ソ連・ロシアのお家芸

産経新聞16年7月26日「産経抄」

讀賣新聞16年2月23日

ソ連・ロシアのお家芸
7月26日「産経抄」を抜粋してご紹介します。
.......... ...........
ロシア帝政末期に権勢を振るった怪僧ラスプーチンの暗殺には、青酸カリ入りのお菓子が使われた。
権力を手に入れたレーニンは、極秘の毒物研究所を1921年に設立している。その使命は、「ソ連政府の敵と戦うこと」だった。皮肉なことに、最初の犠牲者の一人となったのはレーニン本人である。スターリンが黒幕だった可能性が高い(『毒殺 暗殺国家ロシアの真実』アルカディ・ワクスベルク著)。
毒殺研究は、現在のプーチン政権にも引き継がれている。2006年にはロンドンで、英国に亡命中のロシアの元情報将校が、放射性物質ポロニウム入りの茶を飲まされて死亡した。犯行は恐らく、プーチン大統領の承認を得ている。英当局は今年1月、こんな内容の調査結果を発表した。
今回のロシアのドーピング問題も、構図は同じである。世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームは、国ぐるみの不正だと断定していた。にもかかわらず、国際オリンピック委員会(IOC)は、リオデジャネイロ五輪からの、ロシア選手団の全面除外の処分を見送った。
ロシア選手の出場の可否は、各国際競技連盟の判断にゆだねる、つまり丸投げしてしまった。何よりIOCがへっぴり腰を見せたことで、「ドーピング国家」が大国ならば、無理が通る前例を作ってしまった。オリンピックの将来に、大きな禍根を残したといえる。
........... ........... ..........
讀賣新聞2月23日の記事を抜粋してご紹介します。
ドーピング暴露本 急死前に計画
露機関元幹部
英紙報道
【モスクワー緒方賢一さん】ロシア陸上界の組織的ドーピング問題を巡り、英紙サンデー・タイムズは21日、2月中旬に急死したロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元幹部が生前、「暴露本」の執筆を計画していたと報じた。
この元幹部は、ニキータ・カマエフ氏。2月14日、スキーを楽しんで帰宅した後、急死したとされ、タス通信によると、死因は心臓発作という。カマエフ氏は52歳と若く、RUSADA関係者は「心臓が悪いとはきいたことがない」と述べた。
同氏の前任者も2月3日、心臓病で死去。10日あまりの間にドーピングの実態を知り得る立場にあった2人が相次いで亡くなったことから、憶測を呼んでいた。
英紙サンデー・タイムズによると、同紙記者とカマエフ氏は昨年12月から、ドーピングについて明らかにされていない事実を盛り込んだ本の出版に向け、連絡を取り合っていたという。
以上