年来の友人、英国人夫妻に連絡を入れてみた。
 
 異国の地でのこの混沌に、想像したより落ち着いていた。ビルの30階で働いていた彼は、1㍍もの揺れに度肝を抜かれたが、今こそ英国紳士ぶりをと、急いで新聞を手に取るとソファに腰を下ろし読むふりをしていた、と言って笑った。彼らの落ち着きにはもう一つの理由があった。

 事故発生の3日後から、英政府科学顧問を中心とする専門家チームが、在日英国人向けに危険度を科学的かつ具体的に説明していたのだ。チェルノブイリとは本質的に違うこと、考えられる最悪のケースとはどんな状態か、その場合でも2日間ほど家にこもっていれば東京にいて大丈夫であること、水は東京都の指示に従っていればよい、等々。

 英本国でも事故直後から、BBC放送やフィナンシャル・タイムズ紙などがくり返し、「福島原発の爆発は視覚的には派手だが、核爆発とは全く異なり、チェルノブイリのごとき放射能拡散はあり得ない」と伝えていた。


 英国の沈着冷静に比べ、ドイツメディアのヒステリーぶりはすごかった。第二のチェルノブイリあるいはそれ以上と決めつけ、花粉症マスクの都民を放射能に怯える人々と伝え、大使館員や特派員を大阪やソウルへ避難させた。

 そして事故4日後の3月15日にメルケル首相は、国内17基の原発のうち8基を稼働中止、6月には2022年までの原発完全廃止を全政党支持のもと決定した。この結果、ドイツの美しい田園は風車や太陽光パネルで埋められ、不安定な自然エネルギーの補助としてCO2の元凶たる石炭発電が全発電量の半分近くにまで増加した。

 
 私はアメリカの大学にいた頃、現実や大局を見ずに論理的に正しいだけのことを自信満々に主張する人々ロジカル・イディオット(論理的バカ)と呼んでいた。これにならえばドイツ人はさしずめロマンティック・イディオットだ。

 戦前までの一世紀間、学術、文化、芸術で圧倒的な業績を残したあのドイツ人が、何かの夢にとりつかれると、あっという間に一斉にそれになびいてしまう。原発は不完全技術で潜在的危険が伴う(これは正しい)と考えると、あらゆる現実を無視して廃止に突っ走ってしまう。

 第一次大戦では、戦前から教養市民層がナショナリズムを吹聴し、戦争が始まるや英仏の文明に対するドイツの文化の戦いと勇み立ち、国民はこれに陶酔した。その十数年後にはヒットラーの「至高のドイツ」に陶酔した。国際連盟脱退は国民の95%、非武装のタインラント進攻は98%、オーストリア併合は99%が支持した。

 大戦後はホロコーストの贖罪意識に陶酔している。清く正しい人々になったから、原発は断じて許せない。諸悪の根源だったマルクと祖国を捨てようと必死にEUを作った。シリア難民受け入れに上限はない、と大見得を切った。すべて贖罪だ。現実が見えなくなっているから、エネルギー政策もユーロも移民政策も破綻しかかっている


 この6月23日に英国のEU残留か離脱かを決める国民投票が行われる。世論調査で両派が拮抗しているのは離脱が経済的損失を意味するからで、本音ではほぼ前英国民がドイツの支配するEUなどから離れたいのだ。英国人はドイツ人と正反対の冷めた人々だ。現実のためには原理原則どころか正義や道徳さえも巧妙に棚上げしてしまう

 彼等はよく「ドイツ人はどんな小さな過ちも犯さない。犯すのは最大級の過ちだけだ」と言う。ロマンチックバカと同じボートにいては生きた心地がしないのだ。


以上

 

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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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